勘定科目の基礎知識

システム利用料の勘定科目は? 具体的な仕訳例や会計処理のポイントなどを解説

監修 安田亮 安田亮公認会計士・税理士事務所

システム利用料の勘定科目は? 具体的な仕訳例や会計処理のポイントなどを解説

多くの企業は外部のシステムやサービスを利用しながら事業活動を行っています。業務で使用するシステムには、多数の種類が存在します。

会計や勤怠管理などサービスの範囲も多岐にわたり、買い切りやサブスクリプションタイプなど提供の形態もさまざまです。

システム利用料に用いる勘定科目に明確な定めはありませんが、企業ごとの運用ルールは必要です。本記事では、システム利用料に用いる勘定科目具体的な仕訳例を解説します。

システム利用料を経費計上する際の会計処理のポイントも説明するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

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システム利用料とは?

システム利用料とは、会計ソフトや予約システム・グループウェアなどのサービスを利用する対価として支払う使用料です。

具体的には、ライセンス料・システム使用料・メンテナンス料などを指します。支払方法には、月払い・年払い・複数年一括払いなどがあります。

ソフトウェアを買い切るタイプや、サブスクリプションタイプなどサービスの形態もさまざまです。

システム利用料に用いる勘定科目

システム利用料で使用する勘定科目に法的な定めはなく、各企業の判断に委ねられます。たとえば、独自に「システム使用料」のような勘定科目を設けても構いません。

一般的に用いる勘定科目として挙げられるのは、以下の通りです。

ソフトウェアの勘定科目

  • 買い切り型のソフトウェアの場合は【消耗品費】
  • クラウド型のソフトウェアの場合は【通信費】
  • 10万円以上の買い切り型ソフトウェアの場合は【ソフトウェア】
  • システムの利用料や年会費、更新料などの場合は【支払手数料】【諸会費】

次項で詳しく解説します。

【消耗品費】

ソフトウェアは、パソコンにインストールして使用する「買い切り型(スタンドアロン)」、インターネットを通じてデータをやり取りする「クラウド型」の二種類に大別されます。

買い切り型の勘定科目は、一般的に「消耗品費」です。消耗品費は、使用可能年数が1年未満または10万円未満の備品類に用います。

10万円以上の買い切り型ソフトウェアを購入した場合は、無形固定資産として計上し減価償却が必要です。

【通信費】

クラウド型のソフトウェアは、一般的に「通信費」で仕訳します。通信費は、業務上必要である郵便代や電話代など通信にかかる費用の勘定科目です。

【ソフトウェア】

買い切り型ソフトウェアの購入費用が10万円以上の場合、無形固定資産として計上します。

一般的に用いる勘定科目は、「ソフトウェア」です。

時間経過とともに価値が減少していくと考えられるため、減価償却も必要です。

減価償却費は、場合によって「一括償却資産の損金算入制度」や、「中小企業等の少額減価償却資産の損金算入制度」の特例を適用できます。

適用には、取得時期や金額・企業規模などの条件が定められています。

【支払手数料】【諸会費】

システムの利用料や更新料・年会費や、サポート費用などの勘定科目には「支払手数料」「諸会費」を使用できます。

支払手数料は、商品やサービスを利用した際に発生する手数料などの費用に用いる勘定科目です。

諸会費は、業務に関する会費に用いる勘定科目です。

【事例で解説】システム利用料の仕訳例

システム利用料の具体的な仕訳例を紹介します。

10万円未満のソフトウェアを導入した際の仕訳例

10万円未満のソフトウェアの仕訳例を紹介します。

例:5万円のソフトウェア導入費用を現金で支払った

借方貸方
消耗品費(または通信費など)50,000円現金50,000円

例:5万円のソフトウェア導入費用をクレジットカードで支払った

クレジットカードでの支払時

借方貸方
消耗品費(または通信費など)50,000円未払金50,000円

利用代金の引き落とし時

借方貸方
未払金50,000円預金50,000円

サービスの利用料やサポート費用を支払った際の仕訳例

クラウド利用料やサポート費用の仕訳例を紹介します。

例:クラウドシステムの月額利用料1万円を口座振替で支払った

借方貸方
支払手数料(または諸会費など)10,000円預金10,000円

例:クラウドシステムの月額利用料1万円をクレジットカードで支払った

クレジットカードでの支払時

借方貸方
支払手数料(または諸会費など)10,000円未払金10,000円

利用代金の引き落とし時

借方貸方
未払金10,000円預金10,000円

複数年分の費用を一括で支払った際の仕訳例

2年以上のシステム利用料を一括で支払った際の仕訳例を紹介します。

例:年額1万円のクラウドシステムの利用料3年分を一括で現金で支払った

支払時

借方貸方
前払費用30,000円現金30,000円

費用計上時

借方貸方
通信費10,000円前払費用10,000円

ソフトウェアの固定資産税計上と減価償却する際の仕訳例

10万円以上のソフトウェアを購入した場合の仕訳例を紹介します。

例:15万円のソフトウェア購入代金を現金で支払った

借方貸方
ソフトウェア150,000円現金150,000円

例:15万円で購入したソフトウェアの減価償却を行う(耐用年数5年の定額法)

借方貸方
減価償却費30,000円ソフトウェア30,000円

システム利用料を経費計上する際の会計処理のポイント

システム利用料を会計処理する際に、押さえておきたいポイントを解説します。

勘定科目の方針は特別な理由がない限り継続する

会計は、同一の処理を継続して行う「継続性の原則」に則った処理が必要です。一度採用した会計方針の安易な変更は控えましょう。

特にシステム利用料は、用いる勘定科目に明確な法律の定めがなく、企業の判断に委ねられます。独自に勘定科目を設定できる分、決定したルールは社内で共有し、継続して運用すること大切です。

特段の理由がないにもかかわらず、担当者や事業年度によって処理の方法が変わらないよう注意しましょう。

インボイスの取り扱い

インボイスに記載するべき事項のうち、「取引年月日」以外を契約書や覚書に記載し、取引年月日は振込記録などの記録で別々に保存する方式も認められます。

令和5年10月より「インボイス制度(適格請求書保存方式)」が始まりましたが、実務上では、毎月定額のシステム利用料などは請求書が発行されないケースも想定されます。

「事業者の登録番号」など、適格請求書発行事業者の発行した請求書と同等の記録があれば、消費税の仕入税額控除が可能です。

まとめ

システム利用料は、各種ソフトウェアやシステムなどのサービス利用料です。使用する勘定科目に、法的な決まりはありません。

一般的にソフトウェアは「消耗品費」「通信費」、利用料やサポート費用は「支払手数料」「諸会費」などを使用します。

10万円以上の買い切り型ソフトウェア購入費用は、「ソフトウェア」で固定資産として計上し、減価償却が必要です。

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よくある質問

システム利用料とは?

会計ソフトウェア・予約システム・グループウェアなど、サービスを利用する対価として支払う使用料を指します。

システム利用料を詳しく知りたい方は「システム利用料とは?」をご覧ください。

システム利用料に用いる勘定科目は?

システム利用料の勘定科目に法的な定めはありません。

一般的にソフトウェアは「消耗品費」「通信費」、利用料やサポート費は「支払手数料」「諸会費」などで仕訳されます。「システム利用料」などの勘定科目を企業が独自に設定しても問題ありません。

システム利用料の勘定科目を詳しく知りたい方は「システム利用料に用いる勘定科目」をご覧ください。

監修 安田 亮(やすだ りょう)

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

監修者 安田亮