監修 宮川 真一(みやがわ しんいち)
事業目的で利用したレンタカー代は、経費計上が可能です。レンタカー代で用いられる勘定科目や具体的な仕訳例、計上する際のポイントを解説します。
業務でレンタカーを借りたとき、「勘定科目は何を用いればよいか」「仕訳はどの点に注意しなければならないか」などと疑問に感じる場合もあります。
具体的な仕訳例とともに解説するので、参考にしてください。
目次
freee会計で電子申告をカンタンに!
freee会計は〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポート!口座とのデータ連携によって転記作業も不要になり、入力ミスも大幅に削減します。
レンタカー代は経費に計上できる?
レンタカー代も、事業収入を得るための業務上必要な費用である場合は経費に計上できます。
たとえば、出張先で移動用にレンタカーを借りた場合、社用車として定期的にレンタカーを利用している場合などです。
そのほか、レンタカー返却時に支払うガソリン代、損害保険料なども経費に計上できます。
レンタカー代を経費計上するためには、利用時に領収書などの支払いを証明する書類をきちんと保管しておきましょう。
レンタカー代に用いる勘定科目
レンタカー代で主に用いられる勘定科目は以下の通りです。
レンタカー代の勘定科目
- 出張でレンタカーを利用した場合【旅費交通費】
- 出張のレンタカー代と分けて管理したい場合【車両費】
- レンタカーを社用車に利用する場合【貸借料】
各勘定科目の特徴と、どのようなレンタカー利用で用いられるかを解説します。
【旅費交通費】
旅費交通費は、仕事で移動するための旅費や交通費を管理する勘定科目です。出張でレンタカーを利用した場合など、多くのレンタカー利用の仕訳で用いられます。
旅費交通費はレンタカー代だけでなく、出張先での宿泊費や日当などもまとめて計上することが可能です。旅費交通費は費用の発生を示すため、仕訳の際は借方に計上します。
【車両費】
車両費は、自動車に関する費用をまとめて管理する勘定科目です。
たとえば、通常の営業でレンタカーを利用する際に出張のレンタカー代とは分けて管理したい場合、車両費で計上するケースもあります。
車両費も費用の発生を示す勘定科目であるので、仕訳の際は借方に計上します。
【貸借料】
貸借料は、土地や機械などを借りたときの費用を管理する勘定科目です。「リース料」の科目で呼ばれることもあります。
レンタカーをマンスリー契約などで短~中期の利用をする場合は、「賃借料」を用います。
賃借料も費用の発生を示し、借方に計上される勘定科目です。
【事例で解説】レンタカー代の仕訳例
レンタカー代を計上する場合の具体的な仕訳例を、以下の3つのケースを例に解説します。
レンタカー代の仕訳例
- 出張でレンタカーを利用した場合
- レンタカー利用時に自動車保険に加入した場合
- レンタカー利用時にクレジットカードやETCカードを利用した場合
出張でレンタカーを利用した場合の仕訳例
出張でレンタカー代(20,000円)を支払った場合の仕訳例は以下の通りです。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
旅費交通費 | 20,000円 | 現金 | 20,000円 |
なお、レンタカーを借りたときに、ガソリン代やNOC補償料(ノン・オペレーション・チャージ補償料、レンタカーを故障させてしまった場合などの営業補償料)を支払った場合はレンタカー代に含めて計上します。
上記のケースで、ガソリン代が4,000円、NOC補償料が330円であった場合の仕訳は以下の通りです。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
旅費交通費 | 24,330円 | 現金 | 24,330円 |
レンタカー利用時に自動車保険に加入した場合の仕訳例
レンタカー利用時に自動車保険に加入した場合は、損害保険料として別途計上する方法が一般的です。
たとえば、レンタカー代が20,000円、自動車保険料が3,000円であった場合の仕訳例は以下の通りです。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
旅費交通費 | 20,000円 | 現金 | 23,000円 |
損害保険料 | 3,000円 |
損害保険料は消費税非課税であるため、別途管理しておくと費用を管理しやすくなります。
レンタカー利用時にクレジットカードやETCカードを利用した場合の仕訳例
レンタカー代(20,000円)をクレジットカードで支払った場合、その時点で口座からお金が引き落される訳ではありません。
しかし、記帳は発生主義が原則であるため、利用時に未払金を計上し、口座から引き落された時点で未払金を消し込みます。
●レンタカー利用時の仕訳例
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
旅費交通費 | 20,000円 | 未払金 | 20,000円 |
●引落時の仕訳例
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
未払金 | 20,000円 | 普通預金 | 20,000円 |
なお、レンタカーで高速道路を利用した場合に、料金をETCカードで支払った場合も同様です。たとえば、高速道路の料金が2,000円であった場合の仕訳例は以下の通りです。
●ETC利用時の仕訳例
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
旅費交通費 | 2,000円 | 未払金 | 2,000円 |
●引落時の仕訳例
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
未払金 | 2,000円 | 普通預金 | 2,000円 |
レンタカー代を計上する際のポイント・注意点
レンタカー代の経費計上で注意したいポイントは以下が挙げられます。
レンタカー代を計上する際のポイント
- 仕事以外で利用したレンタカー代は経費計上できない
- 証憑を保管しておく
- 勘定科目は一貫性をもって計上する
当然のことながら、経費で計上できるのは「事業に利用する目的で利用したレンタカー代」です。
旅行や日用品のお買物など、プライベート目的で借りたレンタカー代は経費計上できないので注意しましょう。
また、レンタカー利用を証明できる証憑がないと、経費で計上が難しくなります。レンタカー会社から受け取った領収書は大切に保管してください。
ETCを利用した場合は、ETC利用証明書やクレジットカードの利用明細などを保存しましょう。
なお、レンタカー代の勘定科目には旅費交通費や車両費、貸借料などを用いることができます。
どの勘定科目で計上するかに明確なルールはありませんが、一貫性のある計上方法が大切です。同じ取引内容は同じ勘定科目で計上するように心がけましょう。
まとめ
業務に関して借りたレンタカー代は経費計上が可能です。一般的に、旅費交通費の勘定科目で仕訳を行います。
レンタカーの用途では、車両費や賃借料の勘定科目が適切なケースもあるので、経理の状況にあわせて選択しましょう。
近年では、自動入力や自動仕訳が可能な会計ソフトも提供されています。便利な機能のあるツールを活用し、効率的に業務を進めましょう。
確定申告を簡単に終わらせる方法
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに正確な内容の書類を作成し申告しなければいけません。
確定申告書を作成する方法は手書きのほかにも、国税庁の「確定申告等作成コーナー」を利用するなどさまざまですが、会計知識がないと記入内容に悩む場面も出てくるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、確定申告ソフト「freee会計」の活用です。
freee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。必要な計算は自動で行ってくれるため、計算ミスや入力ミスを軽減できます。
ここからは、freee会計を利用するメリットについて紹介します。
1.銀行口座やクレジットカードは同期して自動入力が可能!
1年分の経費の入力は時間がかかる作業のひとつです。freee会計に銀行口座やクレジットカードを同期すると、利用した内容が自動で入力されます。
また、freee会計は日付や金額だけでなく、勘定科目も予測して入力します。
溜め込んだ経費も自動入力でカンタン!
2.現金取引の入力もカンタン!
freee会計は、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿づけが可能です。自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、初心者の方でも安心できます。
さらに有料プランでは、チャットで確定申告について質問ができるようになります。オプションサービスに申し込めば、電話での質問も可能です。
freee会計の価格・プランについて確認したい方はこちらをご覧ください。
3.〇✕形式の質問に答えると、各種控除や所得税の金額を自動で算出できる!
各種保険やふるさと納税、住宅ローンなどを利用している場合は控除の対象となり、確定申告することで節税につながる場合があります。控除の種類によって控除額や計算方法、条件は異なるため、事前に調べなければなりません。
freee会計なら、質問に答えることで控除額を自動で算出できるので、自身で調べたり、計算したりする手間も省略できます。
4.確定申告書を自動作成!
freee会計は取引内容や質問の回答をもとに確定申告書を自動で作成できます。自動作成した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告は完了です。
また、freee会計はe-tax(電子申告)にも対応しています。e-taxからの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。
e-tax(電子申告)を検討されている方はこちらをご覧ください。
完成した確定申告書を提出・納税して確定申告が完了!
freee会計を使うとどれくらいお得?
freee会計には、会計初心者の方からも「本当に簡単に終わった!」というたくさんの声をいただいています。
税理士などの専門家に代行依頼をすると、確定申告書類の作成に5万円〜10万円程度かかってしまいます。freee会計なら月額980円(※年払いで契約した場合)から利用でき、自分でも簡単に確定申告書の作成・提出までを完了できます。
余裕をもって確定申告を迎えるためにも、ぜひfreee会計の利用をご検討ください。
よくある質問
レンタカー代は経費計上が可能か?
業務上でレンタカーを借りた場合、そのレンタカー代は経費に計上できます。
レンタカー代の経費計上を詳しく知りたい方は「レンタカー代は経費に計上できる?」をご覧ください。
レンタカー代はどのような勘定科目に計上すべき?
一般的に旅費交通費が用いられます。場合により、車両費や賃借料で計上されます。
レンタカー代の勘定科目を詳しく知りたい方は「レンタカー代に適用する勘定科目」をご覧ください。
監修 宮川真一 税理士、1級FP技能士・CFP
岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業後、税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは20年以上となる。現在は「100年先の“みらい”を創る。」税理士法人みらいサクセスパートナーズの代表として、M&Aや事業承継のコンサルティングを行う。