監修 北田 悠策 公認会計士・税理士

銀行口座に入金された受取利息は、法人・個人それぞれの方法で仕訳を行います。受取利息の勘定科目や仕訳例を紹介します。
仕訳の際には、源泉徴収されている税金も含めて勘定科目や仕訳方法を理解しておくことが必要です。
本記事では、受取利息の勘定科目や仕訳例を紹介します。
記事の後半では、受取利息を仕訳する際のポイント・注意点も解説しているのでぜひあわせてご確認ください。
確定申告の基本をすべて解説!確定申告が初めてでもわかりやすい図解入りの解説記事はこちら
目次
freee会計で電子申告をカンタンに!
freee会計は〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポート!口座とのデータ連携によって転記作業も不要になり、入力ミスも大幅に削減します。
受取利息とは
受取利息は、金融機関への預金や会社への貸付金などに対して対価として受け取る利息のことです。
預金や貸付金などの利息として受け取った金額は、仕訳が必要です。
なお、利子と利息の区別については、元本に追加で支払うのが「利子」、元本に追加で受け取るのが「利息」と呼ぶことが多く、「受取利息」も預金や貸付金の対価として追加で入金された金銭を指しています。
受取利息に用いる勘定科目
法人の受取利息は「受取利息」、受取利息からの源泉徴収は「法人税等」の勘定科目でそれぞれ仕訳します。
一方、個人事業主の場合、受取利息は事業とは関係のない入金であり、本業の所得とは区別して仕訳が必要です。
受取利息は「事業主借」、源泉徴収は「事業主貸」で仕訳します。
受取利息に用いる勘定科目について、それぞれ見ていきましょう。
受取利息に用いる勘定科目
- 法人が受け取った場合は【受取利息】
- 確定した法人税、法人住民税、法人事業税を納付した場合は【法人税等】
- 事業と関係しない入金の場合は【事業主借】
- 事業と関係しない出金の場合は【事業主貸】
【受取利息】
法人が受け取った受取利息は、「受取利息」の勘定科目で仕訳します。
「受取利息」の勘定科目には、普通預金・郵便貯金・定期預金などの預金利息のほか、取引先の会社などへの貸付金の利息、有価証券の利息なども含まれます。
【法人税等】
「法人税等」は、確定した法人税・法人住民税・法人事業税を納付した際の仕訳に用いる勘定科目です。
法人の場合、所得税と復興所得税で合計15.315%の税率で受取利息から源泉徴収されます。
受取利息への源泉徴収は「法人税等」の勘定科目で仕訳します。
【事業主借】
「事業主借」は、事業と関係しない入金に用いる勘定科目です。
個人事業主が受け取った受取利息も事業とは関係のない入金であり、「事業主借」の勘定科目で仕訳します。
【事業主貸】
「事業主貸」は、事業と関係しない出金に用いる勘定科目です。
受取利息への源泉徴収は経費にできないため、事業とは関係ない支出として事業主貸の勘定科目で仕訳します。
【事例で解説】受取利息の仕訳例
受取利息の具体的な仕訳例を、法人、個人のそれぞれについて見ていきましょう。
受取利息の仕訳例
- 法人が100円の利息が入金された場合
- 個人事業主が100円の利息を受け取った場合
法人が100円の利息が入金された場合
法人に100円の利息が入金された場合には、以下のように仕訳します。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
普通預金 | 100円 | 受取利息 | 118円 |
法人税等 | 18円 |
法人税等として処理する源泉徴収額は、計算した受取利息と入金された金額の差額として計算できます。
個人事業主が100円の利息を受け取った場合
個人事業主 が100円の利息を受け取った場合には、以下のように仕訳します。
事業主貸として処理する源泉徴収額は、計算した受取利息と入金された金額の差額として計算できます。
受取利息を仕訳する際のポイント・注意点
受取利息を仕訳する際のポイント・注意点を以下で見ていきましょう。
受取利息を仕訳する際のポイント・注意点
- 純額処理では所得税控除が受けられない
- 受取利息は消費税がかからない
- 期末に未収の受取利息は仕訳が必要
純額処理では所得税控除が受けられない
法人では、源泉徴収済みの金額だけで仕訳する純額処理という方法もあります。
純額処理では源泉徴収済みの金額で、貸方を「受取利息」借方を「普通預金」などで仕訳します。
すでに紹介した源泉徴収も仕訳に起こす方法が原則的な処理ですが、仕訳を簡便にする目的などで純額処理を採用する会社もあります。
ただし、純額処理では受取利息の所得税控除は受けられないので、その点は注意が必要です。
受取利息による所得税控除が軽微であり、仕訳の手間を省くメリットがむしろ大きい場合などに純額処理が選択肢になります。
受取利息は消費税がかからない
消費税においては、課税の対象になじまない取引は、非課税取引に該当します。
受取利息の受け取りも消費税がかからない非課税取引に該当することを理解しておきましょう。
期末に未収の受取利息は仕訳が必要
期末に未収の受取利息がある場合は、「未収収益」として仕訳が必要です。
未収収益は、まだ支払いを受けていないサービスの対価を計上するときの勘定科目です。
翌期首には、貸方を未収収益、借方を受取利息として振り戻す処理を行います。
まとめ
受取利息の仕訳方法は、法人と個人事業主で異なります。
法人の場合は、受取利息を「受取利息」、源泉徴収を「法人税等」として仕訳します。
個人事業主の場合は、事業と関係のない入出金は区別する必要があり、受取利息は「事業主借」、源泉徴収は「事業主貸」として仕訳が必要です。
受取利息の勘定科目や仕訳方法を理解して、適切に仕分をしましょう。
確定申告をかんたんに終わらせる方法
確定申告の期間は1ヶ月です。それまでに正確な内容の書類を作成し、申告・納税しなければいけません。
ほかにも、青色申告の場合に受けられる特別控除で、最大65万円を適用するためにはe-Taxの利用が必須条件であり、はじめての人には難しい場面が増えることが予想されます。
そこでおすすめしたいのが、確定申告ソフト「freee会計」の活用です。
freee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。また、所得額や控除額の計算は自動で行ってくれるため、計算・入力ミスの削減できるでしょう。
ここからは、freee会計を利用するメリットについて紹介します。
1.銀行口座やクレジットカードは同期して自動入力が可能!
確定申告を行うためには、1年間のお金にまつわる取引を正しく記帳しなければなりません。自身で1つずつ手作業で記録していくには手間がかかります。
freee会計では、銀行口座やクレジットカードの同期が可能で、利用した内容が自動で入力されていきます。
日付や金額を自動入力するだけでなく、勘定科目も予測して入力してくれるため、日々の記帳がほぼ自動化でき、工数削減につながります。

2.現金取引の入力もカンタン!
会計ソフトでも現金取引の場合は自身で入力し、登録しなければなりません。
freee会計は、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿付けが可能です。
自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、会計処理の経験がない人でも正確に記帳ができます。

さらに有料プランでは、チャットで確定申告について質問ができるようになるので、わからないことがあったらすぐに相談できます。また、オプションサービスには電話相談もあるので、直接相談できるのもメリットの1つです。
freee会計の価格・プランについてはこちらをご覧ください。
3.〇✕形式の質問に答えるだけで各種控除や所得税の金額を自動で算出できる!
各種保険やふるさと納税、住宅ローンなどを利用している場合は控除の対象となり、確定申告することで節税につながる場合があります。控除の種類によって控除額や計算方法、条件は異なるため、事前に調べなければなりません。
freee会計なら、質問に答えることで控除額を自動で算出できるので、自身で調べたり、計算したりする手間も省略できます。

4.確定申告書を自動作成!
freee会計は取引内容や質問の回答をもとに確定申告書を自動で作成できます。自動作成した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告は完了です。
また、freee会計はe-Tax(電子申告)にも対応しています。e-Taxからの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。
e-Tax(電子申告)を検討されている方はこちらをご覧ください。

freee会計を使うとどれくらいお得?
freee会計には、会計初心者の方からも「本当に簡単に終わった!」というたくさんの声をいただいています。
税理士などの専門家に代行依頼をすると、確定申告書類の作成に5万円〜10万円程度かかってしまいます。freee会計なら月額980円(※年払いで契約した場合)から利用でき、自分でも簡単に確定申告書の作成・提出までを完了できます。
余裕をもって確定申告を迎えるためにも、ぜひfreee会計の利用をご検討ください。
よくある質問
受取利息を仕訳するときの勘定科目は?
法人の受取利息は「受取利息」、源泉徴収は「法人税等」の勘定科目で仕訳します。
個人事業主の受取利息は「事業主借」、源泉徴収は「事業主貸」で仕訳します。
受取利息を仕訳するときの勘定科目を詳しく知りたい方は「受取利息に用いる勘定科目」をご覧ください。
受取利息を仕訳する際の注意点は?
受取利息の仕訳の注意点としては、純額処理では所得税控除が受けられないこと、受取利息は消費税がかからないこと、期末に未収の受取利息は仕訳が必要なことなどが挙げられます。
受取利息を仕訳する際の注意点を詳しく知りたい方は「受取利息を仕訳する際の注意点」をご覧ください。
監修 北田 悠策(きただ ゆうさく)
神戸大学経営学部卒業。2015年より有限責任監査法人トーマツ大阪事務所にて、製造業を中心に10数社の会社法監査及び金融商品取引法監査に従事する傍ら、スタートアップ向けの財務アドバイザリー業務に従事。その後、上場準備会社にて経理責任者として決算を推進。大企業からスタートアップまで様々なフェーズの企業に携わってきた経験を活かし、株式会社ARDOR/ARDOR税理士事務所を創業。
