勘定科目の基礎知識

ゴルフ会員権の勘定科目は? 経費計上の可否や仕訳方法、注意点も解説

監修 西村真衣 西村税理士事務所

ゴルフ会員権の勘定科目は? 経費計上の可否や仕訳方法、注意点も解説

法人会員としてゴルフ会員権を取得した際は経費にできず、資産計上する必要があります。ゴルフ会員権の仕訳に使う勘定科目を把握しておきましょう。

ゴルフ会員権の仕訳では、ゴルフ会員権の購入金額だけでなく、年会費やプレー代など関連する支出も仕訳する場合があります。状況や支出の内容にあわせて適切な勘定科目を使い分けることが大切です。

本記事では、ゴルフ会員権の仕訳時に使う勘定科目具体的な仕訳例・仕訳方法を紹介します。

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目次

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ゴルフ会員権とは?

ゴルフ会員権とは、優先的にゴルフ場を利用できる会員の権利のことです。主なゴルフ会員権の種類には以下の4つがあります。


預託金制・一定の金額を預託金としてゴルフ場に払うことで会員になり、ゴルフ場を利用する「施設優先利用権」を取得する
・預託金は無利子で据え置かれ、退会する場合は会員に「預託金返還請求権」があるため元本が保証される
株主会員制・入会時に一定の金額を出資して株主となり、株主としてゴルフ場の施設利用権を取得する
・株主はクラブの経営に参加でき、定款の定めにしたがって権利を行使できる
・クラブが解散になった場合、株主は持ち株比率に応じて残余財産の分配を受ける権利がある
社団法人制・ゴルフ場が社団法人となり、ゴルフと体育振興を目的に設立された公益法人として活動する
・ゴルフ会員権の所有者は、社団法人の社員としての地位とクラブの会員としての地位を有する
任意団体上記3つ以外の同好の士が集まって設立した会員制の団体

4種類あるゴルフ会員権のうち、日本国内のゴルフ場でもっとも多く見られるのは預託金制です。会員から預かった預託金を使って運営会社がゴルフ場の運営を行い、預託金を預けてゴルフ会員となった者はゴルフ場を優先的に利用する権利を得ることができます。

ゴルフ会員権は経費にできる?

法人会員としてゴルフ会員権を購入した場合、経費ではなく資産として計上します。一方でゴルフ会員権を使ってプレーしたプレー代や、年会費がかかった場合は一般的に経費にできます。


資産計上する支出経費計上する支出
・入会金
・(会員権購入時に支払う)名義書換料や取扱手数料 など
・年会費
・(会員権購入時以外に支払う)名義書換料
・プレー代
・接待飲食代 など

経費にできる費用とは事業に関係する支出です。ゴルフ会員権を利用してプレー代や年会費などを支払っても、事業とは関係ない支出であれば経費にできません。

特定の役員や従業員など個人が利用する会員権や関連支出は経費にできず、役員報酬や給料手当の扱いになります。

ゴルフ会員権の仕訳に使う勘定科目

ゴルフ会員権の仕訳に使う勘定科目はケースによって異なります。資産計上または費用計上するのか、どちらなのか正しく区別して、適切な勘定科目を設定して仕訳しましょう。

ゴルフ会員権の仕訳に使う主な勘定科目は以下の通りです。

ゴルフ会員権の仕訳に使う勘定科目

  • ゴルフ会員権を購入した場合は【ゴルフ会員権】または【投資有価証券】
  • ゴルフ会員権の運用時の支出は【交際費】
  • ゴルフ会員権を売却した場合は【ゴルフ会員権売却益】または【ゴルフ会員権売却損】

以下ではゴルフ会員権の仕訳に使う主な勘定科目を紹介します。

【ゴルフ会員権】【投資有価証券】

ゴルフ会員権を購入した場合、「ゴルフ会員権」や「投資有価証券」の勘定科目で仕訳します。仕訳で使う勘定科目はゴルフ会員権の種類によって異なり、預託金会員制では勘定科目は「ゴルフ会員権」、株主会員制では勘定科目は「投資有価証券」です。

ゴルフ会員権の購入代金だけでなく、購入時に支出する入会金や名義書換料、取扱手数料なども、会員権を取得するために要した金額とみなされ、「ゴルフ会員権」または「投資有価証券」で仕訳します。

ただし、事業とは関係がない、特定の役員や従業員などの個人が利用する会員権を購入した場合は、会社の資産として計上できません。状況に応じて「役員報酬」や「給与手当」で仕訳しましょう。

【交際費】

プレー代や接待飲食代など、ゴルフ会員権の運用時の支出は基本的に「交際費」の勘定科目で仕訳します。

交際費とは、交際費・接待費・機密費・その他の費用で、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待・供応・慰安・贈答、その他これらに類する行為のための支出です。

ゴルフ会員権に関連する支出に関しても、以下の支出があった場合は交際費に該当するため「交際費」を使って仕訳します。

交際費で仕訳する費用

  • 年会費
  • プレー代
  • 名義書換料
  • 接待飲食代

なお、名義書換料は購入時には資産として計上するため「ゴルフ会員権」や「投資有価証券」で仕訳しますが、2回目以降は「交際費」で仕訳します。

【ゴルフ会員権売却益】【ゴルフ会員権売却損】

ゴルフ会員権を売却したときに、売却益が発生したら益金として計上し、売却損が発生したら損金として計上します。ゴルフ会員権の売却に伴う損益を仕訳する場合の勘定科目は「ゴルフ会員権売却益」や「ゴルフ会員権売却損」です。

売却益が発生した場合は、売却額とゴルフ会員権の購入額の差額を「ゴルフ会員権売却益」で仕訳し、売却損が発生した場合は差額を「ゴルフ会員権売却損」で仕訳します。

【事例で解説】ゴルフ会員権の仕訳例

ゴルフ会員権に関連する支出があった場合、どのような勘定科目を使って仕訳するのか、以下では具体的な事例を用いてゴルフ会員権の仕訳例を紹介します。

ゴルフ会員権を購入した場合

企業がゴルフ会員権を購入した場合、預託金会員制のゴルフ場では勘定科目「ゴルフ会員権」を使って仕訳しましょう。

法人会員としてゴルフ会員権を購入し、預託金300万円を支払った場合の仕訳例は以下の通りです。


借方貸方
ゴルフ会員権3,000,000円普通預金3,000,000円

ゴルフ会員権の年会費や名義書換料を支払った場合

ゴルフ会員権の年会費を支払った場合や、社長交代で名義変更を行って名義書換料を支払った場合、勘定科目「交際費」を使って仕訳します。

ゴルフ会員権の年会費として20万円、名義書換料として30万円を支払った場合、記帳の仕方は以下の通りです。


借方貸方
交際費500,000円普通預金500,000円

ゴルフ会員権を使ってゴルフ場でプレーした場合

取引先の接待目的でゴルフ会員権を使ってゴルフ場でプレーした場合、勘定科目「交際費」を使って仕訳します。

プレー代4万円を支払った場合、記帳の仕方は以下の通りです。


借方貸方
交際費40,000円現金40,000円

なお、ゴルフ場でプレーした場合は、ゴルフ場利用税がかかります。

ゴルフ場利用税とは、ゴルフ場の利用者が利用日ごとに定額で納税しなければならない税金です。ゴルフ場のホール数や利用料金などによって等級があり、等級によって納める額は異なります。

ゴルフ場利用税の支出も別途仕訳が必要です。ゴルフ場利用税は、「租税公課」の勘定科目を使うケースもありますが、一般的に「交際費」の勘定科目で仕訳します。

たとえばプレー代とあわせてゴルフ場利用税を1,200円支出した場合は以下の仕訳をしましょう。


借方貸方
交際費40,000円現金41,200円
交際費1,200円

ゴルフ場利用税は不課税取引なので、課税取引となるプレー代の交際費と区別して仕訳をしましょう。

ゴルフ会員権を売却した場合

ゴルフ会員権を売却した場合は、貸方に勘定科目「ゴルフ会員権」を設定してゴルフ会員権の購入額を記入し、借方に売却額を記入します。

ゴルフ会員権の購入額と売却額に差額があれば、勘定科目「ゴルフ会員権売却益」や「ゴルフ会員権売却損」を使って仕訳します。

150万円で取得したゴルフ会員権を100万円で売却して、50万円の売却損が生じた場合、記帳の仕方は以下の通りです。


借方貸方
普通預金1,000,000円ゴルフ会員権1,500,00円
ゴルフ会員権売却損500,000円

まとめ

法人会員としてゴルフ会員権を購入する場合、一般的に資産計上する仕訳が必要です。仕訳をする際に用いる主な勘定科目は「ゴルフ会員権」や「投資有価証券」です。

プレー代や年会費を支払った場合は経費として計上でき、「交際費」で仕訳します。ゴルフ会員権を売却して売却益や売却損が生じた場合は「ゴルフ会員権売却益」「ゴルフ会員権売却損」の勘定科目で仕訳しましょう。

ゴルフ会員権の仕訳の考え方や使う勘定科目についてルールを統一し、ケースに応じて適切に仕訳することが大切です。

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ゴルフ会員権の仕訳に使う勘定科目は?

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監修 西村真衣(にしむら まい)

父も祖父も税理士という家系に長女として生まれる。実家は60年続く税理士事務所。学生結婚し、子供を授かるも、母、妻、娘の役割以外に、自分の人生も生きていきたいと2人の子供を育てながら税理士試験に合格する。自身も経営者の立場を経験しない事には、お客様の気持ちに真に寄り添うことはできないと感じ、実家の税理士事務所とは別に2021年に西村税理士事務所を開業。現在は、女性起業支援を中心に活動している。

西村真衣