監修 西村真衣 西村税理士事務所
ゴルフに使った費用も、接待ゴルフなどの事業に関連する費用であれば経費計上が可能です。接待ゴルフにかかった費用は、すべて「交際費」で処理します。
なお、他社開催のゴルフの交通費は「旅費交通費」で処理するなど、いくつかの基本的な注意点は事前に確認が必要です。
本記事では、ゴルフに使った費用の勘定科目や仕訳方法、経費に計上する際のポイント・注意点を解説します。
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目次
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ゴルフに使った費用に用いる勘定科目
取引先が参加する接待ゴルフの費用は、経費として計上が可能です。また、他社のゴルフコンペに参加する際の交通費なども経費に計上できます。
自社の社員だけでなく、あくまで接待などの事業に関わるゴルフであることが条件です。社内の従業員だけでのゴルフの費用は、事業との関係性が認められないため経費として計上はできません。
ゴルフに使った費用に用いる勘定科目としては、以下が挙げられます。
ゴルフに使った費用に用いる勘定科目
- 【交際費】
- 【旅費交通費】
- 【消耗品費】
【交際費】
接待のためのゴルフのプレー費用、ゴルフ場の年会費などは「交際費」で処理します。
また、飲食代やゴルフ場までの交通費も、ゴルフの催事と一体のものとみなされます。そのため、「飲食費」や「旅費交通費」ではなく、「交際費」で処理します。
【旅費交通費】
他社開催のゴルフコンペは、接待の主体ではないので「交際費」の勘定科目ではなく、「旅費交通費」の勘定科目で経費計上します。ゴルフコンペの交通費は、自社開催の場合と他社開催の場合で処理の仕方が変わるので注意が必要です。
【消耗品費】
ゴルフ接待のために会社で購入したゴルフ用品の購入費用は「消耗品費」として経費計上が可能です。
ただし、経費に計上できるのは、あくまで事業のための接待に使用するゴルフ用品に限られます。会社で管理するなど、プライベートな使用と厳格に区別するためにルールを徹底することが必要です。
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【事例で解説】ゴルフに使った費用の仕訳例
ゴルフに使った費用の具体的な仕訳例を見ていきましょう。
【事例で解説】ゴルフに使った費用の仕訳例
- ゴルフ場の年会費を仕訳する場合
- 他社開催コンペの交通費を仕訳する場合
- ゴルフ用品の購入費用を仕訳する場合
ゴルフ場の年会費を仕訳する場合
ゴルフ場の年会費10万円を支払ったときは、以下のように仕訳します。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
---|---|---|---|---|
交際費 | 100,000円 | 現金 | 100,000円 | ゴルフ 年会費 |
他社開催コンペの交通費を仕訳する場合
他社開催コンペの際のタクシー代5,000円を支払ったときは、以下のように仕訳します。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
---|---|---|---|---|
旅費交通費 | 5,000円 | 現金 | 5,000円 | ゴルフ タクシー代 |
ゴルフ用品の購入費用を仕訳する場合
接待ゴルフだけで使うゴルフ用品を会社として購入した際の購入費用2万円は、以下のように仕訳します。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||
---|---|---|---|---|
消耗品費 | 20,000円 | 現金 | 20,000円 | ゴルフクラブ購入費 |
ゴルフに使った費用を経費に計上する際のポイント・注意点
ゴルフに使った費用を経費に計上する際のポイント・注意点を以下で見ていきましょう。
ゴルフに使った費用を経費に計上する際のポイント・注意点
- ゴルフ関連でも経費にできない費用がある
- プライベートな支出が含まれないように注意する
- ゴルフの記録をしっかりと残す
ゴルフ関連でも経費にできない費用がある
ゴルフ関連の費用でも、個人的なゴルフ用品の購入費用・ゴルフレッスンの費用・自社のみでのゴルフ費用などは経費にできません。あくまで、取引先との接待などの事業と関連があるゴルフ費用のみが経費として計上できます。
プライベートな支出が含まれないように注意する
プライベートな支出の領収書が混ざるなど、経費にできる支出との区別が曖昧になることがないように注意しましょう。
また、事業に関連する支出か、プライベートな支出かがはっきりしない場合は、経費に計上することは避けるようにしてください。
ゴルフの記録をしっかりと残す
税務署から指摘を受けた際に接待のゴルフであったことが説明できるように、ラウンドの記録はしっかり残しておくことが重要です。
記録としては、取引先の企業名、ゴルフに参加した人の名前、ゴルフをした日付、ゴルフ場の名前などを記載しておきましょう。記録が残っていることで、指摘があった際に説明がしやすくなります。
まとめ
取引先が参加する接待ゴルフの費用は、「交際費」として経費計上が可能です。プレー代だけでなく、飲食代、交通費などもすべて交際費で処理します。
また、他社のゴルフコンペに参加する際の交通費も「旅費交通費」として経費計上できます。
なお、事業に関連する接待ゴルフなどの費用が経費に計上でき、社内や個人的なゴルフの費用は経費にできない点には注意が必要です。プライベートな支出が混ざることがないように領収書などの管理も厳密に行いましょう。
また、接待ゴルフの記録をしっかり残すことで税務署から指摘を受けた際に説明がしやすくなります。ゴルフ当日の記録は忘れずに残しておきましょう。
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よくある質問
ゴルフに使った費用を経費に計上する際の勘定科目は?
接待ゴルフのプレー費用、ゴルフ場の年会費、ゴルフ場までの交通費、ゴルフのときの飲食代などはすべて「交際費」で処理します。
また、他社開催のゴルフコンペの際の交通費は「旅費交通費」の勘定科目を用います。そのほか、接待だけで使うゴルフ用品の購入費用は「消耗品費」で経費計上が可能です。
ゴルフに使った費用を経費に計上する際の勘定科目を詳しく知りたい方は「ゴルフに使った費用に用いる勘定科目」をご覧ください。
ゴルフに使った費用を経費に計上する際の注意点は?
ゴルフ関連でも経費にできない費用があること、プライベートな支出が含まれないようにすることが注意点です。接待のゴルフであることを説明できるように記録を残すことも覚えておきましょう。
ゴルフに使った費用を経費に計上する際のポイントを詳しく知りたい方は「ゴルフに使った費用を経費に計上する際のポイント・注意点」をご覧ください。
監修 西村真衣(にしむら まい)
父も祖父も税理士という家系に長女として生まれる。実家は60年続く税理士事務所。学生結婚し、子供を授かるも、母、妻、娘の役割以外に、自分の人生も生きていきたいと2人の子供を育てながら税理士試験に合格する。自身も経営者の立場を経験しない事には、お客様の気持ちに真に寄り添うことはできないと感じ、実家の税理士事務所とは別に2021年に西村税理士事務所を開業。現在は、女性起業支援を中心に活動している。