監修 西村真衣 西村税理士事務所
自転車の購入費用の仕訳にあたっては、金額ごとの適切な勘定科目を理解しておきましょう。購入費用の金額ごとに勘定科目や仕訳方法が異なります。
なお、事業で使用する自転車の購入費用は、法人であれば全額を、個人事業主であれば事業分の割合を経費に計上できます。
本記事では、自転車に用いる勘定科目や仕訳例、経費に計上する際のポイント・注意点を紹介します。
【関連記事】
確定申告の詳しいやり方・流れを徹底解説!確定申告が初めてでもわかりやすい図解入りの解説記事はこちら
目次
freee会計で電子申告をカンタンに!
freee会計は〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポート!口座とのデータ連携によって転記作業も不要になり、入力ミスも大幅に削減します。
自転車は経費にできる?
事業で使用する自転車の購入費用は、経費計上が可能です。
法人であれば購入費用の全額を経費に計上できます。一方、個人事業主は全額を経費に計上することはできませんが、家事按分をしたうえで事業分の割合のみの計上は可能です。
【関連記事】
家事按分とは?個人事業主が知っておくべき経費計上の仕方や計算方法についてわかりやすく解説
自転車に用いる勘定科目
事業に使用する自転車の購入費用は、10万円以内なら「消耗品費」、10万円以上20万円未満なら「一括償却資産」を勘定科目として用いましょう。20万円以上の自転車は「車両運搬具」として仕訳をします。
また、20万円以上30万円以下の場合は「少額減価償却資産」としての経費計上も可能です。
自転車に用いる主な勘定科目を以下で見ていきましょう。
自転車に用いる勘定科目
- 10万円未満なら【消耗品費】
- 10万円以上20万円未満なら【一括償却資産】
- 20万円以上30万円以下なら【少額減価償却資産】
- 20万円以上なら【車両運搬具】
【消耗品費】
10万円未満の自転車は「消耗品費」で一括での経費計上が可能です。
消耗品費は、帳簿・文房具・用紙・包装紙・ガソリンなどの消耗品購入費に用いる勘定科目です。
また、使用可能期間が1年未満か、取得価額が10万円未満の什器備品(事業で使用する幅広い器具・家具など)の購入費にも使用できます。自転車も10万円未満であれば、消耗品費で処理できます。
【一括償却資産】
10万円以上20万円未満の自転車は「一括償却資産」として資産計上し、3年で均等償却します。通常の償却資産は月割計算で減価償却を行いますが、一括償却資産は月割計算を行わずに、全体の1/3ずつを3年で減価償却します。
【少額減価償却資産】
20万円以上30万円以下の場合は「少額減価償却資産」としての経費計上が可能です。取得時の金額が30万円未満の減価償却資産を、事業用に購入するなどした場合に用いることができます。
【関連記事】
減価償却とは?確定申告前に知っておくべき減価償却について、具体的な使い方や計算方法を解説
【車両運搬具】
20万円以上の自転車は「車両運搬具」の勘定科目で計上し、固定資産として減価償却します。
車両運搬費は、事業のために保有する乗用車・トラック・自転車など運搬に用いるものに使う勘定科目です。自転車を減価償却する際の耐用年数は、2年となります。
【事例で解説】自転車の購入費用の仕訳例
自転車の購入費用を経費に計上する際の具体的な仕訳例を見ていきましょう。
自転車の購入費用の仕訳例
- 10万円未満の自転車を購入した場合
- 10万円以上20万円未満ならの自転車を購入した場合
- 20万円以上の電動自転車を購入した場合
10万円未満の自転車を購入した場合
4万円の自転車(防犯登録料600円)を購入し、消耗品費として計上する場合、以下のように仕訳します。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
消耗品費 | 40,000円 | 現預金 | 40,600円 |
支払手数料(非課税) | 600円 |
10万円以上20万円未満ならの自転車を購入した場合
12万円の自転車(防犯登録料600円)を購入し、一括償却資産として計上する場合、以下のように仕訳します。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
一括償却資産 | 120,000円 | 現預金 | 120,600円 |
一括償却資産(非課税) | 600円 |
20万円以上の電動自転車を購入した場合
25万円の自転車(防犯登録料600円)を購入し、車両運搬具として計上する場合、以下のように仕訳します。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
車両運搬具 | 250,000円 | 現預金 | 250,600円 |
車両運搬具(非課税) | 600円 |
自転車を経費に計上する際のポイント・注意点
自転車の購入費用の経費計上に関して、以下のポイント・注意点をおさえておきましょう。
自転車を経費に計上する際のポイント・注意点
- 個人事業主は全額を経費に計上することはできない
- 修理代や備品代も経費に計上できる
個人事業主は全額を経費に計上することはできない
個人事業主やフリーランスは、自転車の購入費用の全額を経費に計上することはできません。
事業分のみを経費に計上する家事按分の処理をする必要があります。自転車の場合、購入費用の半分などで家事按分を行うが多いです。
【関連記事】
家事按分とは?個人事業主が知っておくべき経費計上の仕方や計算方法についてわかりやすく解説
修理代や備品代も経費に計上できる
自転車の修理代・備品代・駐輪場の費用も経費計上が可能です。自転車の修理代や備品代などの出費が発生した際には、忘れずに経費に計上しましょう。なお、個人事業主の場合は、修理代なども家事按分が必要である点に注意が必要です。
まとめ
自転車の購入費用を経費計上する際の勘定科目や仕訳方法は、購入する自転車の金額によって異なります。10万円以内は「消耗品費」、10万円以上20万円未満は「一括償却資産」、20万円以上は「車両運搬具」でそれぞれ仕訳します。
ぜひ自転車の購入費用の勘定科目を理解して、適切に経費計上しましょう。
確定申告を簡単に終わらせる方法
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに正確な内容の書類を作成し申告しなければいけません。
確定申告書を作成する方法は手書きのほかにも、国税庁の「確定申告等作成コーナー」を利用するなどさまざまですが、会計知識がないと記入内容に悩む場面も出てくるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、確定申告ソフト「freee会計」の活用です。
freee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。必要な計算は自動で行ってくれるため、計算ミスや入力ミスを軽減できます。
ここからは、freee会計を利用するメリットについて紹介します。
1.銀行口座やクレジットカードは同期して自動入力が可能!
1年分の経費の入力は時間がかかる作業のひとつです。freee会計に銀行口座やクレジットカードを同期すると、利用した内容が自動で入力されます。
また、freee会計は日付や金額だけでなく、勘定科目も予測して入力します。
溜め込んだ経費も自動入力でカンタン!
2.現金取引の入力もカンタン!
freee会計は、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿づけが可能です。自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、初心者の方でも安心できます。
さらに有料プランでは、チャットで確定申告について質問ができるようになります。オプションサービスに申し込めば、電話での質問も可能です。
freee会計の価格・プランについて確認したい方はこちらをご覧ください。
3.〇✕形式の質問に答えると、各種控除や所得税の金額を自動で算出できる!
各種保険やふるさと納税、住宅ローンなどを利用している場合は控除の対象となり、確定申告することで節税につながる場合があります。控除の種類によって控除額や計算方法、条件は異なるため、事前に調べなければなりません。
freee会計なら、質問に答えることで控除額を自動で算出できるので、自身で調べたり、計算したりする手間も省略できます。
4.確定申告書を自動作成!
freee会計は取引内容や質問の回答をもとに確定申告書を自動で作成できます。自動作成した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告は完了です。
また、freee会計はe-tax(電子申告)にも対応しています。e-taxからの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。
e-tax(電子申告)を検討されている方はこちらをご覧ください。
完成した確定申告書を提出・納税して確定申告が完了!
freee会計を使うとどれくらいお得?
freee会計には、会計初心者の方からも「本当に簡単に終わった!」というたくさんの声をいただいています。
税理士などの専門家に代行依頼をすると、確定申告書類の作成に5万円〜10万円程度かかってしまいます。freee会計なら月額980円(※年払いで契約した場合)から利用でき、自分でも簡単に確定申告書の作成・提出までを完了できます。
余裕をもって確定申告を迎えるためにも、ぜひfreee会計の利用をご検討ください。
よくある質問
自転車を経費に計上する際の勘定科目は?
10万円以内は「消耗品費」、10万円以上20万円未満は「一括償却資産」を用います。20万円以上は「車両運搬具」の勘定科目を用いてそれぞれ仕訳をします。
自転車を経費に計上する際の勘定科目を詳しく知りたい方は、「自転車に用いる勘定科目」をご覧ください。
自転車を経費に計上する際に知っておくべきことは?
個人事業主は全額を経費計上はできないこと、自転車の修理代や備品代も経費計上できることに注意しましょう。
自転車を経費計上する際の注意点を詳しく知りたい方は、「自転車を経費に計上する際のポイント・注意点」をご覧ください。
監修 西村真衣(にしむら まい)
父も祖父も税理士という家系に長女として生まれる。実家は60年続く税理士事務所。学生結婚し、子供を授かるも、母、妻、娘の役割以外に、自分の人生も生きていきたいと2人の子供を育てながら税理士試験に合格する。自身も経営者の立場を経験しない事には、お客様の気持ちに真に寄り添うことはできないと感じ、実家の税理士事務所とは別に2021年に西村税理士事務所を開業。現在は、女性起業支援を中心に活動している。