
エアコンを取得した際は、工具器具備品・附属設備・減価償却費の勘定科目で計上するのが一般的です。しかし、エアコンの取得だけではなく、クリーニング代や撤去などに関する勘定科目の選定や経費として計上できるかは、取得時の価額や使用目的によって異なるため慎重に判断する必要があります。
本記事では、エアコンに関する勘定科目を、取得時・クリーニング時・撤去時といったさまざまな場面に分けて詳しく解説します。また、エアコンを経費として計上できないケースや、消費税との関係についても取り上げています。
目次
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エアコンの取得に関する勘定科目
ここでは、以下の価格別にエアコンの勘定科目を紹介します。
エアコンの取得に関する勘定科目
- 取得価額10万円未満
- 取得価額10万円以上・20万円未満
- 取得価額30万円未満
エアコンを取得した際は、工具器具備品・附属設備・減価償却費の勘定科目で計上するのが一般的です。また、エアコンの勘定科目は、取得時の価格によって変動することも覚えておきましょう。
取得価額10万円未満
エアコンの取得価額が10万円に満たない場合、全額を経費として計上することが可能です。この場合、勘定科目は「消耗品費」として処理されます。
少額のため、取得年度内に全額を費用として計上でき、管理も非常にシンプルです。
取得価額10万円以上・20万円未満
取得価額が10万円から20万円未満のエアコンについては、「一括償却資産」として処理します。一括償却資産とは、取得価額が比較的低いことから、3年間で均等に償却できる資産を指します。
取得した時期に関係なく、年間を通じて均等に償却するため、月割計算を行う必要がありません。
取得価額30万円未満
30万円未満のエアコンを取得した際は、「少額減価償却資産」として処理する方法も選択肢のひとつです。少額減価償却資産とは、取得価額が少額な資産を取得価額の全額を経費として一度に計上できるという特例を意味します。
ただし、少額減価償却資産を適用するためには、年間の少額減価償却資産の取得価額の合計が300万円以下であることが条件です。
なお、20万円未満のエアコンについても「少額減価償却資産」として処理できますが、10万円未満のエアコンは通常「消耗品費」として扱います。
出典:国税庁「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」
エアコンのクリーニングに関する勘定科目
エアコンのクリーニング代についても、経費として計上することが可能です。クリーニング代として使用可能な勘定科目は、以下のとおりです。
- 修繕費
- 衛生管理費
- 雑費
- 外注費
上記の中から任意の勘定科目を選択することで経費計上できますが、最初に選んだ科目は一貫して使用し続けなければなりません。
エアコンの撤去に関する勘定科目
エアコンの撤去にかかる費用は、通常「雑費」として処理されます。勘定科目に雑費を適用できるのは、古いエアコンを入れ替える場合のみに限られます。
ただし注意が必要なのは、雑費として計上できるのは古いエアコンの処分にかかる費用のみであり、新しいエアコンの設置にかかる費用は含まれないことです。
エアコンを経費計上できないパターン
自宅で仕事を行う個人事業主が、プライベートと仕事の両方でエアコンを使用するために設置した場合、全額を経費として計上はできません。エアコンが私用にも利用される場合は、家事按分が必要となります。
家事按分とは、私的な利用と業務的な利用の両方が含まれる支出に対して、業務用の部分のみを経費として計上する方法を指します。具体的には、家賃や水道光熱費、通信費などと同様に、エアコンの費用も業務での使用割合に応じて分割が必要です。
たとえば自宅兼職場としてエアコンを使用する場合、使用時間に基づいて按分することが求められます。一般的には、エアコンの費用総額の約半分が経費として認められることが多いでしょう。
エアコンの仕訳例
ここでは、エアコンの仕訳例を以下のパターン別に紹介します。
エアコンの仕訳例
- 20万円のエアコンを事務所用に購入した場合
- 15万円のエアコンを自宅兼事務所に購入した場合
20万円のエアコンを事務所用に購入した場合
20万円のエアコンを事務所用として購入した場合、少額減価償却資産の特例もしくは一括償却資産のいずれかで仕訳します。
<少額減価償却資産の特例>
借方 | 貸方 |
---|---|
備品:200,000円 | 現金:200,000円 |
減価償却費:200,000円 | 備品:200,000円 |
<一括償却資産>
借方 | 貸方 |
---|---|
一括償却資産:200,000円 | 現金:200,000円 |
15万円のエアコンを自宅兼事務所に購入した場合
自宅兼事務所にエアコンを設置する場合の費用は、業務中の使用時間に応じた割合で計上科目が異なります。
エアコンの設置にかかった費用の半分を経費として計上できることを想定した仕訳例は、以下のとおりです。
借方 | 貸方 |
---|---|
消耗品費:75,000円 | 現金:75,000円 |
エアコン代と消費税の関係
エアコンを取得する際は、取得価額と消費税の処理に細心の注意が必要です。特に、開業2年目までの法人や消費税の免税事業者においては、すべての収入や支出を税込で経理処理しなければなりません。そのため、エアコン代も税込価格で処理する必要があります。
一方、事務所や社宅にエアコンを設置している法人は、経理処理の方式に応じてエアコン代を税抜価格または税込価格で処理することが決まります。消費税の扱いが経理処理に影響を与える場面は、特にエアコン代が10万円前後または30万円前後の場合です。
たとえば、エアコン代が10万円未満であれば消耗品費として一括処理が可能ですが、10万円以上の場合は資産計上し、数年にわたって減価償却する必要があります。
また、一定の条件を満たす法人や個人事業主は、エアコン代が30万円未満の場合に特例を利用して全額を一括で計上できます。
エアコン代の節税について
エアコン代の節税には、いくつかの効果的な方法があります。
まず考えられるのは、エアコンをリースで導入する方法です。リースにすることで、高額な初期費用をかけずに新品のエアコンを利用できます。
リースの場合、エアコンの所有者はリース会社となり、会社の資産として計上する必要がないため、リース料全額を経費として計上できるのがメリットです。
さらに、リースのエアコンには固定資産税がかからず、またリースは借入ではないため、金融機関の借入枠にも影響を与えません。
また、青色申告をしている個人事業主や中小企業者であれば、エアコン代が30万円未満の場合に「少額減価償却資産」を活用できます。
少額減価償却資産の特例を利用することで、通常であれば減価償却が必要となる費用を、当期に一括で経費計上可能です。年間合計300万円の範囲内であれば、何度でも利用できます。
なお、エアコン代が10万円以上20万円未満の場合には、少額減価償却資産として処理するか、一括償却資産として処理するかを選択できます。通常の減価償却処理も含め、状況に応じた最適な方法を選択することが大切です。
まとめ
エアコンは、取得価額や設置場所、そして使用方法によって、少額減価償却資産・備品・建物附属設備といった勘定科目が使用できます。取得価額が10万円未満の場合、一括で経費として計上できるケースもありますが、20万円以上となると減価償却が必要になります。
さらに、エアコンを事業用とプライベートの両方で使用する場合、使用時間や割合によって按分計上での処理が必要です。エアコンの購入・設置・撤去・クリーニングといった各ケースに応じて、適切な処理を行いましょう。
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