請求書の基礎知識

請求書の保管期間とは?保管方法や注意すべきポイントを解説

請求書の保管期間とは?保管方法や注意すべきポイントを解説

請求書の保管期間は法人と個人事業主とで異なり、法人は最低7年間、個人事業主は最低5年間です。適格請求書の場合、法人、個人事業主にかかわらず、7年間の保存が義務付けられています。

また、請求書は税務調査が入った場合などに確認される書類でもあり、修正や問い合わせがあった場合に、後からいつでも見返せるように分類しておきましょう。

本記事では、請求書の保管期間や保管方法、電子帳簿保存法改正による請求書保管への影響などについて詳しく解説します。

目次

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インボイス制度や電子帳簿保存法の法令にも対応済みなので、安心してご利用ください!

請求書以外にも、見積書や納品書なども作成可能です。

請求書とは

請求書とは、取引先などに対して商品やサービスの代金を請求するための書類です。会社のお金の流れに影響する重要な書類であり、納品書や領収書と同様に証憑に該当します。

そのため、請求書は勝手に破棄することはできず、法律で定められた期間の保管が義務付けられています。その際、請求書の保管はコピーではなく必ず原本でなければなりません。

請求書について詳しく知りたい場合は、別記事「請求書とは?やりとりの流れや役割、作成方法について解説」をご覧ください。

受け取った請求書の保管期間

請求書の保管期間は、法人と個人事業主で異なります。それぞれの保管期間は、以下のとおりです。

法人の場合

法人の場合の請求書の保管期間は、法人税法施行規則第67条の2において、7年間と定められています。適格請求書についても同様に7年間です。

また、2015年および2016年度の税制改正により2018年4月1日以降から、欠損金が生じた場合の繰越期間が10年間に変更されました。このため、赤字が出た事業年度の請求書は10年間の保存が必要です。よって、法人の場合は、請求書は10年保存しておけば安心といえるでしょう。


出典:e-Gov法令検索「法人税法|第六十七条第二項」


出典:国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」

個人事業主の場合

個人事業主の場合の請求書の保管期間は、青色申告者・白色申告者にかかわらず5年間です。ただし、消費税の課税事業者となっている個人事業主は、仕入税額控除を受けるための適格請求書を7年間保管しなければなりません。

上記のとおり、個人事業主では免税事業者と課税事業者によって請求書の保管期間が異なります。

しかし、会計処理に用いる帳簿の保存期間は免税事業者・課税事業者に関係なく7年間と定められているため、請求書も同様に7年間保管しておくと安心でしょう。


出典:国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」


出典:国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項」

請求書の保管期間の数え方

請求書の保管期間の数え方は、確定申告書の提出期限の翌日が起点となります。そのため、法人の場合は、決算月をいつにしているかによって異なります。

たとえば、3月を決算月に設定している場合、申告期限は5月31日です(法人の確定申告期限は事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内)。よって、請求書の保管期間の開始日は6月1日となります。

一方の個人事業主の場合、申告期限の翌日である3月16日が請求書の保管期間の開始日と考えられます。ただし、確定申告期限の3月15日が土・日曜、祝日である場合は、保管期間の開始日もずれ込むため注意しましょう。

適格請求書の保管期間の数え方

インボイス制度に伴う適格請求書を保管する場合、法人・個人事業主に関わらず保管期間は7年間です。数え方は、適格請求書を交付した日が係る課税期間の事業年度終了日の翌日から2ヶ月後を起点にします。

通常の請求書と適格請求書の2種類を保管する場合は数え方が異なるため、混同しないようにご注意ください。

送付した請求書は保管義務がある?

送付した請求書の写しを作成した場合、受け取った請求書と同様に保管が義務付けられます。しかし、これはあくまでも写しを作成した場合であるため、写しを作成しなかった場合義務は生じません。

送付した請求書の写しを取ることは義務付けられているものではないため、必要がなければ写しを作成しなくても問題ありません。


出典:国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」


出典:国税庁「Ⅰ 通則 【制度の概要等】」

適格請求書は控えの保管義務がある

インボイス制度への対応のため適格請求書や適格簡易請求書を発行する場合は、受領側だけでなく送付側も控えの保管をしなければなりません。

適格請求書の保管期間は、前述のとおり事業年度終了日の翌日から2ヶ月後の日から7年間です。

適格請求書の書き方などについて詳しく知りたい方は、別記事「適格請求書とは?書き方や保存期間、簡単に作成する方法について解説」をご覧ください。


出典:国税庁「5 適格請求書等の写しの保存」

請求書の保管方法

請求書の保管方法には、紙と電子データの2種類があります。紙で受け取った請求書は紙のままでも保存が可能ですが、スキャンなどを利用することで電子データとしての保管も可能です。

紙で保管する

紙で受け取った請求書に関しては、紙のままで保管することが認められています。取引先が多い場合は取引先ごとに、少ない場合は月ごとに分けて管理することで管理がしやすくなります。

後日、取引先や税務署などからの問い合わせにより該当の請求書の提示や確認が必要な場合があります。。そのため、分類に手間をかけてでも丁寧に、かつ取り出しやすい形で保管しましょう。

電子データで保管する

請求書は、真実性と可視性を確保させることを条件に、紙で受け取った場合でも電子データで受け取った場合でも電子データとして保管することが認められています。「真実性と可視性の確保」とは、データの改ざんがなく、誰でもデータを表示・確認できるようにすることです。

電子データの保存に関しての要件は、電子帳簿保存法で定めてられています。特に、紙で受け取った請求書をスキャンして電子データとして保存する場合には、細かな要件が定められているため注意しましょう。


出典:国税庁「電子帳簿保存法制度特設サイト」

電子帳簿保存法改正で請求書の保管はどう変わる?

2022年の電子帳簿保存法改正により、2024年1月1日以降は電子データで受け取った請求書は必ず電子データのまま保存しなければなりません。

ただし、紙の請求書を受け取った場合であれば、紙のまま保存できます。もしくは、スキャン保存という方法を使って、電子データとして保存することも可能です。

いずれの方法で請求書を受け取った場合でも電子データでの保存が認められているので、どの方法で請求書を受け取っても保管方法を統一できるようにこのタイミングで電磁的保存に切り替えることがおすすめです。


出典:国税庁「電子帳簿保存法が改正されました」

請求書の保管にあたり注意すべきポイント

請求書を保管する際は、以下のポイントに注意して管理します。

請求書保管の注意点

  • 発行する請求書には請求書番号を付ける
  • 入出金ごとに分けて管理する

発行する請求書は請求書番号を付ける

発行する請求書に請求書番号を付けておくと分類がしやすくなり、保管後に請求書データを取り出しやすくなります。付与する番号の決め方にルールはないため、取引先別にしたり発行日別にしたりと、社内で設定ルールを定めておくといいでしょう。

入出金ごとに分けて管理する

送付した請求書の控えを管理する主な目的は、正しい金額の入金が期限内に行われているか管理することです。そのため、入金が済んでいない請求書と入金が済んだ請求書を分けて管理することをおすすめします。

また、受領した請求書も、支払い漏れを防ぐために期限ごとに分けて管理しましょう。

請求書を期限ごとに管理することで、取引先からの入金と取引先への出金を漏れなく確認することができます。入出金が完了した後は、振り込みを受けた日や支払いをした日も記入しておくと、後から確認が必要になった場合でもスムーズに該当する請求書を探せるようになります。

まとめ

請求書の保管期間は、法人は最低7年間、個人事業主は最低5年間と定められています。ただし、法人で赤字が出た年度分の請求書の保管は10年間、課税事業者に登録している個人事業主の請求書の保管は7年間と、状況によって期間が異なります。なお、適格請求書の保管期間は、法人、個人事業主にかかわらず7年間です。

請求書は証憑に該当する重要な書類であるため、後からいつでもすぐに確認できるようにわかりやすく分類して保管しましょう。

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ここからはfreee請求書を利用するメリットについて紹介します。

フォーム入力で誰でも簡単に作成できる

freee請求書は見積書や発注書など、請求書以外にもさまざまな書類を簡単に作成することが可能です。

またフォームに沿って入力した内容がリアルタイムで書類上に反映されるため、プレビューを見ながら簡単に書類を作成できます。入力が必要な項目はあらかじめ設定されており、消費税(内税・外税)や源泉税なども自動計算されます。

freee請求書を利用することで、入力漏れや計算ミスなどを未然に防ぎ、正確な書類をスピーディに作成できるようになります。


freee請求書利用画面のイメージ1

2023年10月から開始されたインボイス制度にも対応

2023年10月からインボイス制度が施行されました。インボイス制度の制度施行に伴い、インボイス制度の要件を満たした適格請求書の交付、計算方法の変更、インボイスの写しの保存義務化など請求書業務の負担が増えることが予想されています。

freee請求書では、金額を入力するだけでインボイスの計算方法で自動計算し、適格請求書の項目も満たした請求書を作成・発行することが可能です。

また、作成した請求書は電子保存されるため、インボイスの写しの保存義務化にも対応できます。

テンプレートは40種類以上!自分にあった請求書・見積書を作成可能

freee請求書には40種類以上のテンプレートが用意されています。その中から自分にあったテンプレートを選択して書類を作成できます。書類に記載する項目はテンプレートから変更を行うことも可能です。


freee請求書利用画面のイメージ2

請求書や見積書の作成から管理までを効率化できるfreee請求書の使い方は動画でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。ぜひ参考にしてみてください。

会員登録不要で請求書のテンプレートを無料ダウンロードできるサービスも

freee請求書のほかにも、freeeでは請求書を無料で作成できるサービスを新たにご提供しています。会員登録不要で誰でも無料で請求書のテンプレートをダウンロードすることができます。

具体的に、freeeの無料テンプレート集でダウンロードできる書類には以下のようなものがあります。

<会計>
・請求書(インボイス制度対応)
・発注書
・納品書
・領収書

<人事労務>
・内定通知書
・在籍証明書
・顛末書 など

freeeの無料テンプレート集では、上記のほかにも無料でダウンロードできる書類を準備中です。ぜひこちらもご活用ください。

よくある質問

法人の請求書の保管期間は?

法人の請求書の保管期間は、最低7年間と法人税法において定められています。また、欠損が出た年度分の請求書は繰越期間の関係から10年間の保存が求められているため、ご注意ください。詳しくは記事内「法人の場合」をご覧ください。

個人事業主の請求書の保管期間は?

個人事業主の請求書保管期間は、最低5年間です。ただし、消費税の課税事業者になっている場合やインボイス対応のために適格請求書を発行している場合は、7年間の適格請求書およびその控えの保管が必要になります。詳しくは記事内「個人事業主の場合」をご覧ください。

請求書の保管期間の数え方は?

請求書の保管期間の数え方は、確定申告の期日の翌日を起点とします。そのため、法人であれば事業年度終了日の翌日から2ヶ月後の日から、個人事業主であれば確定申告期限日の翌日からとなります。なお、適格請求書の場合は事業年度終了日の翌日から2ヶ月後を起点に、7年間の保管が必要です。

詳しくは記事内「請求書の保管期間の数え方」をご覧ください。

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