販売管理の基礎知識

出精値引きの意味とは?見積書への記載方法と注意点も解説

出精値引きの意味とは?見積書への記載方法と注意点も解説

出精値引き(しゅっせいねびき)とは、企業が取引先との関係性などを考慮し、見積もり上で値引きを行うことです。見積書を出す際には、出精値引きしたことが分かるように表記しなければならず、その表記の仕方にはいくつかポイントがあります。

本記事では、出精値引きの意味や見積書に表記する際の注意点について解説します。

目次

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出精値引きとは

出精値引きとは、見積もりを出した企業側から、企業努力によって値引きを提示することをいいます。見積もり全体から端数を丸めて切りのよい金額にするケースや、原価に関係なく一部利益をサービスするケースなどがあります。

出精値引きは、あくまでも取引先に対して発注を後押しするために行われるものであり、良識的な範囲で値引きを行うことが一般的です。原価を下回るほどの大幅な値引きはサービス品質の低下を招くリスクがあり、取引先にとっても不信感につながりかねないため、値引き額は慎重に検討する必要があります。

出精値引きを見積書に記載する方法

出精値引きをした際は、「▲」や「−」といった記号を用いて見積書に記載するのが一般的です。

例:1,000円の出精値引きをする場合は「−1,000円」「▲1,000円」

出精値引きを見積書に記載する際の注意点

見積書に出精値引きを反映するには、次のように記載をします。

見積書の項目に値引きを含める

出精値引きをした際には、必ず見積書の1項目として、値引き額を記載しましょう。値引き後の金額のみを記載してしまうと、値引きがしたことが記録として残らず、取引の当事者以外が誤った解釈をする可能性があります。

出精値引きの記載方法に決まったルールはありませんが、必ず値引きをしたことがわかるように明記しましょう。

値引きの理由を明記する

値引きの金額だけでなく、理由も明記することで認識の齟齬をなくすことができます。「キャンペーンによって値引きした」や「希望納期に応えられないため値引きした」など、値引きの理由を記載しましょう。

普段からお世話になっているため取引先に値引きをするなら、「貴社特別割引価格」と記載する方法もあります。

「▲」もしくは「−」の記号を使用する

値引きの金額は「▲」もしくは「−」で示すことが一般的です。会社によってはほかの記載方法で伝わることもありますが、認識の齟齬が起こるリスクを避けるためにも「▲」もしくは「−」の使用しましょう。

無理な値引き要求は法律違反の可能性

出精値引きは、あくまでも企業側が取引先と継続的な関係を築くうえで、自発的に値引きを提示する場合にのみ成り立つ行為です。取引先から意図的な値引き交渉があり、企業側がそれに応じた場合は出精値引きには当たりません。

さらに取引先が過度に値引きを要求し、非合理的な金額の値引きが行われた場合は、下請法に違反する可能性もあります。公正取引委員会からの勧告を受けるケースもあるため、値引きする側、される側ともに注意が必要です。

まとめ

出精値引きは、取引先との関係性を良好にするためのコミュニケーションとも言えます。出精値引きをする際は、見積書に値引き金額や理由を明記して、取引の当事者ではない人が混乱しないように十分な配慮をしましょう。

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よくある質問

出精値引きが行われるのはなぜ?

出精値引きは、見積もりを提示する企業側が、顧客との関係維持を目的として行うケースが一般的です。また、時には「これ以上の値引きは難しい」という意味合いを込めて行う場合もあります。詳しくは記事内「出精値引きとは」をご覧ください。

出精値引きとほかの値引きはどう違う?

一般的な値引きは特別キャンペーン、品質劣化や納期遅延などを理由に行われます。一方の出精値引きは、実質的な理由がなく、あくまでも取引先への誠意を示すものとして値引きが行われます。

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