副業の基礎知識

副業解禁はいつから?副業の実際と注意点

副業解禁はいつから?副業の実際と注意点

ここ数年で「副業」という言葉をよく耳にするようになったり、周りで副業をしている人が増えたと感じている方も多いのではないでしょうか。実際、政府も働き方改革の一環として副業を推進しています。

本記事では、副業解禁はいつからで、企業は副業に対してどのような取り組みを行なっているのでしょう。本記事では、副業をする際の注意点も合わせてご紹介していきます。

目次

副業解禁はいつから?

2018年(平成30年)は、「副業元年」と呼ばれています。

これは、政府が働き方改革の一環として副業を積極的に推進していることや、それに伴い、副業を解禁する企業が増えていることが背景にあります。

まずは、副業の解禁について、政府や企業がどのような取り組みをしているのかを見ていきましょう。

副業解禁と政府の動き

働き方改革の一環で、政府は柔軟な働き方を実現するための環境・法整備を進めています。その具体的な方針の一つが、副業の推奨です。

2017年に閣議決定された「働き方改革実行計画」により、テレワークや副業・兼業などの柔軟な働き方の実現が目標になりました。

副業や兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、第2の人生の準備として有効。


2018年1月には、企業が就業規則を作るための指針となる「モデル就業規則」が改訂され、これまで「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」となっていた規定が「勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」に変更されました。

2020年9月の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定では、副業・兼業時の労働時間の管理や健康管理についてのルールが明確化されました。その改定に伴い、副業・兼業についての記述も改訂されています。

第14章 副業・兼業
(副業・兼業)
第70条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合


各企業とも「モデル就業規則」を見本に就業規則を作成しているため、就業規則の元になる文書が改定されたことは、副業解禁に向けた大きな前進と言えるでしょう。

副業解禁と企業の動き

政府は副業の有効性を認め、推進していますが、未だ多くの企業は副業・兼業を認めていません。

次は、副業解禁を推進している大企業の例を見てみましょう。

実際に副業を解禁している企業

ここでは、副業を認めている大手企業をご紹介します。


副業を解禁している大企業の一例
業界企業
IT系サイボウズ、ソフトバンク、ヤフー、サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー、メルカリ、LINE、グッドパッチ、ウィルゲート、セプテーニ・ホールディングス、リブセンス
メーカーロート製薬、ユニチャーム、アサヒグループホールディングス、サントリーホールディングス、パナソニック、花王、カゴメ、コニカミノルタ、カシオ、キリンホールディングス、キヤノン、サッポロビール、富士通
金融新生銀行、カブドットコム証券、あおぞら銀行、みずほフィナンシャルグループ、ゆうちょ銀行、SMBC日興証券
サービスリクルートホールディングス、アクセンチュア、エイチ・アイ・エス
商社丸紅
自動車関連日産自動車
レジャー日産自動車、アイシン精機、デンソー

たとえば、紙おむつや生理用品など日用品の製造・販売が主力事業の「ユニ・チャーム」も副業制度を設けています。「ユニ・チャーム」は、入社4年目以上の正社員に限った副業解禁となっています。

  • 目的:当社とは異なる環境で新たなスキルや専門性を身につけたり、能力を発揮する機会や人脈を広げる機会を得たりすることで、能力を高め、活躍の場を広げるといった社員のさらなる成長を支援するため。
  • 開始日:2018年4月1日
  • 対象者:ユニ・チャーム籍の正社員で入社4年目以上。
  • 対象副業先:個人のスキルアップや成長につながる副業を前提とする。
  • 副業勤務日:就業時間外や休日のみ。
  • 勤務時間:健康管理の観点から24時以降の勤務は禁止。
  • 運用方法:副業を希望する場合は、事前に届出書・誓約書を上長及びグローバル人事総務本部長に提出する。

副業の現状は?

エンジャパンが2020年に実施した副業調査によると、副業希望者は49%と昨年より8ポイント増え、約半数が副業を希望しているのに対し、就業先の容認度は27%にとどまっています。また、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、副業への意欲が高まっていると回答した人は53%にのぼりました。

副業を行う理由は様々ですが、第1位は昨年同様「収入アップ」(88%)でした。そして、「失業したときの保険」は22%と、昨年より8ポイント増加しました。新型コロナウイルスが流行して以来、多くの人が将来の仕事の見通しに不安を抱いていることがうかがえます。

会社員にとっての副業のメリットと注意点

サラリーマンが副業を行う主なメリットは、収入が増えることと、会社を辞めずに別の仕事に就いてスキルを磨けることです。先行きが不透明な時代のなか、複数の収入源を持ち、スキルを磨くことはリスクヘッジにもなります。

また、副業であっても自分のやりたいことをやることは自己実現にもつながりますし、資格を持っていれば、それを活かせる絶好の機会にもなります。

しかし、会社員にとって、副業は必ずしもメリットだけをもたらす訳ではありません。

終業後や土日にも活動することで勤務時間が長くなる点や、本業の機密情報の保持には注意しなければいけません。特に、企業側は副業による情報漏洩やブランド毀損を懸念しています。これらの点には十分に考慮する必要があります。

また、所定労働時間が短い仕事を複数行う場合、雇用保険等の対象外になる可能性があるので、その点にも注意が必要です。

<留意点>

  1. 就業時間が長くなる可能性があるため、労働者自身による就業時間や健康の管理も一定程度必要である。
  2. 職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することが必要である。
  3. 1週間の所定労働時間が短い業務を複数行う場合には、雇用保険等の適用がない場合があることに留意が必要である。
出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン

企業にとっての副業のメリットと注意点

社員が副業をすることで得られる企業側のメリットは、社員が社内だけでは得られない知識やスキルを得ることができる点です。同時に自律性・自主性の促進、競争力の向上、優秀な人材の流出防止にもつながります。

また、社外から新たな知識を得ることや人脈ができることにより、ビジネスチャンス拡大も期待できます。

注意すべき点としては、労働時間の把握と管理、従業員の健康管理が挙げられます。また、本業に支障をきたさないように、職務専念や守秘義務にも注意が必要です。

<留意点>

  1. 必要な就業時間の把握・管理や健康管理への対応、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するかという懸念への対応が必要である。
出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン

副業を始めてみよう

勤めている会社が副業を禁止していないのであれば、副業に挑戦してみるのもいいかもしれません。ここまで説明してきたように、いくつか注意点はありますが、副業には大きな魅力があります。

今までのスキルや人脈を活かして副業をすることもできますし、未経験の方はクラウドワークスランサーズココナラなどのクラウドソーシングサイトを利用するのもよいでしょう。

確定申告はいくらから必要?

勤めている会社が副業OKだとしても、事前に確定申告について知っておく必要があります。確定申告とは、自分の所得を計算して税務署に納税額を申告することです。

サラリーマンの方で、副業で得た所得が1年間で20万円を超える場合は、確定申告をしなければなりません。所得とは「売上-経費」と定義されています。
例えば、100万円の売上があっても85万円の経費がかかっていれば、売上から経費を差し引くと15万円になるので、確定申告の必要はありません。

副業などで得た所得が20万円を超える⽅は、確定申告が必要となります。医療費控除やふるさと納税などで確定申告を⾏う⽅は、副業などで得た所得が20万円以下であっても、申告が必要です。


確定申告について詳しく知りたい方は、「確定申告とは何? 全く分からない人でもわかりやすく解説!」をご覧ください。

副業の確定申告をカンタンに終わらせる方法

年末調整をしている会社員でも副業をしていて、その副業の所得が20万円を超える場合には個人で確定申告が必要です。

確定申告には青色申告と白色申告の2種類がありますが、副業所得が「雑所得」に該当する場合は白色申告のみで青色申告は受けられません。

一方、副業所得が「事業所得」「不動産所得」に該当する場合は、青色申告が可能です。青色申告では、さまざまな節税メリットを受けることができる反面、事前の手続きや複式簿記での記帳が必要になり、白色申告に比べて申告準備に手間がかかります。

青色申告の準備や日々の記帳、申告書類の作成を楽にしたい方は、確定申告ソフト「freee会計」「freee開業」の活用がおすすめです。

ここからはfreeeを活用するメリットを、青色申告で確定申告を完了させるまでのステップにあわせてご紹介します。

青色申告するためのステップ1:開業届と青色申告承認書を作成・提出

青色申告するためには、「開業届」「青色申告承認申請書」を税務署へ提出しなければなりません。ここでおすすめなのがfreee開業です。

freee開業では、簡単な質問に答えていくことでこれらの書類を無料で自動作成できます。

青色申告するためのステップ2:日々の記帳

青色申告する準備として、日頃から帳簿をつけることが重要です。青色申告では複式簿記での記帳が義務付けられているため、会計知識が必要になります。

しかし、freee会計を利用すれば、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿づけを行うことができます。自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、会計・経理の経験がない方でも安心して利用できます。


freee会計 書類作成画面の例1

青色申告するためのステップ3:確定申告書類の作成・提出

さらにfreee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。必要な計算は自動で行ってくれるため、計算ミスや入力ミスを軽減できます。

freee会計を使って自動作成した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告完了です。


freee会計 書類作成画面の例2

なお、納税方法はいくつかありますが、電子申告(e-Tax)がおすすめです。電子申告(e-tax)からの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば、控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。

電子申告(e-tax)を検討されている方は、freee電子申告開始ナビ(無料)をご覧下さい。

初めての青色申告で不安な方や、日々の記帳から確定申告まで効率的に行いたい方にはfreeeがおすすめです。ぜひご利用ください。

まとめ

今回の記事では、副業解禁はいつからなのか?また、副業が解禁が企業や個人にどのような影響を与えるのかについてもご紹介してきました。

単なる収入アップやスキルアップだけではなく、長い目で見て副業の促進は社会的にも意義があることと言えます。ただし、副業をする上で情報漏洩や健康管理には充分に注意を払う必要があります。

また、最後のポイントである「副業での所得が20万円を超えたら確定申告が必要」ということもしっかりと頭に入れておいてください。今回の記事を、ご自身の副業ライフの参考にしていただければ幸いです。

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