副業の基礎知識

副業でフリーランスになるメリット、注意点とは

副業でフリーランスになるメリット、注意点とは

2018年6月に長時間労働の是正や多様な働き方の促進を目的とした「働き方改革関連法案」が成立し、副業を認める企業も増えてきました。

副業は、個人にとってはスキルアップや満足度の向上に繋がり、企業にとっては労働力の確保と優秀な社員の流出防止、社内の活性化などのメリットがあります。

今回の記事では、副業を始めるメリットや注意点について解説します。

目次

副業とフリーランスの関係とは

副業を解禁する企業も徐々に増え、会社員として働きながらフリーランスとして働く人も増加してきました。副業としてフリーランスの仕事をしたい場合、どうすれば良いのでしょうか。

フリーランスとは

フリーランスとは、会社や組織などに所属せず、仕事ごとに契約をする独立した個人事業主を指します。代表的な職種にはライターやカメラマン、デザイナー、プログラマーなどがあり、最近ではマーケターや広報などビジネス系の職種も増えてきました。このことから、自分の才覚・スキルで仕事をしている人と言ってもいいでしょう。

フリーランス(freelance)の語源は中世ヨーロッパにさかのぼる。フリー(free)は自由、ランス(lance)は騎兵が使う槍(やり)のこと。フリーランスは主君を持たず、契約にもとづいて戦う騎士を意味した。特定の会社に属さない独立自営の人を指すこの呼び名には、勇ましさやたくましさをたたえる響きがあるわけだ。

引用:日本経済新聞「2018年1月30日 春秋」

副業フリーランスとは

副業フリーランスは、企業に常時雇用されながらも終業後や休日を活用してフリーランスとして活動している人のことをいいます。

ランサーズが定義するフリーランスは「副業系」「自営業系」「複業系」「自由業系」に分類されています。その中で最も人数が多く、経済規模も大きいのが「副業フリーランス」です。

ランサーズが実施した「フリーランス実態調査2021年版」によると、フリーランスの人口は5年連続で1,000万人を超え、1年以内にフリーランスを開始した人が増加しているとの結果がでました。また、副業をしてみたいと考えるノンフリーランスが7割いることから、今後もフリーランスは増加傾向にあると考えられます。

副業フリーランスのメリットとは

なぜこんなにも副業フリーランスの規模が拡大しているのでしょう。それには、副業でフリーランスになることの大きなメリットが関係しています。

メリット1:収入がアップする

副業が注目を集める前から、「副業」といえば収入アップが魅力でした。ランサーズの実態調査でも、フリーランスを開始した理由として大半を占めるのが収入の拡大です。

特に本業での給与が伸びない場合、副業をすることで月に数万円でも収入をアップさせることができます。

メリット2:スキルアップに繋がる

今まで本業で培ってきたスキルを活かせるのも副業フリーランスの大きなメリットです。また、普段と異なる取引先や仕事をすることで新たな知識や経験を得ることができます。

ほかにも、ビジネススキルやコミュニケーションスキルの向上も期待できます。

メリット3:働き方への満足度が上がる

フリーランス実態調査2021年版」によると、フリーランスで働く人の仕事に対する満足度は、ノンフリーランスに比べて高い数値を示しています。特に、「自由である」は70%、「仕事に熱心である」の項目では60%もの人が前向きな回答をしています。

フリーランスの満足度調査

これは、働き手だけではなく雇用側としてもプラスになります。仕事に対する満足度が上がることで、本業にも良い影響を与えるでしょう。副業での繋がりやスキルを本業に活かしている社員もいるそうです。満足度が上がることで、離職率が低下したという事例もあります。

副業フリーランスの注意点

副業フリーランスには、収入やスキルアップといったメリットがありますが、一方で副業フリーランスには気をつけるべき注意点があります。

注意点1:本業を優先すること

副業とフリーランスには様々な違いがありますが、その一つに「働き方」があります。

専業フリーランスの場合、契約内容にもよりますが、納期と質を担保できていれば仕事の時間は自由に決められます。

一方で、会社員の副業はあくまで「副」業。本業があってこそのものです。このため、副業は本業で定められた時間以外に行うことが大原則です。

副業が認められている会社でも副業をする条件として「時間や業務内容が本業に影響がない範囲で行うこと」と就業規則に定められているところがほとんどでしょう。

注意点2:自己管理能力が問われる

副業をするということは、余暇の時間を削って働くということでもあります。このため、身体を壊さないか、ストレスはたまらないかなど、自己管理を今まで以上にする必要があります。

副業を始めたために身体を壊してしまい本業に影響が出ては本末転倒です。また、本業が忙しくなったからと、途中で副業を投げ出すわけにもいきません。副業を始める前に、本当に始めても大丈夫か自分の仕事スタイルや生活スタイルを一度見直してみましょう。

注意点3:所得が20万円を超えたら確定申告

副業の所得が年間20万円を超えたら確定申告をする必要があります。確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算・申告し、納税する作業です。

所得とは、総収入から諸経費を差し引いた金額です。30万円分稼いでも経費に20万円かかっていたら所得は10万円になるので確定申告の必要はありません。副業がうまくいって稼いだ場合、もしかしたら本業の分に加えて納税義務が発生するかもしれません。

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※2022年10月12日更新※

国税庁は2022年8月1日に「副業収入300万円以下は事業所得ではなく雑所得にする」とのパブリックコメントを提出しましたが、これに対して約7,000件もの意見が集まり、10月7日に大幅な修正案が発表されました。

修正案では「副業収入において、帳簿や請求書などを保存している場合は原則『事業所得』とする」とあり、帳簿や請求書などの保存をしていれば収入額にかかわらず、事業所得として認められるという内容です。

詳しくは国税庁の公表した【「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)(雑所得の例示等)に対する意見公募の結果について】をご確認ください。

副業の確定申告をカンタンに終わらせる方法

年末調整をしている会社員でも副業をしていて、その副業の所得が20万円を超える場合には個人で確定申告が必要です。

確定申告には青色申告と白色申告の2種類がありますが、副業所得が「雑所得」に該当する場合は白色申告のみで青色申告は受けられません。

一方、副業所得が「事業所得」「不動産所得」に該当する場合は、青色申告が可能です。青色申告では、さまざまな節税メリットを受けることができる反面、事前の手続きや複式簿記での記帳が必要になり、白色申告に比べて申告準備に手間がかかります。

青色申告の準備や日々の記帳、申告書類の作成を楽にしたい方は、確定申告ソフト「freee会計」「freee開業」の活用がおすすめです。

ここからはfreeeを活用するメリットを、青色申告で確定申告を完了させるまでのステップにあわせてご紹介します。

青色申告するためのステップ1:開業届と青色申告承認書を作成・提出

青色申告するためには、「開業届」「青色申告承認申請書」を税務署へ提出しなければなりません。ここでおすすめなのがfreee開業です。

freee開業では、簡単な質問に答えていくことでこれらの書類を無料で自動作成できます。

青色申告するためのステップ2:日々の記帳

青色申告する準備として、日頃から帳簿をつけることが重要です。青色申告では複式簿記での記帳が義務付けられているため、会計知識が必要になります。

しかし、freee会計を利用すれば、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿づけを行うことができます。自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、会計・経理の経験がない方でも安心して利用できます。


freee会計 書類作成画面の例1

青色申告するためのステップ3:確定申告書類の作成・提出

さらにfreee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。必要な計算は自動で行ってくれるため、計算ミスや入力ミスを軽減できます。

freee会計を使って自動作成した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告完了です。


freee会計 書類作成画面の例2

なお、納税方法はいくつかありますが、電子申告(e-Tax)がおすすめです。電子申告(e-tax)からの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば、控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。

電子申告(e-tax)を検討されている方は、freee電子申告開始ナビ(無料)をご覧下さい。

初めての青色申告で不安な方や、日々の記帳から確定申告まで効率的に行いたい方にはfreeeがおすすめです。ぜひご利用ください。

まとめ

医療の進化などにより「人生100年時代」が到来すると言われています。一方で、会社の寿命は短命化していくと言われており、そうなると働き方も一つのキャリアを全うするのが難しくなるでしょう。

世界的なベストセラー『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』で、著者のリンダ・グラットン氏は「副業・兼業・起業が身近なものになってくる」と語っており、副業・兼業・複業(パラレルキャリア)は今後のキャリアを考える上で非常に重要になるでしょう。

今回の記事を参考に、ぜひ副業フリーランスとしての活動を始めてみてください。

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