会社員の副業の選択肢として、Web上で仕事を受注できるクラウドソーシングがあります。自分のスキルや経験を活かして、副業の収入を得ることができます。
本記事では、クラウドソーシングを活用して副業を始めようと考えている人に向けて、どんな仕事を受けることができるのか、確定申告が必要なのかについて解説します。
目次
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クラウドソーシングとは
クラウドソーシングとは、群衆を意味する「crowd(クラウド)」と業務委託を意味する「sourcing(ソーシング)」を組み合わせた造語です。一般的には、インターネット上で企業と個人をマッチングし、仕事の受発注ができるサービスのことを指します。
発注側は、クラウドソーシングを活用することで社内に人材を抱えなくても必要な時に外部から人材を調達できるとともに、受注側は自分の好きなタイミングで持っているスキルや資格等を活かして仕事をすることができるのが特徴です。
クラウドソーシングにはタスク型とプロジェクト型がある
クラウドソーシングの業務形態には、大きく分けて単発で業務依頼を受ける「タスク型」と、長期的に依頼を受ける「プロジェクト型」があります。
タスク型は、データ入力やアンケートといった比較的単純作業が多く、1案件ごとの単価は安くなる傾向があるものの、すきま時間に業務をこなすことができます。
一方、プロジェクト型はWebライティングやWeb開発・コンサルティングなど、一定の専門性と作業時間を必要とするものが多くなっています。
クラウドソーシングで募集されている主な仕事内容
クラウドソーシングでは、多岐に及ぶジャンルの仕事が募集されています。ここでは、代表的なクラウドソーシングの仕事内容を解説します。
Web開発・アプリ開発
プログラミングの技術を活かしたWeb開発・アプリ開発関連の仕事は、専門的なスキルを必要とするため、特に募集が多い案件です。
また、簡単なコーディングのスキルだけを求めているケースもあり、プログラミング初心者でも募集要項にマッチする案件は複数あるでしょう。より専門的なスキルを求めている案件ほど報酬額が高額になります。
データ入力
企業のWebメディアやブログの記事をライティングする仕事です。決められたテーマや文字数に従って、記事を作成します。特別なスキルやツールを必要としないため、これから副業を始めたいと考えている会社員におすすめのジャンルです。
報酬額は個人のライティングの経験や専門的な知識の有無で変動することが多く、1文字につき1円〜5円前後の単価が設定されることが一般的です。
Webライティング
Excelやスプレッドシート、企業が指定したツールにデータを入力する仕事です。顧客データや、売上データ・アンケート結果の入力といった仕事が主な業務内容で、特別なスキルは必要ありません。難しいことはないので、本業のすきま時間に仕事をこなせます。
業務内容が単純な分、報酬も安価なものが多いです。
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在宅の副業で人気!データ入力のお仕事とは?収入、時間、必要なスキルを解説
動画編集
近年、YouTubeやTikTokを活用した動画マーケティングの需要が高まっていることから、動画編集の案件も増えています。
携帯のアプリで編集できるものもありますが、多くは動画編集ソフトを必要とします。テロップやアニメーション、エフェクトなど一定のスキルを求められるケースが多いです。
クラウドソーシングで副業をするメリット
会社員がクラウドソーシングで副業をするメリットとして、以下の3点が挙げられます。
クラウドソーシングで副業するメリット
- 好きな時間に働ける
- 自分の適性に合った仕事を選べる
- 仕事の場所を選ばない
好きな時間に働ける
基本的にクライアントとの取り決めがなければ、好きな時間に業務を行うことができます。そのため、平日の仕事終わりや休日のすきま時間などを有効に活用して収入を得ることが可能です。
また、毎月継続する案件ではなく、スポットで仕事を行う「タスク型」の案件も多くあります。年末年始や夏休みなど、まとまった休みを活かして副業を行うこともできるでしょう。
自分の適性に合った仕事を選べる
クラウドソーシングサービスには、非常に多くの案件が掲載されています。そのため、自分の得意な分野の案件を探して仕事を受けることができます。
また、未経験や実績の少ない初心者でも応募できる仕事もあるため、新しいスキルの習得にも適しているといえるでしょう。
仕事の場所を選ばない
クラウドソーシングでは、クライアントと直接会って打ち合わせや契約を結ぶことは非常に稀で、多くの場合チャットやWeb会議でやり取りを行います。そのため、仕事をする場所を選ばず、地方や海外に在住している場合でも、案件を受けることができます。
クラウドソーシングでの副業所得が20万円を超えると確定申告が必要
会社員などの給与所得者は、勤め先の会社が年末調整を行い、従業員に代わって所得税を申告・納税してくれるため、原則として確定申告の必要がありません。
しかし、クラウドソーシングを活用し、副業所得が年間20万円を超えた場合は、確定申告を行う必要があります。
副業する前に知っておくべき収入と所得の違い
所得とは、売上から必要経費を差し引いた金額をいいます。
たとえば、カメラマンとしてクラウドソーシングで仕事を引き受けていた場合、カメラのメンテナンス代やスタジオ代・交通費など、売上を立てるためにかかった費用を必要経費として計上できます。
仮に副業の売上が25万円で、必要経費が3万円だった場合、所得は22万円(25万円 - 3万円)となり、確定申告をしなければなりません。一方で必要経費が6万円だった場合、所得は19万円(25万円 - 6万円)となり、20万円を下回るため原則として確定申告が不要になります。
確定申告が必要な例と不要な例
(1)副業の売上が25万円、必要経費が3万円だった場合:
250,000(収入) - 30,000(必要経費) = 220,000円(所得)
所得額が20万円を超えるので確定申告が必要!
(2)副業の売上が25万円、必要経費が6万円だった場合:
250,000(収入) - 60,000(必要経費) = 190,000円(所得)
所得額が20万円以下のため確定申告は不要!
このように副業所得が20万円を超えるかどうかで、確定申告をすべきなのかが分かります。クラウドソーシングを活用して副業する際には、年間でいくらの所得になるのかを把握しておくことが大切です。
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副業所得が20万円以下でも住民税の申告は必要
副業所得が20万円以下で確定申告の必要がなくても、住民税の申告は必要です。
確定申告を行えば、申告した内容が税務署から市区町村に通知され住民税の額が決定します。そのため、個人で市区町村に住民税の申告をする必要がありません。しかし、確定申告をしなかった場合は、各市区町村の役所で住民税の手続きを行わなければなりません。
クラウドソーシングで副業した場合の所得の種類
所得は、所得税法で10種類に分類されています。クラウドソーシングや個人で仕事を請け負う場合は、発注先と雇用契約を結ぶことはありません。雇用関係がないため「給与所得」ではなく、発生した所得は「事業所得」または「雑所得」になります。
事業所得は、その名の通り事業として行っている仕事から得られる所得で、雑所得は他のどの所得にもあてはまらない所得です。税法上、事業所得と雑所得のはっきりとした区分はないため、その仕事が「事業」に当たるかどうかでどちらの所得になるかを決めます。
「事業」とは反復・継続・独立している仕事のことをいいます。反復とはその仕事を繰り返して行うこと、継続とはその仕事をずっと行うこと、独立とはその仕事についてどこかに属していないことです。
クラウドソーシングにあてはめると、雇用契約がなく仕事を受けているので独立はしています。ポイントとなるのは反復と継続です。おおよそ1年以上その仕事を続けているのであれば、反復・継続となり事業とみなされることがあるでしょう。1年未満なら雑所得になる可能性が高いです。
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副業所得が事業所得の場合は青色申告がおすすめ
青色申告ができる所得は限られており、「事業所得」「不動産所得」「山林所得」の3つのみです。
副業が事業所得に該当する場合、節税面で有利な青色申告で確定申告することをおすすめします。青色申告は、青色申告特別控除や赤字の繰り越し、家族(専従者)の給与を経費にできるなどさまざまな節税メリットを受けることができます。
ただし、青色申告をするためには、税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。また、初年度に青色申告するためには、青色申告承認申請書を開業日から2ヶ月以内に提出しなければなりません。
それぞれの書類は最寄りの税務署もしくは国税庁のホームページから入手可能ですが、おすすめはfreee開業です。簡単な質問に答えるだけで、開業届や青色申告承認申請書など開業に関する必要な書類を無料で作成できます。
帳簿の保存がなければ雑所得に分類される
国税庁は2022年8月1日に「副業収入300万円以下は事業所得ではなく雑所得にする」とのパブリックコメントを提出しました。しかし、パブリックコメントに対して約7,000件もの意見が集まり、国税庁は10月7日に大幅な修正案を発表しました。
修正案では「副業収入において、帳簿や請求書などを保存している場合は原則『事業所得』とする」とあり、帳簿や請求書などの保存をしていれば収入額にかかわらず、事業所得として認められるという内容です。
つまり、副業収入が300万円以下であっても帳簿書類を保存していれば、これまで通り「事業所得」として扱われます。しかし、逆に帳簿保存がなければ、副業収入が300万円以下の場合、雑所得として分類されることになります。
詳しくは『「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)(雑所得の例示等)に対する意見公募の結果について』をご確認ください。
まとめ
クラウドソーシングで副業所得が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。所得とは、売上から必要経費を差し引いた金額を指します。売上と所得の違いを理解した上で、確定申告が必要かどうかを判断しましょう。
また、副業所得が20万円以下の場合でも、住民税の申告は必要になることに注意が必要です。
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