事業を運営していると、急に資金が必要になることがあります。そんな時に有効なのがビジネスローンです。銀行や公的機関からの融資と比較して審査がやさしく、申し込みから融資実行までの期間も短い点が魅力ですが、注意しなければいけないこともあります。
本記事では、融資してもらえる確率が高いビジネスローンや、経営者必見の資金調達に関する基礎知識について詳しくご紹介します。
目次
ビジネスローンとは
ビジネスローンとは民間の金融機関や消費者金融が提供する融資サービスです。
最大の特徴は申し込みから融資開始までの期間が銀行のプロパー融資などと比較して短く、審査もやさしい点です。下記のような状況で活用できるでしょう。
- 銀行のプロパー融資の審査に落ちてしまった
- すぐに資金が必要
- 数十万円〜百数万円の資金が必要(銀行から融資を受けるほどではないが、資金が必要)
- 無担保・無保証の融資を受けたい
ただし、銀行や日本政策金融公庫、自治体が提供する融資に比べると金利は高めに設定されています。何度も繰り返し利用するようなことはせず、短期での利用を心がけましょう。
メリット | デメリット | |
銀行融資 |
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ビジネスローン |
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資金調達には大きく分けて以下の3種類があります。
- エクイティ・ファイナンス:株式発行を伴う資金調達。返済の必要がない。
- デット・ファイナンス:借入による資金調達。
- アセット・ファイナンス:売掛金の譲渡など資産を資金に変える。
このなかでビジネスローンは「デット・ファイナンス」に分類され、借りたお金は負債になります。負債を作ることに抵抗がある場合は、請求書(売掛金)を販売して資金を得るなど、資産を資金に変える「アセット・ファイナンス」がおすすめです。
審査に通りやすいビジネスローンとは
ビジネスローンにも様々な種類があります。
- 銀行が提供しているビジネスローン
- クレジットカード会社が提供しているビジネスローン
- 信販会社のビジネスローン
- 消費者金融が提供しているビジネスローン
決算書などの資料を用意し厳しい審査が必要なのは、銀行の「プロパー融資」と呼ばれるものです。前述したように、プロパー融資は審査が厳しい分、金利は低めに設定されています。対してビジネスローンは金利が高めですが、審査には通りやすいです。さらに、Webで完結するものも少なくないので、来店する手間も省けます。
三菱UFJ銀行や三井住友銀行などのメガバンクも独自のビジネスローンを提供しており、融資可能金額は概ね50〜1,000万円、金利は2〜14%に設定されています。
銀行名 | ビジネスローン名 | 概要 |
三菱UFJ銀行 | ビジネスローン「融活力」 | 三菱UFJ銀行が提供するビジネスローン。一般向けの金利は年2.35%~9.0%だが三菱UFJ銀行が提携している税理士会の会員税理士からの紹介がある場合は年0.25%の優遇を受けられる。 |
三井住友銀行 | ビジネスセレクトローン | 三井住友銀行が提供する中小企業向けのビジネスローン。借り入れ可能金額は1億円以内と、他のビジネスローンと比較して大きい点が最大の特徴。金利は2.125%~(変動金利の場合。固定金利、各種金利優遇制度もあり)。 |
なお、クレジットカード会社や消費者金融などの民間企業もビジネスローンを提供しています。無担保で、保証人も必要ありません。金利は6〜18%前後と、銀行のビジネスローンよりはやや高めに設定されています。
金融機関名 | ビジネスローン名 | 概要 |
オリコ | 事業融資・ビジネスローン | オリコカードが提供するビジネスローン。法人だけではなく個人事業主も対象としている。来店不要で契約可能、事業所がなくてもOKなどの特徴がある。金利は6.0%~18.0%(実質年率)。 |
必ず借りられるビジネスローンはあるのか
ビジネスローンは比較的審査が甘いとは言え、100%審査に通るとは言い切れません。
例えば、以下のいずれかに当てはまる場合は注意が必要です。
- 融資やローンの返済事故履歴がある
- 過去に破産・不渡りを起こしたことがある
- 経営者個人に返済事故履歴がある
- 納税を滞らせている
- 赤字決算である
返済事故とは、返済が滞ったり返済できなかったことを指します。もし未納の税金などがある場合は、速やかに納付しましょう。
ただし、過去に返済に関する事故があったとしても、ビジネスローン提供会社によっては審査に通過するケースもあります。
申し込んでみないことには、借りられるかどうかはわかりませんが、現在のご自身の事業の状況から比較的借りやすいビジネスローンを紹介してくれるサービスもあります。資金繰り改善ナビが提供するオファー型融資です。
オファー型融資では、freee会計のデータをもとに、融資条件を事前に個別試算することができます。
- 事業のデータをもとに利用可能な融資が提案される
- 融資限度額、利息の試算も事前に表示
freee会計のユーザーであることが条件ですが、過去の取引データをもとにAIが自動でオファーしてくれため、ビジネスローン会社を調べ比較する手間が大きく省けます。
ビジネスローン以外に確実に資金調達する方法
これまでビジネスローンでの資金調達をご紹介してきましたが、他にも以下のような資金調達方法があります。
- 家族や友人から借りる
- クラウドファンディング
- ファクタリング(売掛金の売却)
- クレジットカードの活用
金融機関や民間企業からではなく、家族や親類、友人にお願いするのも一つの方法です。
最近では、クラウドファンディングもメジャーになってきました。例えば商品開発や新規事業に資金が必要な場合は利用を検討してみるといいでしょう。商品購入型のクラウドファンディングもあり、市場調査も兼ねられます。
また、請求書を買い取ってもらえるファクタリングもおすすめです。請求書は売上債権で資産に分類されます。このため負債になりません。利用の際はファクタリング会社に手数料を支払う必要がありますが、最近では3%から10%と比較的安い手数料で利用できるようになってきました。
フリーランス・個人事業主を対象とした請求書買取サービスFREENANCEやyup(ヤップ)先払いなどのほか、freee会計も「請求書ファイナンス」というファクタリングサービスを提供しています。
また、仕入れのために資金が必要な場合は、支払いを先送りにする「事業用クレジットカード」の活用も有効です。お金を借りるのではなく、支払いを先延ばしにして資金繰りをします。
このように、資金調達にはさまざまな方法があり、それぞれに特徴があります。資金がショートしてから資金繰りについて考えるのではなく、普段から備えておくことが重要です。
ここから先は、経営者が押さえておきたい資金繰りについて詳しくご紹介していきます。
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この記事をご覧になっている方は、普段から資金繰りの状況についてチェックなさっているでしょうか。freee会計のユーザーアンケートによると、定期的に資金状況についてチェックしている方は約50%、確認の方法は預金残高通帳です。
キャッシュは企業存続の命綱です。キャッシュフローや今後の資金繰り予測などは会社経営の重要な要素の一つであり、資金調達は企業継続・繁栄の重要な手段です。ただし、資金繰りや資金調達は難しい、よくわからない。そう思っている方も多いのではないでしょうか。
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事業用クレジットカード:freeeカード
資金調達、資金繰りの手段として最後にご紹介したいのが事業用クレジットカード(ビジネスカード)です。
「独立する前にクレジットカードを作っておくように」と勧められたことはありませんか?一般的に個人事業主やフリーランス、経営者などご自身で事業を運営するようになるとクレジットカードの審査に通りにくくなると言われています。
しかし、支払いを先送りする方法としてクレジットカードは有効な手段の一つです。freeeでは事業をお持ちの方に特化したクレジットカードを提供しています。ブランドはVISA、Master、American Expressといった主要国際ブランドを揃えた豊富なラインナップを揃えており、オンラインからすぐに申し込むことが可能です。
まとめ
事業を運営・拡大していく上で資金繰りに関する問題は避けて通れない道です。また、なかなか相談相手がいない話題でもあります。
freee資金調達やfreee会計のデータを活用して、事業を効率的に運営していきましょう。