経費精算の基礎知識

旅費精算のやり方と処理するときに気を付けたいポイント

旅費精算のやり方と処理するときに気を付けたいポイント

経費精算の中でも、業種によっては比較的高い頻度で精算が必要になるのが「旅費精算」です。旅費に仕分けされるものの見分け方、旅費精算の方法、出張旅費規程などについて詳しく解説します。

目次

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旅費・出張旅費・旅費交通費とは

旅費交通費とは、日々の営業にかかる細かな交通費をはじめ、遠隔地へ出張した際に支出した旅費全体の経費を意味しています。

例えば、出張が泊まりがけになる場合については、交通費のほか、ホテル代なども旅費交通費として精算できます。 なお、遠隔地への交通費でも、その目的によっては旅費交通費とは扱いが異なる場合があります。

交際費との違い
取引先との懇親会や親睦会などのために、遠隔地へ出向く場合は、旅費交通費ではなく、交際費として処理をしなければなりません。
研修費との違い
社員研修のために、遠隔地へ行く場合、その際の交通費やホテル、合宿所の宿泊費については旅費ではなく研修費という扱いになります。
福利厚生費
慰安旅行で遠隔地に行く場合は、旅費交通費ではなく福利厚生費として仕訳をします。なお、社員旅行を福利厚生費として処理をすることもできますが、以下のような条件があります。
  • 国内旅行は旅行期間4泊5日以内
  • 海外旅行は外国の滞在日数が4泊5日以内
  • 全従業員の半数以上が参加している(事業所ごとの場合はそれぞれの職場人数の半数以上)
  • 会社負担が社員一人あたり10万円程度を限度とする

この条件を超えている場合は、その社員に対する給与としてみなされる可能性がありますので、十分注意しましょう。

旅費の精算方法と流れ

旅費の精算は概ね次のような流れで行います。

ステップ1:出張申請をする
遠隔地へ出張する場合は、あらかじめ出張する旨を上長に申請し許可を得ます。この際、出張計画書や出張申請書を提出し、どの程度の旅費がかかるのかを申請し、のちの経費精算をスムーズにできるようにします。
ステップ2:出張して立て替え払いをする
出張先において、実費を立て替え払いします。ホテルの宿泊費なども会社名で領収書をもらいます。
ステップ3:旅費精算書を記入する
旅費精算書は通常の交通費精算書と同じ書式でも問題ありませんが、出張の目的や用件、訪問先などは必ず記載が必要です。また、どこからどこまで、どういった移動手段で動いているのかわかるよう詳細に記入します。
ステップ4:上長の承認
旅費精算書の記入が終わったら、経理に提出する前に上長に確認をします。事前に承認をもらっている出張計画書と照合して予定外の支出が発生していないかチェックをします。
ステップ5:経理に提出して精算
上長の承認印をもらったら、経理に提出して精算を受けます。

これが旅費交通費精算の主な流れです。

出張旅費規程の整備の必要性

出張が多い会社の場合は、就業規則とは別に「出張旅費規程」を設けると様々なメリットがあります。

出張旅費規程がない会社の場合、旅費交通費として精算して経費にできるのは、あくまで実費で支出した交通費と宿泊費のみで、それ以外の支払いはできません。よって、出張が遠隔地だったとしても、出張手当や日当などを経費として支出して社員に支払うことはできません。もしも支給するとそれは給与として扱われ、所得税や住民税が課税されてしまいます。

そこで、出張旅費規程を設定すると、次のようなメリットがあります。

メリット1:実費精算以外の精算も可能

通常は実費を精算するのが当然ですが、別途規程を設定すれば、実費精算ではなく、移動距離などに応じて実費にかかわらず一定額を支給するとすることも可能です。つまり、実際に支出した金額よりも多い金額を経費として社員に支出することができるのです。

メリット2:出張手当は課税されない

出張手当を規定すれば、1日いくらといった形で、社員に手当を支給することができます。出張手当を設定することで、出張に前向きな社員が増え士気も上がります。また、出張旅費規程で設定した出張手当については、合理的な金額であれば、給与として扱われないため、所得税や住民税は課税されません。また社会保険料も対象外です。

このように出張旅費規程は、会社側と社員側それぞれにとってメリットが大きいと言えます。

経理処理における注意点

旅費精算については、通常の交通費精算とは違い、金額が高額になるため、その妥当性については常にチェックが必要です。 例えば、いくら出張とはいえ、一泊数万円するホテルに宿泊するのは妥当とは言えません。

あまりにも社会的常識を欠く場合は、税務調査で指摘を受ける可能性もあります。そのため、宿泊費の目安や新幹線のグリーン車を利用できる役職者などを、出張旅費規程に細かく規定して運用すると良いでしょう。

まとめ

旅費交通費は、運用範囲が広いため、精算フローを徹底することで乱用させないことが重要です。経費の無駄を省くためにも、出張旅費規程を設定して社内基準を示すようにしましょう。

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