経費精算システムとは、事業を行うために発生した経費の申請から承認までの工程を効率化するシステムのことです。
近年は、バックオフィス業務のDX推進に伴い、さまざまな機能・料金体系の経費精算システムが登場しています。自社にはどのような経費精算システムが合っているか、しっかりと見極めたうえで導入する必要があります。
本記事では、経費精算システムの機能や料金、導入のメリット・デメリットをはじめ、経費精算システムの選び方を解説します。
目次
経費精算の効率化におすすめの経費精算システム
最短1.5秒で申請完了。経費精算の面倒は自動化で極力ゼロに!申請・承認・経理業務をAIがサポート。freee経費精算は会社規模や業種を問わず、幅広い企業におすすめの経費精算システムです。
経費精算システムの機能
経費精算システムとは、会社の事業活動において発生した経費の申請から承認までの工程を効率化するシステムのことです。主に社内備品の購入費用や交通費・出張旅費など、従業員が立て替えた経費を精算する際に使われます。
従来の経費精算は、経費を立て替えた従業員が紙の申請書を提出し、関係部署が書面に捺印して承認するのが一般的でした。しかし近年、バックオフィス業務のDXが進むなかで経費精算システムを導入する企業が増え、経費精算の手間が減って以前よりもスピーディに処理できるようになっています。
また、経費精算システムの多くは会計システムとの連携が可能であるため、申請・承認する従業員側だけでなく、経理業務の担当者の業務効率化にもつながります。
機能面はシステムによって多少の違いがありますが、最近はOCR(光学文字認識技術)による領収書の自動読み取りや、自動計算などの便利な機能が搭載されているものが多くあります。
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会計システムとの違い
会計システムとは、経理業務における仕訳入力や各種帳簿記帳、決算書の作成などに特化したシステムのことです。一方の経費精算システムは、経費精算に特化しており、会計システムが担う経理業務の前段階の役割を持っているといえます。
会計システムは主に経理担当者の業務をサポートするものであるのに対し、経費精算システムは経費を申請・承認する従業員をサポートするものである点に違いがあります。
役割として違いはあるものの、経費精算システムで記録されたデータは最終的に会計システムにも引き継がれる必要があるため、システム間で連携することで、従業員側の手続きから精算処理、帳簿への反映までを一気通貫で対応できます。
経費精算システムの導入費用の相場
経費精算システムは、自社サーバーにシステムをインストールするオンプレミス型と、パソコンやスマートフォン端末から利用できるクラウド型に分類できます。どちらのタイプを選択するかによって費用は異なります。
オンプレミス型の場合は、導入の初期費用として数十万円以上かかるのが一般的です。さらに自社にあった機能をカスタムする場合は、それ以上の費用がかかります。ただし、オンプレミス型は自社サーバーに直接インストールして使うため、ランニングコストは抑えられるというメリットがあります。
注意点として、オンプレミス型の経費精算システムは、社内回線からしか利用できないケースが多いことが挙げられます。社外の使用が難しい場合、昨今のテレワークを取り入れた働き方には適さない可能性があります。
一方のクラウド型は初期費用を比較的安く抑えられることが多く、ランニングコストとして1ユーザーあたりの月額利用料が課金される料金体系になっているのが一般的です。大規模な組織向けにユーザー数を問わないプランを用意している場合もあります。
クラウド型の月額利用料の相場は、1ユーザーあたり300〜700円程度で、この他のオプション機能によって変動します。
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経費精算のペーパーレス化による効果
経費精算をペーパーレス化することにより、従来の紙での対応に比べて、さまざまな効果が得られます。紙で経費精算を行う場合とペーパーレス化する場合の比較は、下表のとおりです。
紙での経費精算の場合 | ペーパーレスの場合 | |
---|---|---|
コスト | 書類の印刷費や管理スペースにコストがかかる | 書類の印刷費がかからず、データでの保存が可能になる |
セキュリティ | 物理的な書類の紛失や持ち出しのリスクがある | バックアップのデータを取れるため紛失リスクはなく、データへのアクセス制限も設定できる |
従業員の負担 | 経費申請のために出社する必要がある | 出社しなくても経費申請ができるためテレワークしやすい |
経費精算システムを導入するメリット
経費精算システムには導入・運用に一定の費用がかかるため、メリットを理解したうえで自社にとっての費用対効果を検討する必要があります。主なメリットは以下のとおりです。
経費精算システムの導入メリット
- 従業員の経費申請を簡略化
- 承認作業の負担を軽減
- 経理業務を効率化
- 領収書などの原本保管が不要
- 不正な申請を防止
経費精算システムの導入により、従業員の業務効率の向上や不正や改ざんの防止など、組織力の強化につながる可能性があります。
従業員の経費申請を簡略化
従来の経費精算は、紙の申請書を関係部署へ手渡しで提出し、承認してもらう形式が一般的でした。このフローでは、申請書の作成や関係部署への回覧に大きな負担が生じます。
経費精算システムを導入すると、申請から承認までの手続きがすべてシステム上で完結できるため、業務フローが簡略化されます。
また、従業員が申請する際に領収書やレシートをスマートフォンで撮影すれば自動で情報を読み込む機能や、乗換案内サービスやICカードとの連携により交通費の自動計算・入力ができる機能なども活用できます。
これによって従業員の手間が省けるのはもちろん、申請書の記入漏れやミスを防ぐことが可能です。承認者や経理担当者による差し戻しや確認の負担も減り、スムーズな経費申請を実現できます。
承認作業の負担を軽減
経費精算の承認ルートは、申請後、上長や経理担当者など複数人の確認を経るのが一般的です。紙の申請書を全員に回覧していく方法では時間がかかるうえに、承認業務の多い管理職にとっては申請書の管理も煩雑になりがちでしょう。
経費精算システムを導入すると、システム上での確認・承認がワンクリックで完了するため、管理職の承認作業においても負担の解消につながります。承認のステータスも確認しやすく、優先順位をつけて作業できます。
経理業務を効率化
経理担当者は、承認された経費申請に基づき、会計システムへの仕訳反映や、金融機関の振込データの作成・振込処理を行わなければなりません。これらをすべて手作業で行うことは大きな負担であり、処理漏れやミスが発生する可能性もあります。
経費精算システムでは、申請の際に選択した経費の項目と勘定科目を紐づけ、その後システム上で自動仕訳することが可能です。会計システムに連携していれば、仕訳データをそのまま会計システムに反映させることもできます。
さらに、振込データの作成・振込処理もシステム上で自動化できるため、経費精算にかかる経理業務の効率化を実現できます。
領収書などの原本保管が不要
電子帳簿保存法によって、領収書には最低7年間の保存が義務付けられています。しかし従業員から提出される領収書やレシートなどの証憑を原本で保管する場合、整理の手間や保管スペースの確保が必要になります。
従業員規模の大きい企業は社外の倉庫を借りる必要があるなど、数年間の証憑保管にかかる費用は少なくありません。年度が変わるごとに書類を整理する手間も生じます。
電子帳簿保存法に対応した経費精算システムを導入すれば、領収書やレシートなどを電子化して保存することが可能になり、さまざまな管理コストを削減できます。
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不正な申請を防止
経費精算システムを用いて経費精算する場合、必要な情報と証憑の有無が明確になります。そのため、架空の経費を申請したり、申請金額を偽ったりするケースが起こりづらくなります。
経費精算において、万が一、不正が発覚した場合は、関係者に膨大な負担がかかり、会社の信用性にかかわります。生産性の高い健全な会社運営を目指すうえで、システム導入はガバナンスの面からもメリットが大きいといえます。
経費精算システムを導入するデメリット
経費精算システムの導入にはメリットが大きい一方で、以下のようなデメリットも生じます。
経費精算システムの導入デメリット
- 導入・運用コストがかかる
- 社内規定やワークフローの変更が必要
- 従業員への教育が必要
これらを許容できるかどうかが、経費精算システムの導入を判断するうえで重要です。
導入・運用コストがかかる
前述のとおり、経費精算システムを導入・運用するには、オンプレミス型かクラウド型にかかわらずコストがかかります。
導入メリットを考えれば一般的に費用対効果は高いといえますが、自社の経費精算にかかっている業務負担を考慮して、十分なメリットが得られるかどうかはよく検討する必要があります。
社内規定やワークフローの変更が必要
経費精算システムを導入する場合、従来のフローが変わることになります。それに伴って、経費に関する社内規定や申請ルールなども変更が必要です。
具体的には、システムに適用したクレジットカードやICカードの指定、従業員が申請する際に不具合が生じないようなルールの策定などがあります。運用にあたって事前準備が必要になること、ルールなどの整備・周知に際して担当者の負荷がかかることは、あらかじめ認識しておきましょう。
従業員への教育が必要
アナログな経費申請に慣れている従業員は、最初はシステムの操作に戸惑うことがあるかもしれません。安定的な運用に至るまでには、従業員への教育に多少の労力がかかることを想定しておく必要があります。
経費精算システムの有効活用を促すためにも、新しいルールやワークフローを周知するだけでなく、正しくシステムを使えるように教育の場を設けることが大切です。
経費精算システムの選び方
経費精算システムを選ぶ際に、特に注目したい3つのポイントをご紹介します。
自社の業務に適したシステム
自社の業務に適したシステムかどうかの見極めは重要です。システム自体の機能がどんなに優れていても、実際の業務で活用しきれないようでは十分な費用対効果が得られません。
まずは、オンプレミス型かクラウド型のどちらが適しているかを選択したうえで、求める機能と従業員の使いやすさのバランスを考慮しながら、最適なシステムを検討する必要があります。
また、すでに自社に導入されているシステムがある場合は、それらとの連携が可能かどうかも事前に確認するべきポイントです。システム間の連携がうまくいかない場合、すべてのシステムを新しいベンダーに切り替えるなども検討しましょう。
従業員が使いやすいシステム
経費精算システムの導入時には、従業員が使いやすいかどうかも考慮しましょう。
たとえばスマートフォンに対応したシステムであれば、外出や出張の多い営業担当者でも出先から申請が可能になります。経費精算は多くの従業員が対応することになるため、システムに不慣れな人でも直感的に操作できるものを選ぶことをおすすめします。
サポート体制が整っているシステム
システムの導入時はもちろん、運用していくなかでも不具合が生じる可能性があります。
導入・運用におけるサポート体制が整備されているベンダーであれば、万が一トラブルが起きた場合もすぐに対処してもらえるため安心です。
法改正に対応したシステム
経費精算は、税法をはじめとする各種法令に深く関わるため、システムが最新の法改正に対応しているかどうかも重要なポイントです。たとえば、電子帳簿保存法への対応が挙げられます。
現時点で最新の法令に対応していることはもちろん、将来的な法改正にもリアルタイムで対応できそうかどうかも確認しましょう。ベンダーの実績から過去の対応を確認する、法改正に関する積極的な情報発信をしているかを確認するといった方法が有効です。
まとめ
経費精算システムの導入は、全社的な業務負担の軽減やコストの削減、ガバナンスの強化につながります。
近年はさまざまな経費精算システムが登場していますが、自社の実態に合った機能を備えているか、従業員の働き方に合っているかといった観点から、最適なシステムを見極めましょう。
面倒な経費精算を秒速で終わらせる方法
経費精算は、「面倒だ・手間だ」という声をよく聞きます。
紙のレシートの保管が面倒、申請するのが手間、業務が忙しくて後回しになってしまう、申請内容の確認が手間、承認のやり取りに手間がかかる、入力ミスでの差し戻しでのコミュニケーションに時間がかかる、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応に時間がかかる・・・など、申請者・承認者、経理担当とそれぞれに課題があり、負荷がかかりがちな業務です。
経費精算の業務は、経費精算システムを導入することで、申請から承認、処理・保存までラクな仕組みに変えられます。
freee経費精算では経費精算に関わる業務をAIがサポートし、経理担当者はもちろん、申請をする従業員、承認をする上司にも多くのメリットがあります。また、会社規模や業種を問わず、幅広い企業の経費精算を効率化できます。
<freee経費精算の機能例>
- スマホアプリ利用で最短1.5秒で経費申請が完了。紙の保管負荷を削減
- 高精度AI-OCRの自動処理で、明細も含めてAIが入力を行うので手入力ミス自体を削減
- 証憑重複自動チェックで差し戻し自体を削減 etc...
より詳しくサービスについて知りたい方は、ダウンロード資料をご覧ください。
よくある質問
経費精算システムの機能は?
経費精算システムとは、会社が事業を行うために発生した経費の申請から承認までの工程を効率化するシステムのことです。
詳しくは記事内「経費精算システムの機能」をご覧ください。
経費精算システムの費用相場は?
経費精算システムの費用は、オンプレミス型かクラウド型かで大きく異なります。オンプレミス型の場合は、導入の初期費用として数十万円以上かかるのが一般的です。
クラウド型は、ランニングコストとして1ユーザーあたりの月額利用料が課金される料金体系になっていることが多く、相場は1ユーザーあたり300~700円程度です。
詳しくは記事内「経費精算システムの導入費用の相場」をご覧ください。