経費精算の基礎知識

Amazonの領収書は経費精算に使える?発行方法やダウンロードできないケースを解説

監修 前田 昂平(まえだ こうへい) 公認会計士・税理士

Amazonの領収書は経費精算に使える?発行方法やダウンロードできないケースを解説

Amazonで購入した商品でも、領収書があれば経費精算に使うことができます。ただし、Amazonから届く商品には、領収書が同梱されません。Amazonで購入した商品の領収書が必要な場合には、PCやスマホからAmazonの該当ページから領収書を発行できます。

本記事では、Amazonの領収書の発行方法や、領収書がダウンロードできないケース、インボイス発行が可能なケースなどをわかりやすく解説します。

目次

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Amazonの購入商品を経費精算するには領収書が必要

Amazonで購入した商品を経費精算するには、領収書の取得が必要です。領収書があれば、経費として計上可能です。Amazonでの領収書の取得方法については、後述します。

領収書については、別記事「領収書はなぜ必要?もらう意味や発行が必要なケースなどわかりやすく解説」で詳しく解説しているのでご覧ください。

Amazonの領収書と請求書の違い

請求書は相手にお金を請求する書類のことで、Amazonでは支払い前に発行されます。一方、領収書は相手から支払いを受けた後に代金を受領したことを証明する書類を指し、支払い後に発行されます。

つまり、Amazonの請求書と領収書の違いは、発行されるタイミングです。法律上、請求書の発行義務はありませんが、トラブル回避のために請求書を発行するケースが一般的です。請求書は領収書の代わりにはならないので、注意してください。

また、クレジットカード決済の場合は領収書の発行義務がありません。ただし、民法第486条では「弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。」と定められているため、金銭の受け渡しが生じた場合は支払った側が領収書の発行を請求することができます。


出典:e-Gov法令検索「民法第四百八十六条」

Amazonの領収書の発行方法

Amazonでは、届いた商品に領収書は同梱されていません。領収書を発行する際は、PCやスマホを使って注文履歴から手続きをする必要があります。

また、発行する領収書には宛名が記載されていないため、ダウンロードして印刷した後に自分で記載しなければなりません。

PCの場合

PCでは以下の手順で領収書を取得します。

  1. トップページの右上にある「注文履歴」をクリック
  2. 領収書を取得したい注文の「商品を表示」をクリック
  3. 「注文内容を表示」をクリック
  4. 「領収書等」から「領収書/購入明細書」を選択
  5. 領収書が表示される

スマホの場合

スマホを使って領収書を取得する場合は、以下の手順となります。

  • トップページの右上にある「人マーク」をタップ
  • 「アカウントサービス」から「注文履歴」の「注文の追跡と管理」を選択
  • 領収書を取得したい注文をタップ
  • 「注文内容を表示」をタップ
  • 「領収書/購入明細書の表示」をタップ
  • 領収書が表示される

Amazonの領収書を発行できないケース

Amazonのスマホアプリや特定の支払い方法では、Amazonの領収書は発行できません。また、領収書の発行ができる場合でも、商品が未発送の場合は発行できないので注意が必要です。

Amazonのスマホアプリの場合

AmazonはWeb版とアプリ版があり、領収書の発行が可能なのはWeb版のみです。そのため、Amazonのスマホアプリからは領収書の発行はできません。

領収書を発行したい場合は、Webサイトからアクセスしましょう。

特定の支払い方法の場合

支払い方法によっては、Amazonの領収書を発行できないケースがあるので、注意してください。

領収書発行が可能な支払い方法は、以下のとおりです。

Amazonで領収書発行が可能な支払い方法

  • クレジットカード
  • 携帯決済
  • あと払い(ペイディ)など

一方、Amazonから領収書の発行ができない支払い方法は以下のとおりです。

Amazonで領収書発行ができない支払い方法

  • コンビニ払い
  • ATM払い
  • ネットバンキング
  • 電子マネー
  • 代金引換など

これらの支払い方法を選択した場合は、支払先のコンビニやATM、ネットバンキング、電子マネーサービスなどが発行する領収書で経費計上しましょう。代金引換の場合は、配送業者が発行する領収書を利用してください。

商品が未発送の場合

購入した商品が未発送の場合は、領収書を発行できません。Amazonでは、商品が発送されたと同時に決済が行われます。そのため、商品発送後にWebサイトから領収書を発行できます。

Amazonでインボイス(適格請求書)発行が可能なケース

Amazonでインボイス(適格請求書)発行が可能なケースは、以下のとおりです。

Amazonでインボイス(適格請求書)発行が可能なケース

  • Amazonが販売する商品を購入した場合
  • 適格請求書発行事業者の出品者から商品を購入した場合

なお、Amazonビジネスのアカウントを利用すると、注文履歴もしくは購入データのページからすぐにインボイスが取得できます。

Amazonが販売する商品を購入した場合

Amazonを運営するアマゾンジャパン合同会社は、適格請求書発行事業者です。そのため、Amazonが販売する商品を購入した場合は、インボイスが発行できます。

適格請求書発行事業者の出品者から商品を購入した場合

Amazonが販売する商品ではなくても、Amazonマーケットプレイスの出品者が適格請求書発行事業者であれば、インボイスの発行が可能です。インボイスを発行するために必要な手続きはなく、通常と同じように領収書を発行するだけで問題ありません。

一方、出品者が適格請求書発行事業者登録番号をAmazonに提出していない場合は、インボイスを発行できません。

つまり、Amazonマーケットプレイスの出品者から購入する場合には、取引相手が適格請求書発行事業者か否かによってインボイスが発行できるかどうかが決まります。

Amazonビジネスのアカウントを利用している場合は、あらかじめ適格請求書発行事業者に絞り込んで商品を探すなど、便利な機能もあります。

Amazonの領収書は電子帳簿保存法が適用される

電子帳簿保存法の対象となる電子取引は、取引情報の授受を電子メールやWebサイトからのダウンロードによって行う取引です。よって、Amazonの取引も電子取引の対象となり、領収書を電子データのまま保管する義務が発生します。

なお、電子帳簿保存法の改正前は、領収書を印刷して書面として保存することが可能でしたが、現在は書面による保存は認められていません。電子取引の領収書は電子データで保管する義務があり、電子取引に区分されるAmazonの領収書も例外ではないのです。Amazonで授受した領収書などは、電子データのまま保存しておきましょう。

【関連記事】
電子領収書とは?発行方法やデータ保存するメリット、注意点を解説

Amazonの購入商品を経費精算するときの注意点

Amazonの購入商品を経費精算するときの注意点は、以下のとおりです。

  • まとめて購入した場合は領収書を分割発行できない
  • 領収書の保存期間を過ぎるとダウンロードできなくなる
  • 同じ領収書を2回以上取得すると「再発行」と記載される

まとめて購入した場合は領収書を分割発行できない

Amazonでは、1回の注文に対して領収書がひとつ発行されます。1回の注文でまとめて商品を購入した場合は、領収書の分割発行ができません。もし、商品ごとに領収書が必要な場合は、分けて購入するようにしてください。

領収書の保存期間を過ぎるとダウンロードできなくなる

Amazonの領収書の保存期間は10年です。10年を過ぎるとダウンロードできなくなるため、注意してください。購入明細書や請求書なども同様で、保存期間内であれば再度ダウンロードすることができます。

もし、10年以上領収書を保管しておく場合は、自社管理をするなどAmazonとは異なる場所でデータを保存しておきましょう。

同じ領収書を2回以上取得すると「再発行」と記載される

前述のとおり、Amazonの領収書は保存期間内であれば何度でも発行可能です。また、2回以上領収書を発行すると、その領収書には「再発行」と記載されます。

再発行と記載された領収書も経費精算などに使用できますが、領収書を何回も発行すると二重計上や経費の水増しなどを疑われる可能性があるので、注意してください。

水増し請求については、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】
水増し請求は税務調査でバレる?発覚した場合の法的責任や防止するポイントを解説

ほかのECサイトの領収書発行方法

Amazon以外の「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」といった、ほかのECサイトでも領収書の発行は可能です。

なお、各ストアでの領収書発行手順を記載していますが、「領収書発行」などが表示されない場合や、印刷ボタンを押しても印刷できない場合は直接各ストアに問い合わせてください。

楽天市場

楽天市場で領収書を取得する手順は、以下のとおりです。

  1. トップページの右上にある「購入履歴」をクリック
  2. 「購入履歴」の「注文詳細」をクリック
  3. 「領収書・請求書」の「宛名」に宛名を入力
  4. 「発行する」をクリック
  5. 領収書が発行される

Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングで領収書を取得する手順は、以下のとおりです。

  • トップページの右上にある「注文履歴」をクリック
  • 購入商品の右にある「領収書発行」をクリック
  • 領収書が表示される

まとめ

領収書があれば、Amazonで購入した商品も経費として計上できるため、PCやスマホを使ってWebサイトの注文履歴から発行手続きをしてください。その際は、スマホアプリや特定の支払い方法、商品が未発送の場合は領収書が発行できないので、注意しましょう。

また、Amazonの領収書は電子帳簿保存法が適用されるため、電子データのまま保存しておく必要があります。領収書の保存期間が過ぎるとダウンロードできなくなるので、Amazonの領収書発行のルールをしっかりと把握して、経費精算時は速やかに領収書を発行してください。

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よくある質問

Amazonで領収書はどうやって発行する?

Amazonで領収書を発行する際は、PCやスマホを使って注文履歴から手続きをします。なお、発行する領収書には宛名が記載されていないため、ダウンロード(印刷)後に自分で記載しましょう。

詳しくは記事内「Amazonの領収書の発行方法」をご覧ください。

Amazonの領収書と請求書の違いは?

Amazonの請求書と領収書の違いは、発行されるタイミングです。請求書は相手にお金を請求する書類のことで、支払い前に発行されます。一方、領収書は相手から支払いを受けた後に代金を受領したことを証明する書類を指し、支払い後に発行されます。

詳しくは記事内「Amazonの領収書と請求書の違い」をご覧ください。

Amazonの領収書はスマホからダウンロードできる?

AmazonはWeb版とアプリ版があり、領収書の発行が可能なのはWeb版のみです。そのため、スマホアプリからはダウンロードできませんが、スマホでもWebサイトであればダウンロードはできます。

詳しくは記事内「Amazonの領収書を発行できないケース」と「スマホの場合」をご覧ください。

監修 前田 昂平(まえだ こうへい)

2013年公認会計士試験合格後、新日本有限責任監査法人に入所し、法定監査やIPO支援業務に従事。2018年より会計事務所で法人・個人への税務顧問業務に従事。2020年9月より非営利法人専門の監査法人で公益法人・一般法人の会計監査、コンサルティング業務に従事。2022年9月に独立開業し現在に至る。

前田 昂平

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