取引先に対して請求書の送付を依頼することは日常的な業務であり、しっかりと管理を行う必要があります。しかし、取引先の数が多いほど管理も煩雑となってしまい、業務の負担を感じてしまうこともあるものです。請求書業務における課題点を洗い出したうえで、必要な対策を講じて効率化していくことが欠かせません。今回は、請求書の送付依頼における注意点を各文例などを交えながら解説します。
目次
請求書の送付依頼の重要性
請求書を取引先に作成してもらい、しっかりと管理することは企業にとってリスク管理の面で重要な意味を持ちます。請求書が正しく処理されていなければ、取引の実態を客観的に示すことができず、決算処理などにおいて悪影響を及ぼします。
また、請求書の送付を依頼することで期日通りに経理処理を進められるため、スムーズな業務の遂行が可能になります。繁忙期などは取引先も請求書を作成し忘れている場合もあるため、あらかじめ送付依頼を行っておくことでミスを防げます。
請求書の処理が遅れることで、支払いの遅れにもつながり、取引先にとってもマイナスとなります。そのため、事前に請求書の遅延によるデメリットを取引先に示して、できるだけ速やかに対応してもらえるようにお願いしましょう。
請求書の送付依頼前の確認事項
請求書の送付依頼は気づいたときにすぐ連絡するのが良いですが、連絡手段によっては取引先との行き違いに気をつける必要があります。書面やメールの場合、取引先が内容を確認するまでにタイムラグが生じてしまう恐れがあるからです。
書面やメールを送付する前に、取引先から請求書が送られてきていないかを確認しましょう。そして、請求書の送付依頼の文面にも「本状と行き違いの場合は、何卒ご容赦ください」といった一文を盛り込んでおくほうが良いでしょう。
請求書の送付依頼の注意点
取引先に請求書の送付依頼をするときは、失礼がないように伝えることが大切です。こちら側には取引先の状況がわからないため、事務的な対応をしてしまうと悪い印象を与えてしまう可能性があります。
「お忙しいところ恐れ入りますが」といった配慮を忘れずに、請求書の送付をお願いしてみましょう。また、請求書が送られてきたものの、金額訂正や内容の変更などで修正を依頼するケースもあります。
請求書の再発行をお願いするときは、修正箇所を端的に示したうえで、丁寧にお願いをすることが大事です。相手のミスを指摘するのではなく、「お伝え漏れがあり、大変恐縮ですが」といった文言を盛り込むようにしましょう。
文例・テンプレート
請求書の送付依頼は、依頼内容を的確に伝えることが大事ですが、連絡方法によって柔軟に書式を変えることも大切です。ここでは、連絡方法ごとの文例を紹介しますので参考にしてみてください。
メール
メールで連絡する場合は、長文になってしまうと読み流されてしまう恐れがあるので、手短に要件をまとめるのがポイントです。文例としては、以下のようになります。
株式会社〇〇
△△様
平素は大変お世話になっております。
株式会社■■の●●です。
5月分の御請求書の件で、ご連絡いたしました。
御社からの御請求書がまだ弊社に到着しておらず、念のため確認のメールをさせていただきました。
誠に勝手ながら経理処理の都合上、6/15までに弊社までお送りいただけますでしょうか。
それ以降のご到着となりますと、御社へのご入金が遅れる可能性もございます。
なお、すでにご送付いただき、本メールと行き違いとなっております場合は何卒ご容赦ください。
どうぞよろしくお願いいたします。
株式会社■■
●●
郵送(書面)
書面で請求書の送付依頼を行う場合は、取引先の誰が書面を確認するかわからないため、メールよりも形式的な文面にするほうが無難です。書面で郵送するときの文面としては、次の通りです。
請求書ご送付のお願い
株式会社〇〇
△△様
拝啓
時下、貴社におかれましては益々ご清祥のことと存じます。
さて、早速ではございますが当社注文番号No.XXXXにつきまして無事検収の運びとなっておりますので、請求書をご送付いただけますようお願い申し上げます
当社では経理処理の都合上、毎月15日を締日としておりますので、それまでに請求書が到達いたしますと当月末日のご入金が可能です。
お忙しいところ大変恐れ入りますが、ご対応のほど、よろしくお願い申し上げます。
なお、本状と行き違いでご郵送いただけております場合は、何卒ご容赦ください。
敬具
催促
請求書の期日を過ぎても取引先から送付されてこない場合は、催促の連絡をすることになります。ここでは、メールで催促する場合の例を見ていきましょう。
株式会社〇〇
△△様
いつもお世話になっております。
株式会社■■の●●です。
さて、5月に御社からご納品頂きました代金の請求書が未だ届いておりません。
お手数ではございますが、ご確認の上、請求書をお送りいただけますと幸いです。
弊社では毎月15日締め、当月末日払いとさせていただいておりますので、締日を過ぎますとお支払いは翌月となってしまいます。
誠に恐縮ではございますが、その旨あらかじめご承知おきください。
なお、本メールと行き違いにてお送り頂いておりましたら、何卒ご容赦ください。
ご不明な点などございましたら、担当●●までお問い合わせ頂ければと思います。
以上、よろしくお願い申し上げます。
株式会社■■
●●
再発行依頼(内容変更、金額訂正)
取引先から請求書が送られてきても、金額に誤りがあったり、内容を修正してもらったりする必要があるケースがあります。その場合にメールを送るときは、次のような内容で連絡をしてみましょう。
株式会社〇〇
△△様
平素は大変世話になっております。
株式会社■■の●●です。
さて、御社からお送り頂きました5月分の御請求書につきまして、金額に誤りがありましたのでご連絡いたしました。
注文番号No.XXXXにつきまして、正しいご請求金額は「XXX,XXX円」です。
こちら大変お手数ではございますが、金額部分を修正の上、御請求書を再度お送りいただけますでしょうか。
経理処理の都合上、6月15日までにお送り頂けると大変助かります。
なお、期日を過ぎてしまいますと来月のお振込みとなってしまいますので、あらかじめご承知おきください。
本メールをご確認頂けましたら、ご連絡をいただけますと幸いです。
要件のみで恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社■■
●●
請求書業務における様々な課題
請求書の処理業務においては、取引先が請求書をなかなか送ってきてくれなかったり、内容に誤りがあったりと、思うように業務が進まないことがあります。日常的に行う業務ほど、効率化するためのサービスを導入することが欠かせません。
請求書のスマートな回収や発行なら
freee業務委託管理を活用すれば、請求書業務における様々な課題を解決できます。クラウド上で取引先との情報共有をスムーズに行えるため、請求書の内容に誤りがあっても、すぐに確認依頼を行えます。
請求書業務に必要な情報を一元化できるので、複数のツールを使う必要がありません。freee業務委託管理でやりとりを行えば、複数の取引先とも円滑にコミュニケーションを図れます。
まとめ
請求書業務は適切に行う必要がありますが、取引先から請求書が送られてこなかったり、内容に間違いがあったりすれば、業務負担は増してしまいます。あらかじめ請求書の送付依頼を送ることで、ミスを減らすことが可能です。しかし、複数の連絡手段を用いて請求書業務を行うのは大変でもあります。freee業務委託管理を活用して、請求書のやりとりに必要な情報を一元化し、クラウド上で円滑に管理してみましょう。
フリーランス・業務委託先への発注を効率化する方法
フリーランスや業務委託先との取引が多い企業にとって、手間がかかるのが発注業務です。
一口に発注業務といっても、契約や発注、請求など対応すべき作業は多岐にわたり、管理が行き届かないケースがあります。たとえば、法令にもとづく適切な発注ができていなかったり、請求書の提出期日が守られなかったり、請求書の不備で差し戻しが発生したりなどの課題が挙げられるでしょう。
このような課題を抱えている発注担当者におすすめしたいのが、業務委託管理システム「freee業務委託管理」です。
freee業務委託管理を活用すると、フリーランスや業務委託先への発注に関する手続きや取引情報のすべてを一元管理できるようになります。契約締結から発注、業務期間のやり取り、納品、検収、請求、支払いまで、一連の対応をクラウド上で完結できるため、管理コスト削減や業務効率化、取引に関するトラブルのリスク低減などのメリットをもたらします。
また、フリーランスや業務委託先との過去の取引履歴や現在の取引状況の管理も可能です。発注実績や評価を社内共有しやすく、業務委託の活用による従業員のパフォーマンス向上が期待できます。
freee業務委託管理の主な活用メリットは以下のとおりです。
発注に関わる手続きや取引情報を一元管理
クラウド上で契約完了
初めて取引を行うフリーランスや業務委託先と契約を締結する際、freee業務委託管理を使えば、クラウド上でのスムーズなやり取りが可能です。
契約書はそのままクラウド上に保管されるため、契約情報をもとに発注内容を確認したり、契約更新時のアラート通知を受け取ったりすることもできます。
発注対応や業務進捗を可視化
発注書の作成・送付は、フォーマットに業務内容や報酬、納期などを入力するだけで完了します。
また、発注業務をメールや口頭でのやり取りで行っていると、管理上の手間がかかるのはもちろん、発注内容や業務進捗などを把握しづらいこともあるでしょう。freee業務委託管理は発注内容が可視化され、プロジェクトの業務進捗や残予算をリアルタイムに把握するうえでも役立ちます。
正確な請求管理を実現
発注業務でもっとも忘れてはならないのが、請求管理です。報酬の支払い漏れや遅延は企業の信用に関わるため、情報の一元管理によって正しく効率的に行う必要があります。freee業務委託管理ならフリーランスや業務委託先が請求書を発行する際も、ワンクリックで発注書に連動した請求書を作成可能。請求書の回収状況が一覧で確認できるほか、請求処理に関する上長や経理担当者の承認作業もクラウド上で行えます。
支払明細書の発行も可能
確定申告の際に必要な支払明細書(支払調書)も、フリーランスや業務委託先ごとに発行できます。発行した支払明細書(支払調書)はPDFでダウンロードしたり、メールで送付したりすることも可能です。
法令への対策が万全
近年、発注側の企業がフリーランスや業務委託先に対して優越的地位を濫用するリスクを防ぐため、下請法やフリーランス保護新法(2024年11月1日施行予定)にもとづく適切な発注対応が求められています。また、インボイス制度や電子帳簿保存法の要件を満たす書類の発行・保存も不可欠です。
こうした法令に反する対応を意図せず行ってしまった場合も、発注側の企業に罰則が科される可能性があるため、取引の安全性を確保する必要があります。freee業務委託管理なら既存の法令はもちろん、法改正や新たな法令の施行にも自動で対応しているため、安心して取引を行うことができます。
カスタマイズ開発やツール連携で運用しやすく
業務委託管理システムを導入する際は、発注業務の担当者が使いやすい環境を整えることも欠かせません。freee業務委託管理は、ご希望に応じて、オンプレミスとの連携や新たな機能の開発などのカスタマイズも可能です。また、LINE・Slack・Chatwork・freee・CloudSign・Salesforceなど、各種ツールとの連携もできます。
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