ふるさと納税を行うと、その寄附金額に応じて確定申告の際に控除が受けられることをご存じでしょうか?
ふるさと納税のしくみやメリット、また個人事業主がふるさと納税をした際の、青色申告における控除額の計算方法をご紹介します。
2024年提出(令和5年分)の確定申告アップデート情報
所得税の確定申告期間:2024年2月16日(金)〜2024年3月15日(金)
消費税の確定申告期間:2024年2月16日(金)〜2024年4月1日(月)
※ 贈与税の申告・納税期間:2024年3月15日(金)まで
<2024年(令和5年分)の確定申告のポイント>
- 「源泉徴収票・国民年金基金掛金・iDeCo・小規模企業共済掛金」が追加されるなど、マイナポータル連携をすることで自動入力できる対象が増えます。
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーでも、消費税の申告書を作成できるようになる予定です。今回、インボイス登録によって課税事業者になり、消費税の納付が必要になった方はチェックしましょう!
詳しくは国税庁ホームページ「令和5年分 確定申告特集」をご参照ください。
目次
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ふるさと納税の基礎知識
ふるさと納税は、「納税」といっても税を納めるわけではありません。全国の都道府県や市区町村に一定額寄附することで、寄附金額に応じた所得税の還付や住民税の税額が控除されるしくみのことです。
過疎化が深刻な自治体に向けた改革のひとつとして、2008年から始まりました。個人事業主でもサラリーマンでも受けられる控除として、多くの人に注目され、利用されています。
ふるさと納税の特徴
では、ふるさと納税というのは具体的にどのようなものなのでしょうか?
・寄附したい自治体を自由に選べる
「ふるさと」という言葉から、自分の生まれ育った地域やゆかりのある地域を選ばないといけないと思われがちですが、そんなことはありません。全国どこでも、自分が好きな自治体を選択でき、複数選ぶことも可能です。生まれ故郷を選んでもいいですし、それ以外に応援したい地域などからも自由に選んでください。
・寄附金の使い道を指定できる
ふるさと納税をする際、どのような目的に使用してほしいかを指定することができます。教育や文化に関する事業や産業に関する事業、保険や医療、福祉に関する事業など、自治体ごとにいくつか寄附を募っている項目があり、自分が支援したい事業を選べます。何に使われるかわからないという不安がありません。
ふるさと納税のメリット
ふるさと納税には、寄附をすることによっていくつかのメリットがあります。
・税金の控除が受けられる
2,000円以上ふるさと納税を行うと、その金額に応じた税金の控除を受けることができます。寄附として支払った金額の大部分が、所得税と住民税から差し引いてもらえると考えるとわかりやすいかもしれません。ただし、限度額もありますので、のちほど紹介する計算式で確認しておきましょう。
・寄附した地域からお礼の品がもらえる
ふるさと納税の人気の理由のひとつに、寄附金額に応じて地域の特産品や加工品といったものがもらえるというのがあります。そのため、お礼の品から寄附する自治体を選んでいる人も多いようです。
ふるさと納税の申込みの方法
実際にふるさと納税はどのような手順で行うのでしょうか。
1. ふるさと納税を行いたい自治体を選ぶ
応援したい地域、お礼としてもらえる特産品、寄附の使い道などから自由に選んでください。
2. 選んだ自治体のふるさと納税申込みフォームに入力して送信
各自治体のホームページには、ふるさと納税の申込みフォームがあるはずです。そこから申込みを行いましょう。
3. 指定された納付方法で寄附金の納付を行う
自治体によって納付方法が異なるので、指定された方法で納付します。
引用元:総務省
全国のふるさと納税情報を網羅する便利なサイトもありますので、どの自治体に寄附するかを検討したいときなどは、こういったサイトを利用してみてはいかがでしょうか。申込みも簡単にできるようになっています。
寄附金の納付が完了し、自治体がその確認を終えると、以下のようなものが送られてきます。
・お礼の品
寄附金額によって、予め決められたお礼の品が送付されます。発送時期を確認しておくと良いでしょう。
・寄附金受領証明書
寄附をした自治体から「寄附金受領証明書」が送られます。この証明書は確定申告の際に必要となりますので、必ず取っておきましょう。送られてこない場合は、自治体に確認してみてください。
個人事業主のふるさと納税の計算
ふるさと納税での寄附金額によって、所得税の還付金額や住民税の控除額が決定します。個人事業主がふるさと納税を行った場合も、白色申告か青色申告で申告する必要があります。計算式は所得税と住民税で異なりますので、注意しましょう。
課税される所得金額 | 税率 | 免除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 42万7,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 63万6,000円 |
900万円超1,800万円以下 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円超4,000万円以下 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円超 | 45% | 479万6,000円 |
<住民税の控除額の計算式>
基本控除額+特例控除額(AまたはB)
・基本控除額=(寄附金額-2,000円)×10%
・特例控除額(A)=(寄附金額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)
・特例控除額(B)=住民税所得割額×20%
※(A)で計算した金額が住民税所得割額の20%を超える場合に、(B)の計算式になります。
寄附金控除の対象となる金額は、所得税は総所得の40%まで、住民税は30%までです。また、控除される金額は、収入や家族構成に応じて上限もあります。
所得税・住民税の控除額シミュレーション
それでは具体的に、控除額の計算シミュレーションをしてみましょう。
所得税率が10%の人が10,000円のふるさと納税を行った場合、所得税と住民税の控除額は下記のようになります。
<所得税控除額>
(10,000円-2,000円)×10%=800円
<住民税控除額>
基本控除:(10,000円-2,000円)×10%=800円
特例控除(A):(10,000円-2,000円)×(100%-10%(基本分)-10%)=6,400円
※特例控除(B)の計算で算出された金額が6,400円を下回ったことを前提に
つまり、10,000円のふるさと納税で、
所得税の所得控除:800円
住民税の税額控除:800円+6,400円=7,200円
が控除対象額となります。
ふるさと納税の青色申告時の記入方法
青色申告をする際は、ふるさと納税を行ったあとに送られてくる「寄附金受領証明書」を基に、確定申告書の寄附金控除の欄に金額を記入します。
記入するのは、「寄附金額-2,000円」または、「所得金額の合計×40%」のいずれか少ないほうの金額となります。また、ふるさと納税以外にも寄附を行っている場合には、それらも合算する必要があります。
確定申告を簡単に終わらせる方法
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに正確な内容の書類を作成し申告しなければいけません。
確定申告書を作成する方法は手書きのほかにも、国税庁の「確定申告等作成コーナー」を利用するなどさまざまですが、会計知識がないと記入内容に悩む場面も出てくるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、確定申告ソフト「freee会計」の活用です。
freee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。必要な計算は自動で行ってくれるため、計算ミスや入力ミスを軽減できます。
ここからは、freee会計を利用するメリットについて紹介します。
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さらに有料プランでは、チャットで確定申告について質問ができるようになります。オプションサービスに申し込めば、電話での質問も可能です。
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3.〇✕形式の質問に答えると、各種控除や所得税の金額を自動で算出できる!
各種保険やふるさと納税、住宅ローンなどを利用している場合は控除の対象となり、確定申告することで節税につながる場合があります。控除の種類によって控除額や計算方法、条件は異なるため、事前に調べなければなりません。
freee会計なら、質問に答えることで控除額を自動で算出できるので、自身で調べたり、計算したりする手間も省略できます。
4.確定申告書を自動作成!
freee会計は取引内容や質問の回答をもとに確定申告書を自動で作成できます。自動作成した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告は完了です。
また、freee会計はe-tax(電子申告)にも対応しています。e-taxからの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。
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完成した確定申告書を提出・納税して確定申告が完了!
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まとめ
ふるさと納税は2,000円の自己負担は必要ですが、寄附した額の一部は所得税や住民税から控除される上、寄附金額に応じてお礼の品をもらえるのが魅力です。地域活性化のお手伝いをしつつ、メリットもあるのはうれしいですね。控除額には上限がありますので、自分の限度額と照らし合わせながら利用してみてください。
よくある質問
個人事業主がふるさと納税をするメリットとデメリットは?
メリットは「税金の控除が受けられる」ことと「寄附した地域からお礼の品がもらえる」ことです。反対にデメリットは「控除を受けるためには確定申告をする手間が増える」ことです。詳しくはこちらで解説しています。
ワンストップ特例制度とは?
ふるさと納税により寄付金控除を受ける場合には、原則として確定申告が必要です。しかし、条件さえ満たせば確定申告なしで税額控除が受けられる制度が「ふるさと納税ワンストップ特例制度」です。詳しくはこちらで解説しています。