青色申告の基礎知識

青色申告の期限はいつまで?青色申告承認申請書の提出期限も解説

監修 安田亮 安田亮公認会計士・税理士事務所

青色申告の期限はいつまで?青色申告承認申請書の提出期限も解説

青色申告では最大65万円の特別控除をはじめ、白色申告にはないメリットが受けられます。青色申告を含め確定申告の期限は、3月15日までです。

期限に遅れると期限後申告の扱いとなり、無申告加算税や延滞税が課せられます。申告期間内に遅れずに申告するためにも、事前に準備を進めておくことが大切です。

本記事では、青色申告の期限や初めて青色申告するときに事前に提出する青色申告承認申請書の期限について解説します。

目次

2024年提出(令和5年分)の確定申告アップデート情報

所得税の確定申告期間:2024年2月16日(金)〜2024年3月15日(金)
消費税の確定申告期間:2024年2月16日(金)〜2024年4月1日(月)
※ 贈与税の申告・納税期間:2024年3月15日(金)まで

<2024年(令和5年分)の確定申告のポイント>

  1. 「源泉徴収票・国民年金基金掛金・iDeCo・小規模企業共済掛金」が追加されるなど、マイナポータル連携をすることで自動入力できる対象が増えます。
  2. 国税庁の確定申告書等作成コーナーでも、消費税の申告書を作成できるようになる予定です。今回、インボイス登録によって課税事業者になり、消費税の納付が必要になった方はチェックしましょう!

詳しくは国税庁ホームページ「令和5年分 確定申告特集」をご参照ください。

青色申告とは

青色申告は、複式簿記(または簡易簿記)で帳簿付けをして確定申告をする方法です。

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があり、青色申告では、最大65万円の特別控除、青色事業専従者給与、純損失の繰越控除・繰戻還付など白色申告にはない特典があります。

青色申告の期限はいつまで?

青色申告での確定申告の期限は翌年の3月15日までです。

確定申告では、青色申告も白色申告も1月1日から12月31日までに生じた所得とそれに対する所得税の金額を、翌年の2月16日から3月15日の間に申告します。

なお、3月15日が土日・祝日だった場合については、翌平日が確定申告の期限です。

災害などのやむをえない事情での期限延長について

災害などのやむをえない事情で確定申告の期限(翌年の3月15日まで)に間に合わない場合は「災害による申告、納付等の期限延長申請」をすれば期限の延長が可能です。

申請は、e-Taxソフトで申請書を作成・提出するか、国税庁ウェブサイトから「災害による申告、納付等の期限延長申請書」をダウンロードして印刷・記入のうえで税務署に提出します。

確定申告を忘れたときはどうすればいい?

確定申告を忘れた場合は、気付いた時点でなるべく早く申告をしましょう。3月16日以降の申告は期限後申告の扱いとなり、無申告加算税や延滞税が課せられます。

また、期限後申告の場合は青色申告特別控除額が10万円になることも覚えておきましょう。

無申告加算税は、納付すべき税額に対して以下の割合です。税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合は一律5%です。


50万円までの部分50万円を超え300万円までの部分300万円を超える部分
基本割合15%20%30%
税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合5%5%5%
調査の事前通知の後に期限後申告をした場合10%15%25%

延滞税は、期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する金額が課されます。延滞税の割合は以下の通りです。


延滞税の年率
納税期限の翌日から2ヶ月を経過する日まで以下のいずれか低い割合の方
・原則7.3%
・延滞税特例基準割合※+1%
※2024年1月1日~12月31日の場合は年率2.4%
納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後以下のいずれか低い割合の方
・原則14.6%
・延滞税特例基準割合※+7.3パーセント
※2024年1月1日~12月31日の場合は年率8.7%

ただし、期限後申告であっても以下の要件をすべて満たす場合、無申告加算税は化されません。

  1. その期限後申告が、法定申告期限から1か月以内に自主的に行われていること。
  2. 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。

なお、一定の場合とは、次の(1)および(2)のいずれにも該当する場合をいいます。

出典:国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」

青色申告を始めるためには「青色申告承認申請書」の提出が必要

青色申告を始める方については、所定の期限内に「青色申告承認申請書」の提出が必要です。

なお、事業を始めた人は、開業から1ヶ月以内に開業届の提出も必要です。開業届を提出するタイミングで青色申告承認申請書の提出も済ませておくとよいでしょう。

青色申告承認申請は、e-Taxソフト(WEB版)の「マイページ」から申請が可能です。開業届もe-Taxソフトで届出書を作成の上、e-Taxから提出できます。

なお、青色申告承認申請書や開業届は、国税庁ウェブサイトからPDFをダウンロードの上、印刷・記入して提出することもできます。

【関連記事】
青色申告承認申請書と開業届は提出期限あり!書き方と提出方法を解説

青色申告承認申請書の期限はいつまで?

申告する年の3月15日までが青色申告承認申請書の期限です。

ただし1月16日以降に開業した場合は、開業日から2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出すれば、その年に青色申告ができます。

前年以前やその年の1月15日までに開業した場合はすべて3月15日が期限です。

たとえば、2024年1月1日~12月31日分の確定申告の場合、期限は以下の通りです。

青色申告承認申請書の期限

  • 2024年1月15日までに開業の場合:2024年3月15日が期限
  • 2024年1月16日以降に開業の場合:開業日から2ヶ月以内が期限

青色申告の取り消しができる期限はいつまで?

青色申告の承認を受けていた人が、青色申告書による申告を取りやめるためには青色申告の取りやめ手続が必要です。青色申告の取りやめ手続の期限は、青色申告を取りやめようとする年の翌年3月15日までです。

青色申告の取りやめはe-Taxソフトで届出書を作成の上、e-Taxにより提出して手続きができます。「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を国税庁ウェブサイトからPDFでダウンロードして印刷・記入のうえ、税務署に提出して手続きすることも可能です。

青色申告の主なメリット

青色申告の主なメリットについても確認しておきましょう。

青色申告のメリット

  • 最大65万円の特別控除が受けられる
  • 家族への給与を経費にできる
  • 赤字の繰り越し・繰り戻しができる
  • 30万円未満の資産取得の際に一括で経費計上できる

それぞれのメリットについて以下で解説します。

最大65万円の特別控除が受けられる

青色申告では、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。

以下の条件をすべて満たすことで、55万円の特別控除が受けられます。


  • ・事業所得または不動産所得(不動産所得のみの場合は、不動産の貸付が事業的規模である必要がある)を得る事業を行っていること
  • ・複式簿記で記帳していること
  • ・確定申告時に青色申告決算書(貸借対照表と損益計算書)を添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、その年の確定申告期限までに当該申告書を提出すること。

さらにe-Taxによる電子申告または電子帳簿保存を行うと、最大額の65万円の特別控除が受けられます。白色申告では特別控除を受けることはできません。

家族への給与を経費にできる

青色申告では、配偶者や親族への給与(青色事業専従者給与)を必要経費として計上できます。家族への給与を経費に計上することで、所得税の節税が可能です。

家族への給与を経費にできる条件は、以下の通りです。

家族への給与を経費にできる条件

  • 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること
  • その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること
  • 6ヶ月を超える期間、青色申告者の営む事業に専ら従事していること
  • 青色事業専従者給与の額が労務の対価として相当であること

なお、青色事業専従者給与として経費に計上するためには、「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。

「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出期限は、青色事業専従者給与額を算入しようとする年の3月15日まで(1月16日以降に開業または新たに専従者を追加する場合は、開業や追加の日から2ヶ月以内)までです。

赤字の繰り越し・繰り戻しができる

青色申告をした年の赤字は、翌年以降3年間にわたって繰り越しが可能です。赤字を繰り越すことで翌年以降の黒字と相殺でき、支払う税額が抑えられます。

また、青色申告をした年の赤字は、前年へ繰り戻しも可能です。前年の黒字と相殺することで、すでに納めた所得税との差額分の還付が受けられます。

30万円未満の資産取得の際に一括で経費計上できる

青色申告では、30万円未満の固定資産は、少額減価償却資産の特例により一括で経費計上できます。ただし10万円未満のものでも、少額減価償却資産の特例を用いることも可能です。

白色申告の場合は、仕事で使う10万円以上のパソコンなどを購入した場合は減価償却が必要です。

まとめ

青色申告を含む確定申告の期限は、翌年の3月15日までです。

なお、青色申告を始める人は、申告する年の3月15日まで(1月16日以降に開業した場合は開業日から2ヶ月以内)に青色申告承認申請書の提出が必要です。

確定申告は期限に遅れると、期限後申告の扱いとなり、無申告加算税や延滞税が課せられます。期限に遅れないためには、早めに準備を進めておくことが大切です。

確定申告を簡単に終わらせる方法

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。どちらを選択するにしても、期限までに正確な内容の書類を作成し申告しなければいけません。

確定申告書を作成する方法は手書きのほかにも、国税庁の「確定申告等作成コーナー」を利用するなどさまざまですが、会計知識がないと記入内容に悩む場面も出てくるでしょう。

そこでおすすめしたいのが、確定申告ソフト「freee会計」の活用です。

freee会計は、〇✕形式の質問で確定申告に必要な書類作成をやさしくサポートします。必要な計算は自動で行ってくれるため、計算ミスや入力ミスを軽減できます。
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溜め込んだ経費も自動入力でカンタン!

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freee会計は、現金での支払いも「いつ」「どこで」「何に使ったか」を家計簿感覚で入力できるので、毎日手軽に帳簿づけが可能です。自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、初心者の方でも安心できます。


freee会計 管理画面の例1

さらに有料プランでは、チャットで確定申告について質問ができるようになります。オプションサービスに申し込めば、電話での質問も可能です。

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3.〇✕形式の質問に答えると、各種控除や所得税の金額を自動で算出できる!

各種保険やふるさと納税、住宅ローンなどを利用している場合は控除の対象となり、確定申告することで節税につながる場合があります。控除の種類によって控除額や計算方法、条件は異なるため、事前に調べなければなりません。

freee会計なら、質問に答えることで控除額を自動で算出できるので、自身で調べたり、計算したりする手間も省略できます。


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4.確定申告書を自動作成!

freee会計は取引内容や質問の回答をもとに確定申告書を自動で作成できます。自動作成​​した確定申告書に抜け漏れがないことを確認したら、税務署へ郵送もしくは電子申告などで提出して、納税をすれば確定申告は完了です。

また、freee会計はe-tax(電子申告)にも対応しています。e-taxからの申告は24時間可能で、税務署へ行く必要もありません。青色申告であれば控除額が10万円分上乗せされるので、節税効果がさらに高くなります。

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完成した確定申告書を提出・納税して確定申告が完了!

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余裕をもって確定申告を迎えるためにも、ぜひfreee会計の利用をご検討ください。

よくある質問

青色申告の期限は?

青色申告での確定申告の期限は翌年の3月15日です。確定申告では、青色申告も白色申告も1月1日から12月31日までに生じた所得とそれに対する所得税の金額を、翌年の2月16日から3月15日の間に申告します。

青色申告の期限を詳しく知りたい方は「青色申告の期限はいつまで?」をご覧ください。

青色申告承認申請書の期限は?

申告する年の3月15日までが青色申告承認申請書の期限です。ただし1月16日以降に開業した場合は、開業日から2ヶ月以内が期限です。

青色申告承認申請書の期限を詳しく知りたい方は「青色申告承認申請書の期限はいつまで?」をご覧ください。

監修 安田 亮(やすだ りょう)

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

監修者 安田亮

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