経理業務を効率化するために誕生したのが会計ソフトです。
企業の経理業務では口座の入出金明細と売上、支払情報を1円の誤差もないようにつきあわせる必要があります。紙で管理をしていた時代は、仕訳した数字が合わず、誤差を探すために何時間も使うことも少なくありませんでした。
しかし、会計ソフトの誕生で誰でも簡単に経理作業ができるようになりました。業務を効率化するためにも、ぜひ会計ソフトを活用したいところです。
本記事では、会計ソフトの特徴と経理作業の効率化について詳しく解説します。
目次
会計ソフトとは
会計ソフトとは、取引情報や入出金情報を自動的で集計・管理してくれるソフトウェアです。
会計ソフトが誕生した昭和60年代当初から、ベースとなる機能は「仕訳を入力して、決算書を作成」することで、これは経理の本質そのものと言っても過言ではありません。 パソコンの普及と比較的安価な会計ソフトが次々に登場した事で、法人や個人事業での会計ソフトの利用は増加していきました。
現在普及している会計ソフトは大きく分けて「クラウド型」と「インストール型(スタンドアロン型)」の2種類です。それぞれ特徴の特徴について、詳しく説明していきます。
クラウド型の会計ソフトの特長
近年普及しはじめたのが、クラウド型の会計ソフトです。アカウント登録をして月額(年額)支払いをすることで、インターネット環境さえあればどこからでも経理作業ができます。インストール型と異なり、パソコンにソフトをインストールする必要はありません。
クラウド型の会計ソフトには、おもな以下のような特徴があります。
さまざまなデバイスで使用可能
クラウド型の会計ソフトは、データをクラウドサーバー上に保管するため、インターネット環境さえあればどこからでもアクセスができます。ソフトの仕様にもよりますが、スマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスでアクセス可能です。
たとえば、経理担当者が子育てなどでリモートワークを行う場合でも会社のパソコンで作業する必要がなく、自宅で私用のパソコンやタブレットから会計ソフトに入力ができます。データはクラウドに保存されるため、データの紛失や破損のリスクもありません。
口座情報や取引明細を自動的で仕訳
会計処理の効率化において、現金や取引の仕訳は比重が大きい部分です。クラウド型の会計ソフトは銀行口座やクレジットカードとの連携が可能で、入出金や取引明細を自動で取り込み仕訳してくれます。
これらの情報をもとに財務諸表や確定申告書を自動作成する機能も備えています。日々の業務だけでなく、決算や確定申告の際の書類準備においても業務効率を大幅にアップさせることができます。
財務状況をリアルタイムで把握可能
クラウド型の会計ソフトは、入出金や取引を発生時点でリアルタイムに記録・仕訳するため、財務状況をリアルタイムに把握できます。
会社経営者や個人事業主の多くは資金繰り表を作成しておらず、銀行の通帳などで資金繰りの状況を確認している人がほとんどです。このため、ある日突然、資金ショートを起こしてしまう事もあります。
たとえば、freee会計の法人プランと個人プラン(スタンダードとプレミアムのみ)では、様々なレポートを確認することができ、その中で「資金繰りレポート」も提供しています。
このレポートを活用する事で、「どういった内容で資金を使ったか、今後の資金の出入り予定はどうか」、資金繰り(キャッシュフロー)をグラフで確認することができます。
バージョンアップや更新が自動
企業の会計に関係の深い税制改正は、毎年施行されています。会計ソフトもそれに応じてバージョンアップを定期的に行わなければなりません。
インストール型の場合、バージョンアップや更新作業は手動です。新しいバージョンにする際は追加費用もかかります。クラウド型であればこれらはすべて自動で行われ、いつでも最新のシステムを無料で利用できます。
経理や会計の知識が少なくても、確定申告や決算書が作れる
クラウド型の会計ソフトは、簿記や会計の知識が少ない人でも直観的な操作ができるように設計されています。
このため、専門知識がほぼゼロという人でも経理作業や確定申告書の作成、決算書の出力が可能です。サポートデスクが電話、チャット、メールで相談を受け付けているため、どうしてもわからない場合には問い合わせて質問することもできます。
多くのクラウド会計ソフトは無料お試し期間を設けているため、いくつかソフトを比較して使い勝手の良いものを選ぶといいでしょう。
インストール(スタンドアロン)型の会計ソフトの特長
従来のインストール型ソフトの特長は、以下のとおりです。
インターネット環境に依存しない
インターネット環境がなければ利用できないクラウド型の会計ソフトに対し、インストール型の会計ソフトは、オフラインで使用するためネット環境に依存しません。
インターネットがバージョンアップ時など、まれにインターネットに接続する必要が生じますが普段の処理はオフラインで行います。
セキュリティー面での安心
クラウド型にありがちなのは、インターネットを介しているため情報漏洩や不正アクセスが起きるのではないかというセキュリティー面での不安です。
インストール型の会計ソフトは、インストールした端末でのみ操作が可能なため、このようなリスクは極めて低くなります。
そのかわり、経理の担当者が入力しているときは経営者が会計状況を確認できなかったりと、複数人での操作を前提としている場合はデータの共有に手間が発生する側面もあります。
動作がスムーズ
インターネットを介さないため、ネット環境の良し悪しにソフトの操作性が左右されません。いつでも動作が速く、接続不良などでストレスを覚えることはありません。
月額費用が不要
インストール型は購入後の月額費用は不要です。ただし、毎年のバージョンアップ時や、消費税や固定資産の償却率変更時、会社法の改正などの根本的かつ大幅な法改正があった場合には更新料が必要です。
経理担当者が会計ソフトを活用するメリットとは
現代の企業に無くてはならない会計ソフトは、経理担当者にも多くのメリットがあります。
集計作業の短縮と、ヒューマンエラー削減
会計ソフトによって、手作業で行っていた帳簿記入や集計作業はほとんど不要になります。さらに、多くのクラウド会計ソフトは見積書・請求書の作成・管理機能も備え、クラウド型は銀行口座と自動連携。請求書と銀行口座の出入金が紐づいているため、未入金や請求漏れを防ぐこともできます。
業務効率の向上とともに、手作業につきもののヒューマンエラーが無くなることもメリットと言えるでしょう。
意思決定を迅速に行える
会計ソフトにより、経理上のデータ集計はリアルタイムに行われます。常に最新の情報が閲覧できるため、経営者や管理者が日々行う経営判断や意思決定も迅速に行われることになります。
経理担当者としての視野が広くなる
会計ソフトがまとめてくれた情報を把握することで、自社の経営状況や財務状況を隅々まで認識することができるようになります。自社の現状把握が容易になるため、広い視点から経理担当者としての提案や意見を述べることもできるようになるでしょう。
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経理業務のクラウド化によって起こる変化とは?
導入シェアNo.1のクラウド会計ソフト freee会計とは
シェアNo.1のクラウド会計ソフト*1「freee会計」とは、面倒な入力作業や仕訳を自動化し、見積書や請求書も簡単に作成できるクラウド会計ソフトです。簿記の経験がなくても使いやすく、経理業務にかかる時間を半分以下*2に削減します。
※1リードプラス「キーワードからひも解く業界分析シリーズ:クラウド会計ソフト編」(2022年8月)
※2 自社調べ。回答数1097法人。業務時間が1/2以上削減された法人数
数ある会計ソフトの中でも、freee会計が選ばれる理由は大きく3つ。
- 一度の入力で複数の業務が完了。重複作業や転記作業はほぼ発生なし!
- 決算業務は正しく、確実に対応できる!
- インボイス制度・電子帳簿保存法に完全対応!
それぞれの特徴についてご紹介していきます。
一度の入力で複数の業務が完了。重複作業や転記作業はほぼ発生なし!
見積書・請求書をfreee会計で発行すると、書類へ入力した金額をもとに、自動で入金管理・売上仕訳まで完了。銀行口座やクレジットカード、POSレジなどと同期すれば、自動で利用明細を取り込み、勘定科目の登録はもちろん、売掛金や買掛金の消し込み、入金仕訳などの記帳も簡単に行えます。
さらに、領収書・受取請求書などをスマホのカメラで撮影しfreee会計に取り込むだけで、取引先名や金額などをAI解析し、自動で入力。支払管理・仕訳も自動で作成できます。
freee会計は一度の入力で複数の業務が完了するうえ、自動入力・自動仕訳によって手作業の少ない経理を実現します。
決算業務は正しく、確実に対応できる!
freee会計には、正しい決算書を作るためのチェック機能も充実。預金残高との一致や会計ルールとの整合性をfreeeが自動判定し、修正が必要そうなリストを自動作成します。修正後は、ボタンクリックひとつで貸借対照表・損益計算書などの決算書が作成可能です。
<作成可能な書類例>
- 貸借対照表・損益計算書
- 仕訳帳・総勘定元帳
- 固定資産台帳
- 試算表
- 現金出納帳 など
PDFやCSVファイルへの出力も可能なため、士業の方への共有や、社内での資料作成にも活用できます。また、領収書1枚・仕訳1件単位でコメント機能を使ってやりとりできるため、士業の方ともスムーズにコミュニケーションがとれます。
インボイス制度・電子帳簿保存法に完全対応!
freee会計では、取引先の登録番号が国税庁データに存在するかを自動照合し、適格請求書が適切かを判断するなど、インボイス制度に対応した機能をご利用いただけます。
また、紙書類はスキャンしてfreeeのファイルボックスに保管すれば、電子保存も可能。完全ペーパーレスな経理体制を実現できます。
機能更新にインストールが不要なクラウド型だからこそ、今後の法改正にも自動対応でき、常に最新の状態でソフトをご利用いただけます。
まとめ
会計ソフトは、経理における記録・集計といった面倒かつミスのできない作業を自動的に行ってくれるものです。
サーバー上にデータを保管する「クラウド型」と、端末に落とし込む「インストール型」。それぞれの特長を理解し自社の人員や時間的コストと照らし合わせるなど、導入の際は慎重に検討をしましょう。