経理はお金の出入りを記録し管理する業務になるため、慎重さと正確さが常に求められますが、人間が手作業で行うことからミスが起こる可能性もあります。ここでは、経理業務における失敗の傾向や、実際の失敗例とその対策を整理していきます。
目次
経理でよくある失敗の傾向
経理業務で起こる失敗の傾向は、ずばり確認漏れにあると考えられます。ほんの少しの注意で回避されたはずのミスが、時間に追われて集中力が落ちたり、うっかりしてしまったりすることで起こることがほとんどだからです。
経理業務では常に以下の3点を間違いなく実行する必要がありますが、同時に失敗を誘発する原因となっている可能性もあります。
正確さの徹底
よく銀行業務経験者が「入出金の計算で1円の差が生じた場合でも、何時間もかけて原因を調査し必ず収支を合わせないと帰れない」と言うことがあります。
企業の経理業務も同じことで、少しでも金額が合わなければ残業してでも数字が適合するまで確認を続けます。
このため経理に携わる人は日頃から大きな緊張感に襲われ、一つ一つの入出金記録により時間をかけてミス削減に努めるようになります。
それ自体は良いとしても、結果として業務完遂まで時間がかかりすぎたり、長時間労働により逆に集中力が途切れたりする等、決して効率的とは言えない状況が生まれます。ミスが起こるのは大抵こういった状況にある時なのです。
経理業務の専門用語
経理は特有の専門用語を理解しなければ業務を進めることさえままなりません。用語は馴染みがなく難解で理解しにくいものが多いため、どのような出費がどのような勘定科目に該当するのか曖昧になり混乱しやすいと言えます。例えば以下の用語を覚えなければ、経理業務をスタートさせることすらできないのです。
「借方」帳簿の左側を借方と言い、資産の増加、負債の減少、支出等を記録する。
「貸方」帳簿の右側を貸方と言い、資産の減少、負債の増加、収入等を記録する。
「仕訳」全取引を時系列で仕訳に記録するための帳簿。
「貸借対照表」企業の財務状況を詳細に記した表で、資産、負債、純資産を記録する。
企業により仕訳のルールは異なりますし、時間をかけて知識を蓄え業務に慣れるまでの間にミスが起こりやすいと言えます。
経理で具体的な失敗例
経理業務で起こりやすい具体的な失敗例を3つ挙げていきます。
誤った領収証の取り扱いによる二重計上
会社として領収証を発行する際、間違って書いてしまった領収証が1枚、正しく書き直した領収証が1枚あるとします。本来なら書き損じた方は計上できないのですが、誤って両方の領収証を売り上げ計上することにより、ないはずの売り上げが増えることになります。売り上げが増えればその分税金を多く支払うことになりますので、会社にとっては損となります。
在庫確認不足による計上漏れ
在庫販売を行う企業では、常に保有する在庫数を正確に把握しておかなければなりません。しかし、人間が目視で数えていること、在庫は常に変動し数が変化することから、在庫数を間違えてしまい計上漏れが発生することがあります。在庫は会社にとって利益あるいは損益の元となるため、慎重かつ正確に行わなくてはなりません。
領収証の紛失
領収証を紛失してしまった場合は経費として計上することができません。経費計上分が減ればその分課税所得が増加するため、余分な税金を支払わなければならなくなります。これも会社にとっては大きな損となります。
本来取るべきアクション・対策
「誤った領収証の取り扱いによる二重計上」が起こった原因は、正しい領収証の他に書き損じも残っていたことにあります。重複計上しないために、請求書と領収証に共通する番号をつけたり、書き損じであることを赤字でわかりやすく領収証に記載したりする等の工夫が必要になります。
「在庫確認不足による計上漏れ」が起こった原因は、人的な数え間違いの他にも在庫保管状況に起因するものがあります。返品扱いとなった在庫や仕入れ先に預けたままになっている在庫等がこれにあたりますが、確認の際に混同しやすくなると言えます。在庫の確認漏れを起こさないために、どの在庫がどこに何個保管されているのか、リストを作成する等して常に管理確認できるようにしておくことが大事です。
「領収証の紛失」は最も起こりやすい失敗の一つですが、少しの注意でミスを防ぎやすいものでもあります。受け取った領収証の保管場所は一つにしておく、領収証はポケットに入れず専用の領収証入れを持つようにする等、全社統一して管理方法を決めておくことが大切です。
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数ある会計ソフトの中でも、freee会計が選ばれる理由は大きく3つ。
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- 全国ほぼすべての銀行・160以上の外部サービスと連携
- 決算業務は正しく、確実に対応できる
それぞれの特徴についてご紹介していきます。
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まとめ
経費計上が減り税金が上がってしまう等、経理業務における失敗はそのまま会社の損害に直結するため、誰もが慎重になるところです。しかし、会社全体としてミスを減らす工夫に取り組まなければ、個人だけに大きな負担がかかってしまうため、失敗を根本的になくすことは難しいと言えます。従って、経理業務にITを導入して効率化と正確性を向上させたり、人の目による確認作業をよりルーティン化させたりする等の対策が必要となります。