会計の基礎知識

決算申告に必要な提出書類とは?抜け漏れなく決算を行うポイントを解説

監修 好川寛 プロゴ税理士事務所

決算申告に必要な提出書類とは?抜け漏れなく決算を行うポイントを解説

一般的に日本の法人は事業規模にかかわらず1年に一度、管轄の税務署などに決算申告をしなければなりません。決算申告時には、さまざまな書類を提出する必要があります。

本記事では、決算時の提出書類の詳しい内容や、手続きをスムーズに進めるためのポイントについて詳しく解説します。

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目次

決算申告に必要な提出書類

法人決算の際に提出を求められる主な書類は、以下のとおりです。

決算書

決算書とは、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」などからなる報告書のことです。

決算書は企業が確定申告を行うにあたって必要なのはもちろん、売上や利益などの経営実態を正しく把握するためにも内容を理解する必要がある書類です。

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勘定科目内訳書

勘定項目内訳明細書とは、各勘定科目の内訳(相手先や内容別)をわかるようにした書類のことです。

この書類は、決算日の翌日から2ヶ月以内に、その他必要書類と共に税務署に提出する必要があります。

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事業概況説明書

会社の業務内容や従業員数、支店数、売上高などをまとめた書類。事業内容の変更などがあった場合は、変更点について特に詳しく記載します。

各種確定申告書

法人税、消費税、法人事業税、法人住民税などの税額計算を行うための書類です。

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決算申告時に提出する決算書の内容

決算申告に必要な提出書類の「決算書」に含まれる「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」は、財務三表といいます。財務三表では、会社の経営成績や財務状態を確認することができます。

貸借対照表

貸借対照表とは、特定の時点における会社の財産状況を把握できる表のことです。「バランスシート」や「BS」とも呼ばれます。

貸借対照表では、左に会社の資金運用の状況として「資産」、右に会社が資金調達した実績として「負債」と「純資産」を記載します。

「負債」は支払手形や買掛金などの他人資本のことで、「純資産」は資本金や資本余剰金などの自己資本のことです。資産の合計額と右の負債と純資産の合計額は一致する必要があります。


貸借対照表の分類

貸借対照表では、純資産の割合(自己資本比率)が高いほど、会社の財政状況が健全であると見なされます。自己資本比率の目安としては20〜40%を目標にするとよいでしょう。

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損益計算書

損益計算書とは、1年間に出た利益を把握できる書類のことです。「PL」(Profit and Loss statement)とも呼ばれます。

損益計算書に記載する項目は以下のとおりです。

項目項目の内容
売上総利益売上高から原価や仕入費用を差し引いた粗利益
営業利益売上総利益から経費を差し引いた利益
経常利益経常的に会社が事業全体から得た利益
税引前当期純利益営業と直接関係ない臨時的な損益も計算した利益
当期純利益会社が支払う各種税金を差し引いた1年間の最終的な利益

売上が減少した場合、経営上の利益について細かく把握できるため、どこに問題点があるかを洗い出すことができます。

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キャッシュ・フロー計算書

キャッシュ・フロー計算書とは、一定期間での会社の現金の流れを記録した書類です。損益計算書では把握できなかった資金の回収状況についても、キャッシュ・フロー計算書で確認することができます。

キャッシュ・フロー計算書では、現金の流れを「営業」「投資」「財務」の3つに分けて記載されています。それぞれの内容は以下のとおりです。

キャッシュフローの種類キャッシュフローの内容
営業キャッシュフロー会社の事業活動による現金の流れ
投資キャッシュフロー投資や設備投資、固定資産売却などの投資活動による現金の流れ
財務キャッシュフロー株式発行や金融機関からの融資、借入金返済のなどの財務活動による現金の流れ

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決算申告をスムーズに進めるためのポイント

実際に決算申告をスムーズに進めるためには、以下の3つのポイントを確認しましょう。

  • 日々の経理業務を丁寧に行う
  • 経営状況を定期的に確認する
  • クラウドシステムで業務効率化を図る

日々の経理業務を丁寧に行う

日々の経理業務を積み重ねることで、決算の作業を効率化することが可能です。日常的に経理業務で行う仕訳で、金額などに誤りがないように注意しましょう。

また、日々の経理業務を怠り、あとでまとめて仕訳しようすると、作業量が多くなり計上ミスが発生してしまうリスクがあります。日常的に経理業務を丁寧に行うことが、決算申告をスムーズに進めるためのポイントです。

経営状況を定期的に確認する

決算は1年に1回に行うものですが、月次決算を行うことによって決算申告をスムーズに進めることができます。月次決算では毎月の仕訳の確認を行うため、年次決算での作業負担が大幅に軽減できます。

クラウドシステムで業務効率化を図る

決算業務を手作業で行っていると、膨大な時間や労力を使うことになります。クラウドシステムを使用すれば、決算に必要な書類の作成を自動化させることができるため、業務効率をアップさせることができます。

決算申告の際にも、クラウドシステムを利用して作成した書類データをそのまま提出できることもあるため、コストを大幅にカットできるというメリットがあります。

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それぞれの特徴についてご紹介していきます。

一度の入力で複数の業務が完了。重複作業や転記作業はほぼ発生なし!

法人決算と税務申告


見積書・請求書をfreee会計で発行すると、書類へ入力した金額をもとに、自動で入金管理・売上仕訳まで完了。銀行口座やクレジットカード、POSレジなどと同期すれば、自動で利用明細を取り込み、勘定科目の登録はもちろん、売掛金や買掛金の消し込み、入金仕訳などの記帳も簡単に行えます。

さらに、領収書・受取請求書などをスマホのカメラで撮影しfreee会計に取り込むだけで、取引先名や金額などをAI解析し、自動で入力。支払管理・仕訳も自動で作成できます。

freee会計は一度の入力で複数の業務が完了するうえ、自動入力・自動仕訳によって手作業の少ない経理を実現します。

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freee会計には、正しい決算書を作るためのチェック機能も充実。預金残高との一致や会計ルールとの整合性をfreeeが自動判定し、修正が必要そうなリストを自動作成します。修正後は、ボタンクリックひとつで貸借対照表・損益計算書などの決算書が作成可能です。

<作成可能な書類例>


  • 貸借対照表・損益計算書
  • 仕訳帳・総勘定元帳
  • 固定資産台帳
  • 試算表
  • 現金出納帳 など

PDFやCSVファイルへの出力も可能なため、士業の方への共有や、社内での資料作成にも活用できます。また、領収書1枚・仕訳1件単位でコメント機能を使ってやりとりできるため、士業の方ともスムーズにコミュニケーションがとれます。

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まとめ

決算業務をスムーズに行うためには日々の経理業務を丁寧に行うことが大切です。

また、「経理業務を効率化させたい」「決算申告のやり方がよくわからない」という場合には、税理士事務所に相談することもおすすめです。決算に関する業務に追われないためにも、早めに準備をすると良いでしょう。

決算を初めて行う方は、別記事「法人決算を自分1人で完結させるには?流れや必要書類について解説」もあわせてご確認ください。

よくある質問

決算申告に必要な提出書類とは?

決算申告時には、主に「決算書」「勘定科目内訳書」「事業概況説明書」「各種確定申告書」などの書類を提出する必要があります。必要書類を揃えたら、所轄の税務署や地方自治体に提出します。

詳しくはこちらでご確認ください。

キャッシュ・フロー計算書とは?

キャッシュ・フロー計算書とは、一定期間での会社の現金の流れを記録した書類で、損益計算書では把握できなかった資金の回収状況についても確認することができます。

キャッシュ・フロー計算書では、現金の流れを「営業」「投資」「財務」の3つに分けて記載されています。

詳しくはこちらでご確認ください。

監修 好川寛(よしかわひろし)

元国税調査官。国税局では税務相談室・不服審判所等で審理事務を中心に担当。その後、大手YouTuber事務所のトップクリエイターの税務支援、IT企業で税務ソフトウェアの開発に携わる異色の税理士です。

監修者 好川寛

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