経理は、人材不足が問題となっている仕事の一つです。経理の人材不足は、労働人口の減少や専門性の高さ・間接部門であることによる経理を離れる人の増加などが、理由としてあげられます。
今後も労働人口不足が予想される中で経理の人材不足を解消するには、経理・会計システムを導入するのがおすすめです。
本記事では、経理が人材不足と言われる理由や人材不足がもたらす影響、経理・会計システムを導入するメリットについて詳しく解説します。
目次
- 経理の人材不足が問題となっている現状
- 経理が人材不足と言われる理由
- 労働人口が減少している
- 専門性が高く適した人材が見つかりにくい
- 会社における間接部門であるため積極的に募集していない
- 経理担当者への負担が増えて退職につながるケースがある
- 経理の人材不足がもたらす影響
- 経理担当者への負担が大きくなりミスが起こりやすくなる
- 属人化による不正行為のリスクが高まる
- 会社の経営パフォーマンスが低下する恐れがある
- 経理の人材不足を解消する方法
- 経理・会計システムを導入する
- 業務フローを改善して効率化を図る
- 業務のマニュアルを作成して効率化を図る
- 各部署との連携を強めて経理にかかる負担を減らす
- 経理作業を外注する
- 経理・会計システムを導入するメリット
- 経理業務の自動化により効率化できる
- 経理業務によって起こる人的ミスを防止できる
- 法改正への対応もしやすくなる
- 経理の自動化で、業務時間を1/2以下に!日々の業務をもっとラクにする方法
- まとめ
- よくある質問
経理の人材不足が問題となっている現状
経理の人材不足に悩んでいる企業は、半数以上に上るといわれています。またインボイス制度の開始や電子帳簿法改正に伴い経理業務の重要性が増し、経理人材の必要性も高まりはじめました。
とくに地方における経理の人材不足は顕著で、深刻な状況に悩まされる企業が増えています。また、経理人材の年齢が上がっている現状もあり、若い世代の経理人材が少ないことも問題です。
経理が人材不足と言われる理由
経理が人材不足と言われてしまうことには、以下の理由が考えられます。
- 労働人口が減少している
- 専門性が高く適した人材が見つかりにくい
- 会社における間接部門であるため積極的に募集していない
- 経理担当者への負担が増えて退職につながるケースがある
労働人口が減少している
少子高齢化により日本の労働人口全体が減少しており、2020年時点の労働人口を2000年と比べると約1,000万人も減少しています。そのため、経理人材だけでなく日本全体の働き手が不足しているのが現状です。
また、2050年には2020年から約2,000万人の労働人口が減少すると予想されており、人材不足の悩みは年々深刻になっていくでしょう。この労働人口の現象に加え、担当者が高齢化していることも人手不足に拍車をかける要因です。
出典:総務省「生産年齢人口の減少」
専門性が高く適した人材が見つかりにくい
経理業務には会計や簿記などの専門的な知識が必要で、未経験の人が簡単に就ける仕事ではありません。また、経理ではデータを扱ったりPCを扱ったりする業務もあるため、計算スキルやPCスキルも必要です。
労働人口が減少している中で専門性を持った人材は見つかりにくく、なかなか経理に適した人材を雇うのは難しいでしょう。
会社における間接部門であるため積極的に募集していない
経理はどんな会社にとっても必要不可欠なポジションではありますが、会社の売上には直結しない間接部門です。そのため、営業や開発などのポジションに比べると、募集をかけるのが後回しになりやすい傾向があります。
募集が少ない業種となると、自然と経理業務を目指す人材も不足してしまうでしょう。
経理担当者への負担が増えて退職につながるケースがある
経理人材が不足している中でインボイス制度や電子帳簿保存法改正により業務が増えた現在、既存の経理担当者への負担が大きくなっています。今までの業務に加えてさらに業務が増えてしまうと、残業が増えたり経理担当者のストレスがたまったりするかもしれません。
結果的に退職につながることもあり、さらに人材不足が大きくなる悪循環に陥ってしまいます。
経理の人材不足がもたらす影響
経理の人材不足は、会社や経理担当者に以下のような影響をもたらします。
- 経理担当者への負担が大きくなりミスが起こりやすくなる
- 属人化による不正行為のリスクが高まる
- 会社の経営パフォーマンスが低下する恐れがある
経理担当者への負担が大きくなりミスが起こりやすくなる
経理の人材が少なくなると、現在経理業務を担当している人への負担が大きくなります。業務が増えることはもちろん、会社からの期待や責任も大きくなり、精神的な負担が増すこともあるかもしれません。
いろいろな負担が大きい中で業務をこなそうとすると、ミスが起こりやすくなってしまいます。ミスにより発生するトラブルもあるため、経理担当者には負担をかけすぎないよう注意が必要です。
属人化による不正行為のリスクが高まる
経理担当者の不足により新しい人材を獲得する動きができなくなると、属人化してしまう恐れがあります。場合によっては不正行為が起こるリスクも考えられ、会社の損失やトラブルが起きてしまうかもしれません。
そのため、すべての業務を経理担当者に一任することなく、確認のフローを入れたり業務を分担したりして対策しましょう。
会社の経営パフォーマンスが低下する恐れがある
経理担当者が行う業務には、経営陣が会社経理に活用する損益計算書や貸借対照表などの書類作成があります。しかし、人材不足により手が回らなくなると、決算期以外に書類作成を行う時間が取れず、経営陣は毎月ごとに経営状況を把握できなくなるでしょう。
また、万が一経理担当者が休みをとってしまうと経理業務が回らなくなってしまうため他の部署や経営陣から代理を立てなければなりません。これらの理由から、経理の人材不足は経営パフォーマンスの低下に影響を及ぼす恐れがあるとされています。
経理の人材不足を解消する方法
経理の人材不足に悩んだら、以下のような方法で解消を目指しましょう。
経理の人材不足を解消する方法
- 経理・会計システムを導入する
- 業務フローを改善して効率化を図る
- 業務のマニュアルを作成して効率化を図る
- 各部署との連携を強めて経理にかかる負担を減らす
- 経理作業を外注する
経理・会計システムを導入する
会社で経理・会計システムを活用していない場合であれば、システムの導入により経理の人材不足による負担を軽減できます。経理システムでは仕訳や経費精算などの業務を自動化できるため、日々の業務が大幅に効率化できるでしょう。
ただし、システムの導入をすぐにできないということもあるかもしれません。この場合、まずはエクセル等を使用して紙による手作業の業務を脱却することがおすすめです。
経理システムの機能や選び方などについて詳しく知りたい方は、別記事「経理システムとは?会計システムとの違いや機能、導入するメリットを解説」をご確認ください。
業務フローを改善して効率化を図る
経理担当者を十分に確保できない場合は、経理担当者の負担を減らすために業務フローを見直してみましょう。現在の経理担当者の状況を確認して、削減できる工程がないか、他部署からの協力が得られる業務はないか確認してみてください。
人材不足であっても、最適な業務フローを構築することで経理にかかる負担を大きく軽減できるかもしれません。
経理業務の改善方法について詳しく知りたい方は、別記事「経理ができる業務改善方法の具体例」をご確認ください。
業務のマニュアルを作成して効率化を図る
経理業務のマニュアルがない場合、一度マニュアルを作成し仕組み化するのも有効な方法です。マニュアルの作成により業務フローの整理も行えるため、業務効率の向上が期待できます。
また、マニュアルを作成しておくと人材を雇いやすくなるのもメリットです。業務が定着しやすい環境ができるため、引き継ぎがしやすくなるだけでなく、未経験の人材でも獲得しやすくなるでしょう。
各部署との連携を強めて経理にかかる負担を減らす
経理業務における請求書作成や経費精算、年末調整などの業務では、各従業員との連携が必要です。そのため、依頼方法や書類の提出方法などを見直すためのコミュニケーションを取るなど、各部署との連携を強めておきましょう。
日頃から関係者との連携が取れているとコミュニケーションコストを減らせるため、経理にかかる負担も軽減できます。
経理作業を外注する
どうしても経理の人材不足が解消できない場合は、業務を外注するのも一つの方法です。経理業務の専門会社や税理士など、さまざまな外注先が存在しています。
外注費用は発生しますが、現在の経理担当者にかかる負担も人材不足への懸念も解消できるでしょう。また、年末年始や決算期など、経理業務の繁忙期にのみ外注する使い方もおすすめです。
経理代行を活用するメリットや選定基準について詳しく知りたい方は、別記事「経理代行とは?経理業務をアウトソーシングするメリット・デメリットを解説」をご確認ください。
経理・会計システムを導入するメリット
経理・会計システムの導入は、会社や経理担当者にとって以下のメリットがあります。
経理・会計システムを導入するメリット
- 経理業務の自動化により効率化できる
- 経理業務によって起こる人的ミスを防止できる
- 法改正への対応もしやすくなる
会計システムの機能や選び方などについて詳しく知りたい方は、別記事「会計システムとは?種類や機能、導入メリット、選び方を解説」をご確認ください。
経理業務の自動化により効率化できる
会計システムでは、仕訳入力や書類作成の入力、経費精算など、多くの業務工程を自動化できます。手作業で入力したり計算したりする手間がなくなるため、大幅な業務効率化が実現できるでしょう。
また、銀行口座やクレジットカードなどさまざまなシステムとの連携もできるので、ほとんどの業務をシステムで一元化できます。
経理業務によって起こる人的ミスを防止できる
経理担当者への負担が大きくなると、どうしても人的ミスが起こりやすくなるでしょう。しかし、システムを活用して自動入力機能などを使用すれば、入力ミスや記入漏れなどの心配がなくなります。
手作業で行なっていた時間が自動化により空けば、余裕が生まれ丁寧な業務につながるため、人的ミスの防止だけでなく経理担当者のモチベーション向上も期待できるでしょう。
法改正への対応もしやすくなる
会社法や税法は定期的に法改正が起こり、経理担当者はその都度新しい知識を得ながらの対応が求められました。会計システムを使用して業務を行えば、法改正後にアップデートすればすぐに対応できるようになります。
freee会計では、法改正のアップデートが、自動で行われるのが特徴です。
専門家への相談などのサポートも充実しているため、経理業務における不明点がある場合は相談してみるとよいでしょう。
経理の自動化で、業務時間を1/2以下に!日々の業務をもっとラクにする方法
経理業務は日々の入出金管理のほか、請求書や領収書の作成・保存、仕訳作成まで多岐にわたります。
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※1リードプラス「キーワードからひも解く業界分析シリーズ:クラウド会計ソフト編」(2022年8月)
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- 全国ほぼすべての銀行・160以上の外部サービスと連携
- 決算業務は正しく、確実に対応できる
それぞれの特徴についてご紹介していきます。
AI-OCR機能で自動入力・自動仕訳
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freee会計は全国ほぼすべての銀行やクレジットカード、決済サービスなどと連携可能。同期していれば自動で利用明細を取り込むので、勘定科目の登録はもちろん、売掛金や買掛金の消し込み、入金仕訳などの記帳が、freee会計の画面だけで行えます。
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決算業務は正しく、確実に対応できる
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まとめ
経理は、労働人口の減少や業務量の増加による経理離れなどの理由により、人材不足が問題となっています。約半数の企業が経理の人材不足に悩んでおり、とくに地方での人材不足の問題は顕著です。
経理の人材不足を解消するには、経理・会計システムを導入して業務を自動化するのがおすすめです。業務効率化ができるだけでなく、人的ミスの防止や法改正への対応も可能になるので、ぜひ会計システムの活用を検討してみてください。
よくある質問
経理はなぜ人手不足なんですか?
経理が人手不足になる理由として、労働人口不足や退職を希望する人の増加があげられます。また、専門性が高い仕事であることから、適した人材が見つかりにくく生まれにくいことも主な理由です。
詳しくは記事内「経理が人材不足と言われる理由」をご覧ください。
経理の仕事は誰でもできますか?
経理の仕事を行うには会計や簿記など専門的な知識が必要で、誰でも簡単にできる仕事ではありません。特定の資格が必要なわけではありませんが、経理業務を行うには知識やスキルが必要です。
詳しくは記事内「専門性が高く適した人材が見つかりにくい」をご覧ください。
経理システムを導入すれば人材不足は解消できますか?
経理の人材不足に悩んでいても、経理システムを導入すれば多くの業務を自動化・システム化できます。そのため、負担が大きな業務に対して適切にシステムを取り入れれば、人材不足は解消できるでしょう。
詳しくは記事内「経理・会計システムを導入する」「経理・会計システムを導入するメリット」をご確認ください。