紙ベースによる煩雑な作業からの解放 1200人分の従業員情報・勤怠管理をfreeeで一元化し、業務効率化とエンゲージメント向上を実現

株式会社東急ホテルパートナーズ 管理部人事チーム 木住野 浩司 さん

課題
エクセル・紙管理からの脱却パッケージ型ソフトからの移行

株式会社東急ホテルパートナーズは、ホテルの客室清掃を主力サービスとして、東北から四国まで約30の施設で事業を展開しています。


繁忙期に短期スタッフを採用することが多く、外国人技能実習生への対応が必要になるなど、業界ならではの事情もあるなか、紙のタイムカードとExcelへの手入力で勤怠管理することで煩雑な作業に多くの時間が割かれたり繁忙期とそれ以外とで業務量に大きな差があったりといった課題を抱えていました。


こうした状況を改善すべく、freeeの導入によるオペレーションの抜本的な見直しに取り組んでいます。東急ホテルパートナーズの管理部人事チームの木住野浩司さんに、freee導入までの課題感や導入の決め手について伺いました。 経営企画部 マネージャーの田淵甚吾さんに話を聞きました。


1200人分の入退社管理・勤怠情報を紙とExcelで管理することが大きな負担だった

東急ホテルパートナーズ

ーー事業内容や企業規模など貴社について概要を教えてください。


木住野浩司さん(以下、木住野) 当社はホテルでの客室清掃業務を提供しています。もともとは東急グループ会社の一事業部だったのですが、2018年に独立し、現在に至ります。


東急グループのホテルが中心ですが、それ以外のホテルからも業務を請け負っており、現在は東北から四国までのラグジュアリーホテルからビジネスホテルまで、約30の施設を担当しています。


従業員数は、約1200人。そのうちの大半がパートタイムやアルバイトのスタッフで、いわゆる正社員は少数です。年間売上は約40億円ほどとなっています。


私は管理部の人事チームに在籍しています。一般的な人事業務全般に加え、外国人技能実習生を多数受け入れているため、実習生の管理も担当しています。


管理部には13人が所属しており、人事チームは9人、うち6人は施設ごとに担当を割り振って、入退社や勤怠、有休の管理などを行っています。


ーーfreee人事労務の導入前、バックオフィスではどのような課題があったのでしょうか?

木住野  例えば、ラグジュアリーホテルの場合、1施設に70人ほどのスタッフが在籍しています。当社はアルバイトやパートタイムのスタッフだけでなく、繁忙期にスポットで入ってもらうスタッフも多く、その都度、入退社や勤怠の管理が発生します。


特に大きな課題となっていたのが、シフトや勤怠の管理への対応です。これまでは紙のタイムカードを用いていたため、それを毎月集計し、Excelに手入力する必要がありました。しかも、集計期間がかなりタイトで、月初の3営業日以内に1200人分のデータを処理しなければなりません。給与情報は目視で確認しており、作業が煩雑になっていました。


人件費は収支に直結する重要な要素ですから、売上に対して適正な範囲に収まっているか常に管理する必要があります。ただ、紙のタイムカードの情報をExcelに手入力する作業は、どうしてもミスも発生しやすく、それを補正する手間も生じていました。


Excelに関しても、以前は2013年のバージョンを使っていたのですが、現行の2016年バージョンにアップデートしたところ、動作が不安定になってしまい、マクロが機能しない箇所があるなど、さらに作業効率が落ちてしまったんです。


人事労務・勤怠管理の一体的な運用を目指す

ーーfreee人事労務を導入するに至った背景を教えてください。

木住野  人事スタッフが事務作業に忙殺されてしまっている状況をなんとかしたかった、というのが大きな理由でした。従業員の育成面としても、自分で考える力をつけてもらうためには、煩雑な事務作業の負担を減らし、時間を確保しなければなりません。


繁忙期と閑散期の業務量の差も大きな課題でした。ゴールデンウィークや年末年始など、宿泊需要が高まる時期は、期間限定のスポット採用で人員を補強しており、当然、人事労務系の業務負荷も一気に高まります。また、月末・月初の勤怠管理に作業が集中する一方、それ以外の時期は業務量が減ってしまい、業務全体の平準化が必要だと感じていました。


そうしたなかで、これまで使っていた人事労務管理システムが保守期間の更新時期となり、運用方法から抜本的な見直しを進めることにしたのです。


ーーfreee人事労務を導入されるまでには、どのように検討を進めたのでしょうか。

木住野  検討の前提として、人事労務や勤怠管理を一体的に運用できるシステムにしたいと考えていました。というのも、設立当初から使っていたシステムは、各業務がバラバラに管理されていたのです。


API連携ができるシステムであっても、連携先のシステムとの相性が良くないのか、連携がうまくいかないケースも多く見受けられました。CSVの取り込みが必要になるなどの理由から、かえって時間がかかることも多くあります。


はじめから一体的に運用する前提で設計されたシステムであれば、こうしたことが起こりにくく、安心感があるというのが、チームの意見でした。そのため、新たに導入する際には、人事労務、勤怠管理などが別のシステムではなく、一体的に運用できることを理想として、人事部のコアメンバーで比較検討していきました。


ところが、私自身はもともと人事担当ではなく、経理に長く携わってきたため、人事のシステムにどのような機能があるのが最適なのか、わからなかったんです。なので、コアメンバーを中心に主要なサービスを比較しながら、システムを利用している他社の担当者などにも使い勝手を聞き取りし、5社に絞り込みました。


使いやすさとサポートの手厚さが導入の決め手

ーー5社に絞ってからは、どのように決めていったのでしょうか。

木住野  それぞれの担当者から話を聞いて、自分たちが理想とする一体的なシステムを実現できるのか、をポイントに検討しました。


また、freeeの担当者が、知識が豊富であることも決め手のひとつでした。当社では勤務時間のまとめ方などに事業所ごとの独自のルールがあり、どう処理すればよいかわからない箇所がありました。そうした疑問に対しても、明確な回答をいただいて、安心して任せられる印象を持ちました。結果的に、freeeの担当者が一番信用できる方だと思いました。


加えて、当社のスタッフが過去にfreeeを使っていた経験があり、使い勝手の良さを感じていたこともプラスに働きました。


東急ホテルパートナーズ

最終的にfreee人事労務を選んだ決め手は、システムの使いやすさと、導入後の運用サポートの手厚さです。freeeであれば、人事経験の浅いスタッフでもスムーズに使いこなせると考え、問い合わせにもすぐ応じてもらえるので、安心感がありました。


業務効率化とエンゲージメント向上に向けた足がかりに

ーーfreee人事労務の本格的な稼働はこれからとのことですが、従業員の方への周知を進める予定でしょうか。

木住野  システムの刷新は、従業員の働き方にも大きな影響を与えます。特に私たちのように、パートタイムやアルバイトの方が多数を占める会社では、現場の戸惑いも大きいはず。事前の丁寧な説明と理解の働きかけが必要不可欠です。


freee人事労務の導入に向けては、全社的な説明会を予定しています。現場からは、紙のタイムカードによる勤怠管理を不便に感じている従業員が8割近くにのぼっているとのことで、利便性が上がることは歓迎されるはずです。


また、私たちの場合、日本人だけでなく、外国人スタッフへの説明も必要です。言語の壁を越えるためにも、イラストや動画を交えたマニュアルの作成などの工夫が必要だと考えています。


ーーバックオフィスにおける今後の展望をお聞かせください。

木住野  事務作業の負荷を、できる限り下げたいです。その代わり、問題提起し、それを解決するような業務の割合が増えることが理想で、将来的にはそうした人材が増えている状態にしなければなりません。


そのため、人事制度や福利厚生などを充実させ、従業員がやりがいを感じながら長く働き続けてもらえる環境づくりに取り組みたいです。さらに、外国人技能実習生を多く受け入れていますが、日本での生活のサポートなどで改善できる余地があるので、より注力していきたいです。


東急ホテルパートナーズ
東急ホテルパートナーズ株式会社 木住野様とフリー株式会社 営業担当吉田

(執筆:水口幹之 撮影:小野奈那子 編集:ノオト)


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