防犯性能が世界的に評価されているイスラエルのマルティロック社のカギやシリンダー(錠前)、南京錠など、セキュリティ関連商品の輸入卸販売を行うTACトレーディング株式会社。代表取締役の嶋田千絵さんは、負担に感じていた経理作業がfreee会計の導入により、「簡単・確実・時短・安心!」に変わったと言います。嶋田さんにfreee導入の経緯やその後の変化 について話を伺いました。
日本製だけじゃない。世界にある本当に良い商品を提供したい。
――セキュリティ商品の輸入卸の会社を創業されたのは、どのようなきっかけからですか?事業譲渡になります。セキュリティ関連商品の総合商社で、貿易担当、仕入れ交渉責任者として勤務していました。3年ほど働いた頃、事業分割することになり、そこで独立を勧められました。
もともとその会社へ入社する前は、ビジネス英語を学ぶためニュージーランドに行っていました。入社早々に「英語出来るのよね」と商談の場にぽんと入れられ、通訳兼交渉役を任せられることに。
当初は英語が理解出来ても、セキュリティ商品の知識は無く、業界ならではの常識やルールがわからずついていくのが大変でしたが、その分必死に猛勉強しました。その結果、仕入れ交渉・輸入に関わる全般の責任者になっていたので、基幹事業の譲渡を受けての独立となりました。商品知識を身に着ける中で、鍵や錠前をはじめとするセキュリティ商品の仕組みの奥深さに魅せられたことや、ニッチなマーケットの魅力に気が付いたことも決断の決め手になりました。
マルティロック(Mul-T-Lock)社は、日本での知名度は低いですが世界的な販売シェアを持つメーカーで、革新的な技術で沢山の特許を保有しています。
イスラエルは 国の一部地域で現在も戦争が続いていて、イスラエル人と話していると「この前、近くにミサイルが飛んできた」と聞くこともあります。そのため、安全に対する感覚が日本人とは全然違います。「守るべきものは自力で守る」という意識が強く、マルティロック社の鍵は、そういう歴史や国民性の中で培われてきた高い技術力を反映しています。例えば耐ピッキング性や強度が優れていて、また鍵だけでは合鍵が絶対に作れないんです。
――鍵の仕組みや強度など、真剣に考えたことがなかったです。玄関扉にもともとついているものを使えばいいという感覚でいました。
そういう方の方が多いかもしれないですね。家って、すっぴんでも汚い格好でもいい、一番安心してくつろげる場所ですよね。もしそこに第三者が侵入できるとしたら・・・と想像すると怖くないですか?
合鍵を簡単に作れるというのはそういうことです。
大切な家族や財産を守るために、今一度、鍵を見直してみませんかということを、日本のみなさんに声を大にしてお伝えしたいなと思っています。
日本には、日本製だから安心安全高品質、海外製は劣るという考えが根強いと思います。マルティロック社の商品はもちろんですが、コストメリットがあり、適正な品質・機能を備えているものは世界にたくさんあります。スモールビジネスならではの決断力の速さと機動力を生かして、本当に良いもの・必要とされている商品サービスを提供したいという思いで、事業を行っています。
税理士にお任せのはずが、毎月のデータ作成で疲労困憊
――起業後、経理はどのように行っていましたか?起業以来、顧問税理士さんにお願いしていました。毎月、売上等のデータをお渡しして、月次試算表を受け取るという形でしたが、毎月の会計データをまとめるのに疲労困憊していました…。
商品の点数、登録顧客数が多いため、在庫販売管理システムを使っています。まず、そこから売上、入金、売掛金のCSVファイルから集計した一覧表 を出力します。そのデータと銀行通帳の入出金の記録、領収書等が合っているかを照らし合わせながらExcelの表に入力していました。
通帳のコピー、請求書、領収書を渡すだけではダメで「お金の動きが一眼でわかるデータにしてください」と言われていました。データも簡単なものだと、会計事務所で転記の際にミスが起きてしまう。
日付、勘定科目、取引先があり、入金に関しては、取引先ごとの売上の締日や、現金売上なのかを仕分けして、海外送金レートや手数料等も書き込みます。そういった入出金の細かな一覧を作っていました。
考えたくないです(笑)。エクセルデータ作成や書類の整理には、コツコツやっていても、税理士さんにお渡しできるのは、毎月10日から15日頃になりました。税理士さんからの月次試算表が戻ってくるのは、さらに2、3週間後になります。1ヶ月以上のタイムラグがあるので、試算表を見てもはるか昔のことのように感じていました。
――ご自身で会計ソフトに打ち込んだ方がいいと考えることはありませんでしたか?
毎月その作業をやっていると会計の知識はついてきますし、税理士さんの試算表を見ると、ほとんど自分でやっているな…と。会計ソフトがあるかないかの違いだなという思いは次第に募っていきました。
それでも、実際に導入するとなると、会計ソフトはどれがいいのか?費用対効果はどのくらいあるのか?税理士さん嫌がるかな?と思うとなかなか相談は出来ませんでした。また、自分の中で作業の流れができているものを一から新しいものに切り替えるのは手間がかかるので、なかなか踏み出せないでいました。
コンセプトへの共感と熱心な購入前サポートが決め手!
――2021年6月にfreee会計を導入されていますね。その時期に、税理士さんから先方の事情による顧問契約終了の申し出がありました。
突然のことにとても驚きましたが、逆に今まで動けなかった部分を変えるチャンスだと感じました。そこで、以前から気になっていたfreeeさんに資料請求の問い合わせメールを出しました。
freeeさんのクラウド会計ソフトのサービスが登場したときから注目していたからです。
スモールビジネスに焦点をあて、簿記の知識がなくても誰でも日々の経理から決算までができるというコンセプトが良いなと。近々インフラ的サービスになるだろうなと思って普及状況を見ていましたが、そうなっていますよね。だから、導入するなら第一候補はfreeeさんだと思っていました。
問い合わせ後すぐに担当の方からお電話をいただきました。すごく熱心で、こちらの状況を話すと親身に相談にのってくださり好感を持ちました。
会計ソフトを新しく導入するにあたり一番不安だったのは、これまでの会計データをfreee会計にどう移すか。それに対しては「今なら無料で移行サービスをしておりますので、簡単に安心してお使いできますよ(※)」という力強いセールストークをいただいて。これが導入の決め手となりました。
※データ乗り換え代行サービスは小規模法人様向けに一部提供しています。
経理にかかる時間は、体感3〜4割減!
――freee会計導入後の会計のやり方を教えてください。現在は、freee会計と在庫販売管理システムの二本立てで管理しています。銀行口座の入金合計は、freeeに同期するのでそのまま反映されます。それが絶対値となり、在庫販売管理ソフトの入金額と比較するので、作業が簡単になり、ミスがなくなりました。未回収の売掛金が一目瞭然なのにもとても助けられています。
体感になりますが時間は3〜4割カットできました。freee会計は一つの支払いに対し、細かく科目を分けることもできます。顧客ごとのフォーマットをつくることもできるので、あとは金額を入力するだけ。自分で入力して、確認して終了。月次試算表をオンタイムで見ることができるのもいいですね。
まだ使いこなせない機能もあるので、使い方に慣れていけば、時間は5〜6割カットまでいけると思っています。使い方がわからないときは、チャットを活用していますが、チャットの裏側にいる方たちのなんと素晴らしいことか!
――といいますと?
とにかくプロフェッショナルですよね。処理の仕方、入力の仕方、開き方など質問したことに対し返してくれる的確なアドバイスにとても助けられています。あと、チャットのやりとりが自動メールで送られてくる機能も便利ですね。そのおかげで、同じ質問を何度もせずにすみ、自分専用のマニュアルが出来上がっています。
そこが一番のメリットです。税理士さんの年間顧問料などにかかっていたコストを7割強削減できました。ちょっといいじゃないって(笑)。
年末調整と私の確定申告は自分で出来ました。ただ、輸入業のため、消費税の計算が少し複雑なの で、会社の決算・申告は部分は税理士さんにお願いしたいと思っています。今、freeeさんの税理士紹介サービスを利用して探しているところです。freeeに登録されている多数の税理士さんから強みや価格を比較して選ぶことが出来るので、それも魅力に感じています。
電帳法改正への不安からフリーに
――電子帳簿保存法改正への対応に関してはいかがですか?導入前までは、領収書や請求書など紙類は、月毎に箱に入れて保存。データで来たものは、すべてプリントアウトする。そうやって一旦貯めた書類を毎月、Excelのデータに合わせて日時で並び替えをしてスキャンしてPDFにして、税理士さんに送っていました。今はそのような手間をかける必要は一切なく、紙もデータも受け取った時点ですぐにfreeeに読み込んでいます。特に、メール添付やシステムからダウンロード取得した領収書(PDF)などをドラッグ&ドロップで取り込める機能は秀逸です!
あと、最近カメラの読み取り機能の精度も上がったように思いますが…。
――画像認識OCRに関しては、いろいろと進化していると思います。
freeeさんは、お客様の声を取り入れて進化し続けているというところも魅力ですよね!今期は途中での 改正施行で、すべての請求書・領収書が取り込めているわけではないので、すぐに原紙を処分というわけにはいきません。でも、来期以降は、ペーパレス化の流れを作っていけると思っています。
電帳法に関しては、やはり最初は不安がありました。「どうすれば法律要件を確実に満たせるのか」と漠然とした不安があり、「電子と紙ベースの書類の管理でより時間を取られるのではないか」とうんざりした気持ちになることもありました。
それが、freeeの機能を使うことで、法律の要件を満たす電子データとして保存でき、かつ個別取引に簡単に紐付けができる。不安や危惧から、文字通り「フリ〜(解放)」になりました(笑)。freeeを導入して本当によかったなと満足しています。
まずは、マルティロック製品のお客様が継続していただけるよう、SNSや動画をはじめとする情報発信により力を入れていきたいということ。
次に、さまざまな国と取引をしていると、その国ならではの事情やプライドなど文化や価値観の違いに触れることがあります。そんな中で、お互いが納得のいくメリットある落とし所を見つけwin-winの関係を構築し、維持するには、それ相応の時間をかける必要があります。有利な交渉結果を得るためにコストがかかることもあります。freee導入により削減できたコストと時間をそれらに充てることで、さらに本業を充実させていきたいと思っています。
freeeさんも、システムの更なる進化に期待していますね!
会社プロフィール
TACトレーディング株式会社 (タックトレーディング カブシキガイシャ)
〒286-0201 千葉県富里市日吉台2-4-3 成田コリンズ1F
事業内容:建築用・工業用ロックとシリンダー、金庫(ホテルセーフ)の輸入・販売の輸入・販売
その他セキュリティ機器の輸入・代行・販売
HP:http://www.tactrading.co.jp