事業計画書作成だけではない、資金調達成功に必要な5つのポイントを抑えて1,000万円満額の調達に成功

株式会社スイーツビレッジ 本山智男 氏

課題

お菓子のサブスクリプションサービスを手がける株式会社スイーツビレッジ 代表取締役 本山智男氏。同社は、新しいビジネスにチャレンジするために資金調達を検討しました。東京のベンチャーではVCからの資金調達など様々な調達方法がある中、日本政策金融公庫からの調達にチャレンジしました。新しいビジネスのため資金調達成功させる事例をご紹介します。

事業の立ち上げまで

誰の思い出にもある個性的な街のお菓子屋さんを守るために起業

2018年6月より “美味しいお菓子を通じて、作る人と食べる人を感動させる” をビジョンに、株式会社スイーツビレッジを創業しました。 主事業であるスイーツボックスは、米国で普及しているお菓子のサブスクリプションとパリで普及したMy Little Boxを着想に構想したサービスになります。


“株式会社スイーツビレッジ”


「あなたの街にもある美味しい街のお菓子屋さんのお菓子を、コンセプトに乗せて毎月届けるサービスとなっています。」


お菓子屋さんに着目した理由には、お菓子市場の好調の背景に、倒産していくお菓子屋さんの経済状況に問題視をしたことにあるそうです。


“株式会社スイーツビレッジ”


【出典】デイリーユースのシーン拡大や催事のカジュアル化への対応が進むスイーツ主要チャネルの国内市場を調査(株式会社富士経済, 2018)



クオリティの高いお菓子が近くのコンビニで手に入る。また、コンビニやチェーンよりもマーケティング資本の少ない街のお菓子屋さんは、個性があっても生き残ることが非常に難しいのです。


街のお菓子屋さんを助けたいという思い。また、誰の思い出にもある “町のお菓子屋さんの個性あるお菓子がなくなる” ということは社会にとってよくない、というシンプルな想いからこの事業を開始しました。

融資相談をきっかけにクラウドファンディングで実績作り

ファンを作りながら低リスクでチャレンジできるクラウドファンディング

近年、VCなどのエクイティ(*1)による資金調達など様々な調達方法もある中で、日本政策金融公庫(以下、政策公庫)からのデッド(*2)での調達を検討しました。まずはエクイティよりも、調達コストが安くリスクの小さいデッドでチャレンジをしたいという思いがありました。


しかし、試算した必要資金を調達するためには、新しいビジネスモデルや起業が未経験であることがハードルになるであろうと想定していました。資金調達を検討していることをfreeeの方に相談した際にfreee創業融資の存在を知り、実績をあげることのアドバイスを受けました。
(*1)エクイティファイナンスとは、株式を発行し資本により資金調達を行うことを指す。
(*2)デットファイナンスとは、銀行借入など負債により資金調達を行うことを指す。



構想段階のアイディアに対して、いきなり多額の調達ができない。そこで、まずはクラウドファンディングで販売実績を作る計画を立てました。


クラウドファンディングは寄付型など様々なタイプがある中で、購入型のファンディングを選択。クラウドファンディングは想定より手数料が非常に高いというところもネックとしてありますが、freee会社設立での手数料ディスカウントプランや、東京都の補助金を活用し手数料のデメリットを低減させました。その上で、テストマーケティング実施のプロモーション、物流の整備、キャッシュフロー計画を綿密に行いました。


“株式会社スイーツビレッジ”


【引用】Ready for SweetsBox クラウドファンディングページ



自身の想いを届け、テストマーケティングを実施するという意味では、クラウドファンディングは非常にリスクも低くチャレンジしやすいものでした。資金調達だけではなく、実際の物流イメージや構想していたサービスを具現化するという意味でも非常に効果的であったと思います。

freee創業融資導入による効果

資金調達に精通している税理士さんと効率的・効果的に資金調達の準備



株式会社スイーツビレッジ
株式会社スイーツビレッジ


クラウドファンディングの結果をもって、いよいよ日本政策金融公庫より資金調達に挑むことになり、このタイミングでfreee創業融資を活用することになりました。


自分も含め多くの人が勘違いするところが、事業計画の数値やコンセプトを作ることが重要だと思うことではないでしょうか。実際に融資申し込みをして政策公庫が気にするポイントとして意外に感じた点が、

  • ①経営者の事業への想い
  • ②事業計画で利益がいつ出るのか?
  • ③経営者個人も含めて自己資金をどう見てもらうか?
  • ④事業計画の数値を達成するためのビジネスモデルへの理解や達成できるスキルがあるか?
  • ⑤目標としている資金調達が必要となる用途があるのか?

を見て判断されることもあり、事業計画の数値は議論をする上での参考資料であったりすることが多いのです。


その中でfreee創業融資の意義は、議論をする上での叩きをスピーディーかつ網羅的に作成することができ、その数値をベースに融資に精通している税理士の先生と綿密に議論できた点でした。freee創業融資を利用したことは資金調達成功での重要な要素となりました。


税務や仕訳などの経理処理に詳しい先生は多いですが、融資に精通している税理士の先生を探すのは非常に難しいです。freee創業融資で非常に助かったのは、freeeが融資に精通している先生を紹介してくれた点です。これも融資成功の大きな要因になったのだと思います。

1,000万円満額の調達達成から次の展開へ

経営の透明性を高めハイスピードで事業成長を実現

おかげさまで1,000万円満額を調達することができ、事業開始をスムーズに進めることができました。


“株式会社スイーツビレッジ”


調達後、会計、人事労務に関してもfreeeを導入し、翌月1営業日には月次決算を行なっています。全社員家族経営を理念に、説明責任を果たすためスモールビジネスながらも、月次決算公開/業績や財務の透明性を全社員に徹底しています。


今の10倍、20倍の会社になっても、迅速かつ正確な経営意思決定ができる体制をfreeeと一緒に構築していきたいと思っています。


従業員も雇用することができ、サービス開始に向けて事業に打ち込められるのもfreee創業融資のおかげだと思っています。どんどん事業を成長させ、1社でも多く、町のお菓子屋さんをお手伝いして行きます。

株式会社スイーツビレッジ