従業員を雇用する中小企業では、創業から事業拡大までに至るいくつもの成長ステージで、さまざまな人事労務の悩みに直面します。しかし実際は、その多くの場面で社会保険労務士のサポートが必要だと思っていても、毎月発生する顧問料などを理由に実際はサポートを受けられない中小企業は多いのではないでしょうか。
こうした中小企業も気軽に相談できる社労士法人のひとつが、freee人事労務5つ星認定アドバイザーのスポット社労士くん社会保険労務士法人です。同法人では、社労士のサポートを必要とするすべての中小企業が顧問料0円でサービスを受けられるプラットフォーム「スポット社労士くん」を提供するとともに、freee人事労務のスタートアップサポートもしています。
代表社員の関根光さんはfreee人事労務の導入後の変化について「顧客の課題解決や利益アップにつながる提案ができるようになり、ビジネスチャンスが拡大した」と語ります。具体的にどのような変化があったのでしょうか。
代表社員の関根さんとスタッフ2名に詳しく伺いました。
中小企業が手軽に社労士サービスを受けられるプラットフォーム
関根 当法人では、「社労士サービスを全ての中小企業にお届けする」をミッションに掲げて、顧問料0円の社労士サービス「スポット社労士くん」を展開しています。全国700件超の会計事務所と提携して、社労士との顧問契約がない中小企業に対して、必要な人事労務サービスを必要な時にピンポイントでお届けしています。
会計事務所を通して社労士サービスを提供することによって、会計事務所はサービスとして手がけていた社労士業務を私どもにアウトソースできます。会計事務所が本来パワーを注ぐべき業務にリソースを集中できるようになり、生産性向上につながります。
田辺 当法人では、全国にある中小企業の約80%が社労士と顧問契約をしていないと推計しています。その主たる理由は、社労士に依頼する業務のほとんどはスポットで発生するにもかかわらず毎月顧問料を支払うのは難しいというものです。こうした企業にも社労士サービスを行き届かせたいとの想いから「スポット社労士くん」が生まれました。
事業主に「スポット社労士くん」を紹介する際には、単に社労士業務を請け負うだけはなく、企業の成長に応じたサービスを提案する姿勢を示すように心がけています。顧問契約と比較して、スポットのほうがより幅広い層の顧客に社労士サービスを提供できている手応えがありますね。
「スモールビジネスを通して世の中を面白くする」理念への共感が導入の決め手
伊勢 freee人事労務は2017年から導入しています。顧問契約ではなくスポットで業務をお引き受けする当法人のビジネスモデルとの親和性が高いです。
関根 freee人事労務を導入する以前は、スポットで業務を引き受けていると、私どもでは顧客の経営状況を点(テン)でしか把握しきれていませんでした。年度更新や算定基礎届などのように、年に一度のペースでご依頼いただく顧客だと、前年から給与データが変わっていても、期間中に何が起きたのかが見えにくかったのです。
顧客の変化を詳しく把握するためには、給与計算を通して点から線で結びつけて見れるようにすればよいと考えました。数ある給与計算ソフトの中からfreee人事労務を選んだた理由は、理念に共感した からです。社労士サービスを全ての中小企業に届けたいと考える当法人にとって、スモールビジネスを通して世の中を面白くしたいと強く掲げるfreeeは貴重なビジネスパートナーになると思いました。強い理念があれば、プロダクトもきっとより良いものに変化できる、そういう期待も込めてfreee人事労務の導入を決めました。
田辺 「スポット社労士くん」のビジネスモデルだと、毎月発生する給与計算の代行を受けるだけの手が回らないのが実状です。そのため以前は給与計算代行のご相談は断らざるをえず、顧客獲得やビジネス拡大の機会を逃していました。freee人事労務で給与計算を自動化で対応できるようになり、今まで逃していた機会を掴めるようになりました。
伊勢 給与計算のご相談をいただいた際には「私どもは、給与計算業務を代行するのではなく、freee人事労務の導入をサポートする」スタンスを示しています。
こう話すと、最初は代行してもらえないことに戸惑う方もいらっしゃいますが、自社で給与計算業務をすることのメリットを説明すると多くの方がご納得いただけます。初期導入時に正しい設定ができているか確認したり、基本的な操作方法を説明したりすれば、顧客は自ら給与計算を理解していってます。顧客からは「今まで税理士や会計士に任せきりであやふやだった給与計算をfreee人事労務で自動化できるようになり、基本給や手当の配分を見直すきっ かけになった」との声もいただいています。
給与計算の変遷を通して顧客の成長を可視化。サービス提案機会が拡大し、受託業務は3倍増
田辺 freee人事労務を導入して私どもからも顧客の給与の変遷が見えるようになったことで、ビジネスチャンスに広がりが出てきました。給与計算を通して従業員の雇用や企業の成長ステージも見えるようになったので、適切なタイミングで就業規則の作成や助成金の活用などのご提案ができるようになっています。
関根 私どもの組織は担当業務単位でチームを編成しており、それぞれの領域でより専門性が高いサービスを提供できる体制をとっています。定期的にミーティングを開催して顧客の課題や現状などを全体で共有し、柔軟にチーム間での連携をとれるようにしています。顧問契約では一人で顧客のあらゆる人事労務課題に対応しなければならないため広く浅い対応に留まりかねないですが、業務別のチーム制であれば、顧客の利益になる提案をしやすいです。
田辺 freee人事労務の活用とチーム制の運用の両軸がうまく噛み合って回り出すようになったこともあり、freee人事労務を導入してからは受託できる業務が3倍くらいは増しました。会計事務所を通して当法人を紹介していただく際に、freee人事労務がサービスラインナップにあることを喜んでくださったこともありました。最近では、税理士から協業のお声がけをいただく機会も増えてきています。