資金調達の選択肢を増やすことがビジネスの成長に。元銀行員smooth代表 中野氏が語るファクタリングのメリット

smooth合同会社 代表 中野 祐希 氏

課題
早期の資金調達

“smooth合同会社


「ローカルビジネスをスムーズに」を企業理念とし、法人・個人向けにITツールの導入コンサルティング、金融機関向けコンサルティング事業を行っているsmooth合同会社。同社の代表である中野氏は、石川県に本店を置く北國銀行銀行員として地域の企業への融資などに携わった後、2018年に独立されています。


資金繰りや会計に関する専門性を有しコンサルティング事業を行う同社が、如何にしてファクタリングを利用しはじめたのか。資金調達手段としてどのようなメリットがあるのか、同社代表の中野氏にお話を伺いました。

地方銀行員として地域の企業のコンサルティングを経て独立

―― まず初めに、中野様はsmooth合同会社にて具体的にどのような事業を展開されていらっしゃるのでしょうか?

中野 中小企業や金融機関向けにIT導入支援コンサルティングを行っています。具体的には、中小企業向けにお客様に合わせた業務フローを設計し、インプリベンダーとして会計ツールやグループウェアなどの導入から運用、定着までを行っています。企業や銀行の業務効率や生産性向上の一環として支援をするだけでなくその先のビジネスを成長させるための教育や研修なども行っています。


もともと地方銀行の行員として地域の企業に対するコンサルティング業務を担っていました。企業が活性化する実感や仕事へのやりがいを感じておりましたが地方銀行ということでエリアが限定的になってしまうことから、その幅を広げるべく独立を決意し、smooth合同会社を設立しました。



―― 企業から金融機関まで支援されているとのことですがどのように営業開拓をなさっているのでしょうか?

中野 まだまだ小規模な企業ですので、限られたリソースで最大限のパフォーマンスを発揮するため、様々な企業様とアライアンスを実施し、営業開拓を実施しております。ご支援させていただく割合は、中小企業が圧倒的に多く、OJTでご支援させていただいています。プロジェクトの期間はだいたい4~5ヶ月程度です。

先払い・後払いなど支払いサイトのズレを解消すべくファクタリングによる調達を検討


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―― 御社のプロジェクト単位での、キャッシュフローについてお伺いできますか?

中野 プロジェクトのゴール設定をした段階で先に支払いいただくということが殆どです。とはいえ、取引先企業によって支払い条件が異なります。例えば、出来高という場合もあれば、2~3ヶ月先という後払いの取引先もあります。



―― 先払いのケースが多いとのことですが、中野様からそのように先方へご依頼されているのでしょうか?

中野 もともと、業界では先払いが一般的なので、、先払いの条件で進めさせていただくことが中心だったのですが、取引先が増え、またその規模も大きくなるにつれて後払いかつ入金サイトが長くなることがあります。


入金サイトが長くなる時は、請求書ファイナンスでの資金調達ができれば安心だと思いました。「支払いサイトが長いのでお受けできません」となれば、せっかくの機会も逃してしまうことになりますからね。



―― リスクヘッジとしての資金調達を想定されていたのですね。

中野 当社が成長フェーズであり、従業員をこれから増やしていきたいという段階だからこそ様々な資金調達の手段が欲しいと考えていました。売掛債権を売却することで資金調達ができる「ファクタリング」は運転資金として気軽に調達できる方法であるため、候補となりました。


教育段階にある新入社員であれば、仮に先払いの取引が中心だったとしても、人件費が先行してしまうことも当然想定しています。先行投資として売上が立つ前に資金が先に出てしまう際、資金が必要となります。常時借りられる枠を持つということがビジネスを行う上で必要だと思いますね。

「請求書ファイナンス」で素早く資金化できる


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―― 従来はどのような資金調達をされていたのでしょうか?

中野 銀行から融資を受けています。元銀行員ということもあり、資金調達の方法に関しては一般的な経営者の方よりもよく知っています。 これまでは、事業を動かしていく上で資金調達が必要になれば銀行からの融資というのが主でした。また、人件費以外の支払いに関しては法人用のクレジットカードを利用して支払いを行なっています。これも調達の一つと言えるかもしれません。



―― 一般的な中小企業の経営者にとって銀行から融資を受けることは、制度的にも精神的にもハードルが高く感じられることもありますよね。

中野 どのように調達をすれば良いのかがわからないといった声をお聞きすることもありますね。私自身、元銀行員でありながらも銀行サイドが事業計画や資金使途など詳細な情報を元に審査することを理解しているがゆえに融資相談に関しては心理的なハードルがあるのは確かだと思います。



―― freeeのファクタリングサービスである「請求書ファイナンス」をどこで知りましたか?

中野 freeeを利用している中で、リリースを拝見しサービスの存在を知りました。「freee会計という会計のインフラから資金調達ができる」のは非常に画期的だと思いました。


例えば、銀行であれば、請求書を持って行って「融資を受けたい」と伝えてもそう簡単に受けられないですよね。それに、事業計画や手形を担保に融資を受けるといった、なんらかの裏付けや信憑性を持つものを担保に融資が行われるのが一般的です。


一方で、ファクタリングの場合は請求書がその裏付けになる。なので、銀行で融資を受けるのと比べて非常にスピーディに手続きが進むのがメリットですよね。



―― 「請求書ファイナンス」を利用しようと考えた最初のキッカケはどういったところにありますか?

中野 オフィス移転の際の一部設備資金の支払いなど、通常の運転資金とは異なる支払いが発生した時、銀行からの資金調達を考えていました。ただ、設備資金の調達のために綿密な事業計画の提出するのに非常に手間を感じたのです。


例えば、什器や設備など様々な業者の方から見積もりを取っていると、内訳を出すのにとても時間が掛かってしまうんですよね。業者によっては口約束に近い形でポンポンと進んでいくことがありますし、施工状況によって見積もりも上下することがあります。正確な見積もりのエビデンスがない状態ではそもそも銀行に取り合ってもらえない。ここにギャップを感じました。


そこで、「請求書ファイナンス」を使って入金を早めることで、手元に資金を持っておくことができます。そして、ある程度オフィス移転費用に必要な資金が正確に分かった段階で銀行融資を受ければ良いという想定で利用しました。そうすれば、正確な見積もりも手元にあるので、銀行借入れの際の無駄を格段に減らすことができますよね。

銀行融資だけにこだわらず様々な資金調達手段を想定することが重要


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―― ファクタリングのメリットをどのようにお考えですか?

中野 請求書ファイナンスはつなぎ資金として活用し、限られた期間の中で返還をするものです。


不必要な額の調達を行い「今使わないお金を積んでおく」「綿密な手続きや書類の準備が必要になる」ことも無いのでメリットを大きく感じました。



―― 一般的なファクタリングサービスと比べて違いは感じられましたか?

中野 freeeのユーザーであれば利用でき、請求書があれば事前に資金調達できる額がわかるというのはとても良いと感じました。freeeを日頃から利用しており、その製品自体に価値を感じているので、freee以外ののサービスであれば利用していなかったかもしれません。


特に、これから成長を目指すベンチャー企業であれば、資金調達が必要になります。その中で、「いつ」「どのくらい」借りられるかを知っておけるというのは重要なことです。


ベンチャー企業は、いわば1ヶ月2ヶ月先のビジネスが約束されていないこともあるわけじゃないですか。なので、現在と未来のキャッシュポジションが大きく違うこともあります。何か問題が発生したときのための枠として非常に有効だと思います。



―― 最後に、資金調達に課題を感じている方にアドバイスをお願いします。

中野 銀行融資というのは、今後も有効な資金調達手段だと思っています。ただ、適切な資金調達の手段を選択できることが重要で、場合によっては、資金調達に時間を掛けすぎるのは良くないと思うんです。銀行融資を受けるために1週間2週間と時間が掛かることを考えれば、資金調達に知見を持っているか否かを問わず、その場その場でメリットの大きい資金調達を選択することが大切です。


特に融資に関する知見や経験がある方こそ、銀行にこだわりすぎてしまう傾向にあります。ファクタリングを始め、利便性やコストを考えて最も最適な資金到達の手段を選べると、よりビジネスの可能性が広がるのではないかと思います。

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