特別養護老人ホーム「いなほの里」の運営を中心に、ショートステイや訪問介護など、さまざまな方法でシニアの方をサポートする社会福祉法人「白岡白寿会」。「地域福祉の進歩発展に貢献すると同時に、全従業員の豊かな生活を追求すること」を経営理念とし、従業員が安心して働き続けることができるような環境作りに取り組んでいる企業です。
それまで使用していた給与管理ソフトの保守期間が切れることをきっかけに、従業員数が急増していることもあり、人事労務ソフトの導入を検討し始めます。その際の直近の目標は、迫り来る年末調整の作業に間に合わせることでした。
実際に導入するまでのスケジュールが超短期でしたが、freeeの短期集中 導入支援サービスを活用しながら年末調整までに導入できた経緯や、freeeを選んだ決め手について、白岡白寿会の事務長、平山様にお話を聞きました。
- 【課題】
- 従業員数・拠点数が倍になり、1人労務での対応が限界に達してしまった
- 早番・遅番・夜勤の3体制シフトや雇用形態の違いが複雑で、勤怠管理チェックのミスが頻発
- なんとか今年の年末調整に間に合わせたい!
- 【導入の決め手】
- 勤怠・給与計算が一画面で完結できるため、タイムラグやタスク漏れなどのミスが起きづらい点
- シンプルな操作性だから、今後労務の人数が増えても引き継ぎコストがかからない
- 導入〜運用まで2ヶ月間という、超スピード導入が実現できる「短期集中プラン」があったこと
- 【導入後の効果】
- 1日おきに1時間ずつ手厚いサポートが受けられたことで、無事2ヶ月で導入&年末調整に間に合った
- 差し戻しやチェックの工数が激減し、作業時間を3分の2〜半分まで削減!
従業員増で1人での対応が限界に 勤怠集計ミス防止のためfreee導入へ
――freee人事労務導入前のバックオフィスはどのような状況だったのでしょうか。
労務作業に関しては私一人で行っており、以前は他社の給与管理ソフトと紙のタイムカードを連動させる形で管理していました。
24時間稼働の施設なため、早番・遅番・夜勤の3体制がシフトの基本なのですが、人により早番だけの方もいますし、それぞれ正社員やパートなど雇用形態も異なります。
多種多様な働き方を把握しなければならないことに加えて、事業所も増えたことにより、従業員数も以前は50名程度だったところが、倍の100名以上へと増えていきました。現在は2カ所の事業所があり、それを一人でチェックしています。
人数が増えた分、シフトの確認も何日間にも分けてチェックしていたのですが、ミスが多いことが問題となっていました。
シフトは部署ごとの担当が作成して、提出してもらっています。それをもとにタイムカードと突き合わせていたのですが、どうしても事前に決めたシフトから変わることも多く、変更点を本人に確認して、目視でチェックすることに。また、時給の設定も人によって異なります。その中で、見落としが出てしまっていたのです。
――人事労務ソフトの導入について検討し始めたきっかけは何ですか?
それまで利用していた給与管理ソフトの保守が切れるため、このタイミングで新たに人事労務ソフトを導入したいと考えていました。
導入ソフトを検討し始めたのは、2021年9〜10月頃だったのですが、迫り来る年末調整の作業に間に合わせなくてはいけないという危機的状況だったので、かなり急いで探しました。年末調整の対象となる、社保に加入している方は、100名超のうち半分程度。とはいえ、ボリュームがある作業なので、焦っていましたね。
ここで変えなくても、これからまだ人数が増えていくので、いずれ変えることになります。このタイミングで変えるのがベストというのが、社内でも統一の意見でした。
――「年末調整に間に合う」以外に、どのような条件で探されていたのでしょうか。
年末調整以外では、クラウドで管理できることと、タイムカードと連動できることが条件でした。この条件をクリアできる人事労務ソフトでないと、従業員の人数が増えることにバックオフィスが耐えられないと考えたからです。ひとまず、インターネットで検索し、導入ソフトを決めることに。freeeさんはそこで知りました。
勤怠・給与計算を一画面で完結できる点とシンプルな操作性が導入の大きな決め手に
――数ある人事労務ソフトの中から検討されたと思いますが、freeeの導入の決め手を教えてください。
メインメニューがひとつで、まとめて管理できるところが魅力的でしたね。他社のソフトでは機能がバラバラで、給与計算は給与計算、タイムカードはタイムカードと分かれていたんです。そうするとタイムラグが発生したり、どの作業をやったのか、やらなかったのかがわからなくなりそうと感じました。
現在は労務関係の作業を一人で行っていますが、今後バックオフィスのメンバーが増えることも考えると、作業手順を伝えるときにわかりやすいもののほうがいい、できるだけシンプルなものがいいと感じました。
freeeの画面は、だいたいここをクリックすれば、あの機能の画面に行くんだろうなと操作について想像しやすかったのが良かったですね。いただいた資料もわかりやすかったです。こういったシステムを利用するのは初めてでしたが、「これはどうするのだろう?」といった疑問は、あまり浮かびませんでした。
あともちろん費用を比較した上で、他社よりもコストが抑えられる点も魅力でした。
導入支援サービス「導入アドバイザリー 短期集中プラン」の活用で、2カ月間で導入へ
――検討開始から導入まではどのようなスケジュールで行われましたか?
2021年の9〜10月から導入する人事労務ソフトを検討し始めて、11月に契約を行いました。同時に、従業員へ年末調整のお知らせを出して入力してもらいました。
ひとまず年末調整の作業については活用できたのですが、freee人事労務を導入したもう一つの目的である給与計算については、本格的な導入まで至っていません(※取材時時点)。ただいま導入準備中ですので、準備完了次第で活用できればと思います。
――導入にあたり、「導入アドバイザリー短期集中プラン」という導入支援サービスを活用されたとのことですが、いかがでしょうか?
サポート体制も導入の基準として重要視しており、年末調整作業が始まるまで2カ月間しかなかったため、2〜3カ月という短期間でもfreeeの導入を完了できるというこちらの導入支援サービスを活用することにしました。
ほぼ毎日、少なくても1日おきには活用していましたね。毎回1時間ほど確保し、初期設定の各種作業をマンツーマンで相談しながら一気に進められたので、スムーズに導入できました。
また現在、給与計算についての導入前の準備を行っているのですが、手計算との差額や何が違うのかということをひとつひとつ洗い出しているんですね。ひとつひとつの作業をすべて一緒に作業し てもらっており、問題点がその場でわかるので助かっています。
これまで人事労務ソフトを使ったことがないからこそ、何が問題なのか、何がわかっていないのかさえ、自分ではわからないことも多いです。しかし、丁寧に対応していただいているので、安心して導入できています。オンラインでの対応という点も、不安や抵抗はありませんでしたね。
――短期でのスピード導入に対して、従業員の方たちからはどのような反応がありましたか。
従業員は若い方が中心だからか、ほとんど問題は起きず、スムーズに導入できました。新しいツールだからといって、やりにくいといった声もありませんでしたね。一部の年配の従業員だけこちらでサポートしましたが、数名だったので問題ありませんでした。
導入支援サービス「導入アドバイザリー 短期集中プラン」の活用で、2カ月間で導入へ
――年末調整について、freeeを活用したことでどのような効果がありましたか?
これまでは紙の申告書を提出してもらって、目視でチェックして……ということを行ってきましたが、ウェブ上で入力してもらえるのはすごく楽だと感じました。
これまでだと、年に1回のことなので、みなさん何を入力していたか忘れてしまって、問い合わせが来たり、記入を間違えている人 も多かったんです。書き直しになっても、都合が合わずにいつまでも本人に会うことができないケースもあり、追いかけることも大変でした。
でも、今回はいつでもメールで差し戻しができましたし、ほとんどの方にすんなりと利用していただけたことも助かりました。年末調整の計算も自動でできたので、こちらで手計算もしなくていいのも楽でしたね。
以前は、記入期間として紙の申告書をお渡ししてから2週間〜1カ月後、だいたい11月半ばに締め切りを設定し、そこから見直しの作業などを行っていました。見直しや確認などトータルで1カ月ほどかかる仕事だったのですが、今回は締め切りが11月末と例年よりも遅かったにもかかわらず、チェックもスムーズに行うことができ、作業時間は3分の2〜半分ほどに。残業時間も減らすことができました。
――今後は給与計算も使われるとのことですが、いつ頃導入の予定でしょうか。
2022年2〜4月の間で考えています。年末調整の作業でスムーズに利用してもらえたので、従業員のみなさんも混乱なく使ってもらえそうだなと感じています。一部の方は、まだスマホを持っていないケースもありますが、その数名分は手作業での対応でも、ボリュームが少ないので大丈夫かなと。
正式に導入できれば、タイムカードと連動して給与計算ができるので、これまでとは違って、ミスが減ることを期待しています。
――導入後、給与計算にかかる時間が圧縮されたら、次はこんな仕事に取り組みたいといった希望はありますか。
給与計算以外に経理や業者修理依頼など雑務も多いのですが、できれば人事管理に時間を費やしていきたいです。最初は小さな事務所でしたが、どんどん人数が増える中で、管理し切れていない部分があります。そういった部分に時間を割いていきたいですね。
求人PRのために作ったという、有名映画作品のパロディ風ポスター。館内に飾られており、遊び心あふれるビジュアルになっている
(取材・執筆:ミノシマタカコ 撮影:藤原慶 編集:杉山大祐/ノオト)