『情報社会に新しいジャンルを創る。』を理念に掲げ、リユースPCの修理、販売、卸売りを主力事業としているリングロー株式会社。自社再生品であるリユースPCの品質管理を徹底しており、国内生産実績は業界トップクラス*を誇っています。
*リングロー調べ
課題
・仕訳内容と明細を目視で確認し、消込作業をするなど時間がかかる業務が多く管理会計など分析業務に時間を割けなかった。
導入の決め手
・クラウド化により、管理者が直接試算表を閲覧できるようになること。
・将来的には経理業務は全て自動にしたく、freeeには「自動で経理」機能があり将来性を感じたこと。
導入後の効果
・操作画面のみで経費精算の申請が完結するので従業員から作業時間が減ったとの声があがった。
課題を感じるも前に進まなかった業務効率化…
――freee導入前の貴社のバックオフィスはどのような状況でしたか?
井柳さん(以下、井柳): 私は人事総務、広報、経理の3つのバックオフィスからなるブランド戦略本部に属しています。その中でも、経理は私一人が担当しております。
freee導入前、経理は私含め3人で行っており、主にExcelをメインツールとして業務を実施していました。経費申請では、従業員が申請書をExcelで作成していたため手動入力でのミスが発生したり、また作成した申請書はメールで回覧していたため確認工数に時間を要している状態でした。
当時は他社の会計ソフトを利用していましたが、会計ソフトの仕訳登録の内容を入力する際、明細を目視で確認する必要があり財務会計や管理会計など時間を割きたい業務に着手することができませんでした。
――そのような状況の中で、freeeを検討されたきっかけは何かありますか?
井柳: 関連会社ではfreee会計を導入しており私自身、関連会社の経理業務を担当することがあったためfreee会計を操作することがありました。その際に、業務の操作性などの観点から現状業務とのギャップを感じ、工数削減のためにもクラウド型会計ソフトへ乗り換える意向を持ちました。しかし、様々な事情があり導入が先延ばしになっていました。
システム導入のきっかけは2、3年前にコロナが落ち着くと同時にパソコンの需要が下がり始めたことです。コロナ禍では業績がピークに達していたため比較すると業績は落ちており、人員や固定費の見直しが進めら れました。その中で経理業務に関してはシステム化することで人件費などのコストを削減することを決定しました。
バックオフィスを見直し、戦略的な検討を
――システムを導入するにあたり、どのように進めていきましたか?
井柳: 社内ではコスト見直しと並行して、まずはDX化に取り組むための軸を決めました。そして、バックオフィス全体のあり方を見直し、人事総務・広報・経理が一体となり会社の価値や取り組みをアピールをしていく「ブランド戦略本部」が立ち上がりました。
経理の役割としては予実管理や財務会計、会計管理などの分析業務に集中することで会社の価値を見出していきたいと考えていました。そのために確認工数を減らすことに着目し、クラウド型会計ソフトを中心に情報収集しました。
最終的には関連会社が導入していたことで使い慣れていたfreeeにすることになりましたが、一番の決め手となったのは「自動で経理」の機能です。以前から、確認工数や手作業を減らすことや、分析業務に集中するためにシステムを検討していたため、将来的に経理が全自動になると期待できるfreeeに決めることができました。
「自動で経理」で作業時間が半分に!!従業員の働き方も変化
――ズバリ、freee導入 の効果はどのようなものがありますか?
井柳: 「自動で経理」の機能は期待通り効果を感じています。今まで仕訳は毎月1,500件程度、手作業で行っていました。freeeを導入したことで仕訳だけでなく消込作業も半自動で行われます。今では1,000件ほどの仕訳が自動で登録されていますので業務時間も半減しましたし、以前発生していたミスもなくなりました。
従来、経費精算はExcelで申請書を作成してメールで回覧していましたがクラウド上で繋がっているのでfreeeのシステム内で完結できるようになり、メールを送信する工数や確認工数が減りました。具体的には、元々3営業日ほどかかっていた業務が1営業日まで短縮されています。従業員からは申請、確認、どちらの作業も早く済むようになったとの声が届いていますね。
またfreeeは銀行口座だけでなく、Amazonや楽天などECサイトと連携して購入明細を取得することができます。以前は目視で購入明細を転記する必要がありましたが、今は自動でfreeeのシステム上に明細情報が反映されるのでミスや作業も減り、経理としては非常に嬉しい機能です。
――freeeを導入したことで実現されたことはありますでしょうか?
井柳: 弊社ではPC再生産作業や電話サポート業務に従事している職員もいるため、出社を必要とする業務も多くなかなか多様な働き方を許容できる業態ではありませんでした。また経理部に関してもオンプレミス型ソフトを使っており、指定PCでしか利用できず外部にも持ち出せないため出社の必要がありました。
しかし業績回復に向けた業務内容の見直しがきっかけとなり、freeeを含む全社でのクラウド化が進みました。同時に人材確保・流出削減に向けた働きやすさ改善も実施されある程度コアタイムはあるもののリモートワークが可能になりました。
社内ではある程度スケジューリングされた上での出社時間、退社時間の設定ができるようになり、平日でしか手続きができないプライベートな予定や子供の送り迎えの時間の確保などがしやすくなった印象です。
ビジネスモデルの効率化を実現させ、事業規模拡大を目指す!
――これからfreeeの導入を検討する企業に何かアドバイスはございますか
井柳: 検討段階では、会社の方向性を軸に「どのようなDX化に取り組むのか」を決めておくと目指す目標が明確化されると思います。まずはその目標に向かって最適な運用方法を選定することが業務効率化への近道ではないでしょうか。
私個人が一番おすすめしたいのは「自動で経理」機能です。複数のクラウド型システムを比較検討しましたがこの機能はfreeeにしかなく、実務面でもかなり活用しております。弊社では将来的に経理業務は全自動化し、分析などに注力し会社経営を伸ばしていくことを目指しております。なのでfreeeにはこれから頑張ってもらいたいです!(笑)
――バックオフィス業務の今後の展望はいかがでしょうか?
井柳: 従来は3人で取り組んでいた経理業務がfreee導入後は1人で回せるようになりました。以前経理に割いていたリソースはブランディングに注ぐことができています。これからの経理は予実管理や財務会計、管理会計などの分析に尽力していくことを考えます。業務効率化の次はビジネスモデルの効率化を実現させ、売上だけでなく事業規模の拡大、信用力の向上に努めたいと思います。
業績を上げることで事業規模が拡大しても、経理に人員を増やすことなく一人でも回せるように工数削減できるところには積極的に取り組み、まずは体制を整えていきたいと思います。