一方、さまざまな種類のサービスを運営していることにより、同社の会計処理は複雑。創業から14年、業務の効率化をはかった「スーパーリセット」を機に、クラウド会計ソフト freee会計を導入。生産性向上をはかりました。同社の経営戦略部で経理部門の改革を推進した経営戦略部長・公認会計士の名和俊輔様に、freee導入に至った経緯や今後の展望などを伺いました。
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freeeでは、ご導入の相談を無料で承っております。貴社の課題を伺った上で、
改善のご提案を差し上げます。まずはお気軽にご相談ください。
――設立の経緯や御社サービスへの想いを教えてください
「もっとおもしろくできる」。経理部門も例外ではない
弊社は2003年から個人向けレンタルサーバー「ロリポップ!」の運営を始めました。「ロリポップ!」を皮切りに、さまざまなインターネットサービスを展開し続けています。
「ロリポップ!」のほか、ドメイン取得サービスの「ムームードメイン」、ネットショップ運営サービス「カラーミーショップ」、ブログサービス「JUGEM」、ハンドメイドマーケット「minne」など、おかげさまで多くのユーザーの方にご利用いただいています。
企業理念は「もっとおもしろくできる」。企業理念を策定した2008年当時、ユーザーの表現活動がどんどん広がるにつれて私たちの会社も少しずつ大きくなっていきました。おもしろいサービスを作ることはもちろん、おもしろいと思ってもらえるアウトプットを出すこと。部署や職種を問わず、「もっとおもしろくできる」アウトプットは無限にあります。経理部門も例外ではありません。
これからも、インターネット上で何かを始めたいという人の「社会インフラ」として役に立てるサービスを提供していきます。
私は元々監査法人出身です。退職後、税理士法人に転職したあと、上場準備企業でIPOプロジェクトに参画。未上場から上場を果たすまでの世界を経験しました。
今度は上場後、会社をバックオフィス部門から大きくするフェイズに携わりたいと思い、2年前、熱い夢を持つ社長の姿に心打たれてGMOペパボに入社。現在は経営戦略部に所属しています。
――freee導入のきっかけとご利用状況を教えて下さい
たくさんのサービスを運営。サービスにより会計処理が異なる大変さ
現在、弊社はホスティング、EC支援、ハンドメイドマーケット、コミュニティといった、たくさんのサービスを運営しています。サービスによって会計処理も違いますし、まとめるのは大変な部分があります。私が入社した当初は人員も十分ではなく、一番人が少ないときは、経理部門に所属する人数は私含めて正社員2名+派遣の方2名という状態だったのです。
このような状況の中、土台をしっかり構築するため、部門方針を3つのフェイズに切り分けました。フェイズ1は組織の安定化、フェイズ2は業務の平準化と生産性向上、フェイズ3は、一般的なルーティン業務を超えた非定型業務への取り組みを行うことです。現在は経理担当者が増え、フェイズ1は達成できたと思います。 現在取り組んでいるフェイズ2の検討段階で、クラウド会計ソフト freee会計に出会いました。
定型業務を止めて事業部は効率化を実現。経理部門に何ができるのか
弊社は創業して14年。さまざまな部署で定型業務が雪だるま式に増えてしまっていました。危機感を感じた社長の佐藤 健太郎が、社内全体で業務の「スーパーリセット」を行いました。スーパーリセットとは、定型業務を全部一度、綺麗に止めてみようという取り組みのこ と。毎日の日報や定例会議、定期的に自動配信されるメールなど、さまざまな定型業務を止めてみたのです。
これにより、本当に必要な業務とは何か?を考えるきっかけとなり、各部署で業務効率化を実現しました。
では、経理部門では何ができるのか。他の部署と同じように、経理部門の業務をスーパーリセットすることが必要だと考えました。
たとえば毎月の決算。10以上あるサービスの決算を5営業日で締めなければならず、定期的に月次決算作業日には残業が発生していました。この状況を解消するため、経理部門をアウトソーシングすることも検討したのですが、根本的な解決策とは言えません。 また、チェック体制にも問題がありました。経理業務はミスをしないことが重要。しかし、それを追究するあまり、必要以上にダブルチェック・トリプルチェックが義務化されていたのです。
スーパーリセットを機に、経理部門の本質的な業務は何かを考える
スーパーリセットはいままで知らず知らずのうちにルーティンワークと化していた業務にメスを入れ、経理部門を立て直す良いきっかけとなりました。 これを機に、なぜ不必要なチェックが経理業務に起きているのか、改めて考えました。
freeeの方とのブレストを通じて気付いたのは、いままで行っていた経理業務のムダについて。例えば売上に関する業務だけでも、稟議申請、請求書発行、売上計上、債権管理台帳作成、入金消込という多くのプロセスが発生します。このプロセスの途中で使用ツールが変わると、情報の形が変わってしまい、ムダな作業が増える原因となります。そこでfreeeを利用してこれらすべてを一括管理すれば、効率化を実現できると考えました。発生源から基幹の処理まで、一気通貫で処理する構想が生まれたのです。
freeeという会社のすごいところは、その構想を実現させてしまう開発力。弊社とのブレストを通じて生まれた要望を短期間で実現させてしまうところにあります。今まで20年以上も変わらなかった会計ソフト業界の中で明らかに革命を起こしていると実感し、その未来にも期待を寄せるようになりました。
上場企業である弊社にとって、会計エンタープライズ版がリリースされたのも導入の追い風になりました。課題を増員やアウトソースによって人力で解決するのではなく「テクノロジーで解決するべき」という、弊社の考える本質的な解決に繋がっています。
会計フローをfreeeに一本化することで、月間約70時間の削減を見込む
導入効果の試算としては現在、少なくとも月間で約70時間の削減になると見込んでいます。これまでダブルチェック・トリプルチェックを行っていた部分をfreeeに一本化したり、freeeを利用して会計フローを整備したりすることで、ムダな業務が削減できると感じています。
――今後の展望について教えて下さい
自分から外に発信するために。経理部門の非定型業務にはテクノ ロジーの力が必要
経理業務においてはミスを起こさないことが最重要課題です。しかし、定型業務だけでは付加価値としては弱いでしょう。その先のプラスアルファとして、非定型業務としてのアウトプットが重要になってきます。
現在、非定型業務は私一人が担当していますが、これから目指すべきはフェイズ3。部署全体で、経営分析や企業再編など、経営戦略に関わる非定型業務に携われるようになることが重要だと考えています。
そこで重要なのは、テクノロジーの力です。 定型業務に追われるのは、時間がもったいないと感じています。経理の定型業務もどんどん自動化されていく流れになるでしょう。
ペパボとして大切にしていることは3つ。「みんなと仲良くすること」「ファンを増やすこと」「アウトプットすること」です。バックオフィスは自分から外に発信するよりも、受け身で業務に取り組んでしまいがちなので、私個人としては「アウトプットすること」を重視していきたいです。
東証一部への市場変更を目指し、アウトプットできる経理部門を構築したい
直近の大きな目標は、東証一部に市場変更すること。私は前職でIPOのプロジェクトに関わっていた経験があり、社長からも「知識や経験をうまく使ってほしい」と言われています。私個人としては、GMOペパボが東証一部まで上がるということが一つの使命だと思っています。
東証一部に上場すれば、業務量が増え、さらに複雑な業務が発生する可能性もあります。テクノロジーの力により、定型業務を 効率化することで、非定型業務に力を割く体制が構築できれば、経理部門として必要なアウトプットを大切にすることは、難しくはないはずです。
経理部門は過去の情報を最も定量的に把握しているからこそ、それらを分析して将来を予測できるポテンシャルを持つ存在だと考えています。
freeeの強力なサポートのもとで、積極的にアウトプットできる経理部門を構築したいと考えています。
*GMOペパボ株式会社は、2020年12月11日をもって、東京証券取引所市場第一部銘柄に指定されています。
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