バックオフィスのDXから医療の成長を後押し!拡張性のシステム体制の構築でデータ経営に挑戦

医療法人弘済会 宮川病院

課題
経営の課題をリアルタイムに把握エクセル・紙管理からの脱却月次決算を早期化し事業の意思決定スピードを上げたいバックオフィスの体制構築・効率化

スタッフ3人かかっていたバックオフィス業務が1.5人に効率化!

山梨県に根を張る宮川病院様。本当の意味で地域に根付いた病院を目指し、最新の医療機器など最高の医療サービスを提供する。基本理念の『患者さまに親切な対応と安全な医療を提供し、地域に信頼される病院を目指します』を基に、地域・患者・職員にも愛される病院づくりを目指している。


地域でも最先端な医療機関を目指していく中で、今後の様々の経営データをfreeeと連携して分析のできる拡張性を第一に考え会計だけでなく給与計算・勤怠管理・会計と包括的なクラウド化とペーパーレス化を実現し将来的な経営基盤の構築を目的にfreeeの導入を決定しました。


導入の経緯や解決できたことについて、院長の宮川さんにお話を伺いました。


導入前の課題

元々は他社の会計・勤怠システムを導入していたが、経営のデータを横串で見れない状況で、経営分析を進めるにあたってデータの一本化に取り組む必要があった。また在庫管理など複数あるツールの情報をどのように束ねて【経営状態の一元管理】を実現するかが課題となっていた。

導入の決め手

freee単体でも会計から労務など一貫して情報を見れるだけでなく他社システムとAPIによる連携でのシステムマップの拡張性が高かったこと。導入事例や記事を調べ尽くした結果、高い評判もあったこと。

�医療法人弘済会 宮川病院


医療現場のDXが進み、満を持してバックオフィスDXへ

――freeeをご検討された背景はどのようなものになりますか?

宮川院長(以下、宮川): 従来はバックオフィスの業務のほとんどが紙媒体を中心に構成され、数値をタイムリーにみたり分析をしたいと思った時にすぐに分析することができない状況でした。


私自身、当時はまだ経営者という役割ではなかったのですが、将来的に経営者になり「経営に目を向ける」ことを意識し始めたタイミングでした。やはり、会社経営と数値は密接な関係にありますので、「数字をいつでも分析できる状態」を目指したことがきっかけです。


2010年代から電子カルテの導入など、医療現場のDXや業務改善に積極的に取り組みを進めていましたが、数値の根幹になる会計などのバックオフィス領域のDX化はまだ実現できていない状態でした。


現場で良い機材を用いて患者様、職員ともに満足度が改善することも非常に大切ですが病院全体の経営という目線で考えた際に、根幹分の数値を分析することができない状態に危機感を覚えました。


――freee導入前にはどのような課題がありましたか?

宮川: まずは、勤怠打刻が紙のタイムカードを利用していたので集計に時間がかかったりミスの危険性があるなどの課題を感じていました。一方で、経営レベルの課題として感じていたのが病院全体での意識です。


「医療人としての役割は何か?」そう聞かれた際に私は、「患者様に安心を与える仕事」と答えています。例えば、大学病院や規模の大きい病院は医療施設が充実しており、最先端の治療を受けることができます。一方で医療報酬は国が定めていますので患者様が負担する金額は同じです。


地方の医療機関だからといって、設備が不十分であったり満足のいく治療が受けられない状態であることは許されないと考えています。いかに地域と密着して患者様の満足度を上げていくか?数値以上の価値がそこにはあると考えています。


そのような背景から考えた際に、院内全体の数値を見える化して意識改革の最初のステップとして取り組めるのではないか?と考えました。タイムカードを作ること自体は仕事ではなく、得られた数値をどのように活用するのかが非常に大切です。


実業務の効率化だけではなく、その「考える力」をシステム導入を通じて養えるのではないかという狙いもありました。


――課題がある中でシステム検討で重要視されたポイントはなんですか?

宮川: 一番初めは先ほどの通り、勤怠打刻のシステム化から始めました。ただし、部分的な最適化・導入は検討しておらず当初からバックオフィス全体を考えて最適であるか、目的にあっているかを考えていました。


冒頭でお話しした通り、経営の根幹である数値を把握・分析を行い適切な改善アクションを実行することも目的の一つでしたので拡張性が高いシステムを探していました。freeeはまさにオープンAPIの思想で、様々なツールと連携を行い全てのデータがfreeeに集約、分析を実現できると感じました。


この考え方をもとに、システム選定を行うと選択肢はほぼfreeeに限られました。もちろん、他のシステムも比較・検討しましたが、freeeほど拡張性に優れた会計・人事労務システムはないと思いました。


適切なアウトソーシングと省人化により会社の更なる成長への基盤を構築

――freee導入後の変化、現在のバックオフィスの状況はいかがでしょうか?

宮川: 導入前のバックオフィスの体制は、経理業務だけで3.5人に加え別途タイムカードを集計する担当がいる状態でした。freeeを導入したあとは、体制が整い会計・人事労務含め、バックオフィス全体の業務を1.5人で回せるようになりました。なんと、経理に至っては時短の職員が1人で回せる状態まで業務が効率化されています。


freee導入前は、あらゆる業務に紙が介在しているとお話ししましたが、今では給与明細すら紙で発行することは無くなりました。freee人事労務を活用することで、年末調整など幅広い業務をシステムで一貫して効率化できています。唯一、年末調整の書類回収は職員の慣れもあるので、今後ペーパーレスでやっていきたいと考えております。


紙のタイムカードでアナログ管理となっていた勤怠管理については、スマートフォン一つで打刻や勤怠情報の修正ができるようになり、バックオフィス業務から紙が激減しました。


職員の就業データと会計との連携もできているので、会計に計上された残業代から単純な残業時間だけでなく、どの部署が特に時間がかかっているかなど業務効率性なども見に行けるフローが構築できています。


――freeeを導入したからこそ実現できた新しい取り組みはなんですか?

宮川: 医療業界はすごく特殊なので、業務の中でシステムに触れる職員は限られている一方で、特定の誰かでないと業務を行うことは出来ないという体制は避けたいと考えています。


バックオフィス業務のアウトソーシングも積極的に活用しておりまして、社内で実施する業務と税理士さんやBPOの会社に外注する業務を切り分けて属人的な業務体制にならないことを徹底し経営の健全性を保っています。


また在庫管理についてもシステムを導入しているのですが、コストロスによる経営へのインパクトなどもfreeeとのAPIでの連携により会計や労務以外の病院経営に関わるあらゆる情報を管理できており、経営改善に寄与しています。


医療法人弘済会 宮川病院


持続可能な業務体制と労働環境を目指す

――これからfreeeの導入を検討する企業に何かアドバイスはございますか?

宮川: 勤怠1つとっても壁にバインダーが掛かっている紙のタイムカードで管理するという体験とシステムで一元化されている状態は職員の満足度に大きく影響している思います。


残業時間についても勤怠と健康管理がデータベースとして一元化されており、誰が残業時間が多いのかを捉えてすぐにフォローすることができることは、就労環境の整備という意味合いでの効果も大きいと思います。


採用力が強まったという実感もありますね。前職との就労環境の違いを感じとって頂き、導入前より若手職員が入職を決めて頂くことも増えたことは嬉しい限りです。


――今後の展望はいかがでしょうか?

宮川: 少子高齢化が進む社会の中で、未来を見据えて経営していくことが重要だと考えています。今の10代が社会に出た時、また高齢者が増えていった時に、どのような社会になっているのかを考えると病院はまさに人の命を預かる場ですから、無くなってしまったら困る人が沢山いると思います。


そういった事が起こらないようにすることは前提の責務だと思っていて、数十年後も持続可能な病院であるために、システムを使いより効率的に業務を行えるように職員を教育していくことと、職員が長く働きやすい環境を作ることで地域社会に貢献し続けたいと考えています。


医療法人弘済会 宮川病院


掲載日 2025年1月7日


Company Profile

医療法人弘済会 宮川病院様(山梨県)
従業員数:51名以上
URL:https://www.miyagawa-hospital.com/


事業内容

病院経営

医療法人弘済会 宮川病院