案件と経理を一元管理。「誰でもお金の流れが見える」基盤づくりを目指して

株式会社MIC 取締役副社長 浜野 陽介 さん IT事業部取締役 黒川 洋平 さん

課題
分散しているツールを一元化インボイス、電帳法対応

株式会社MICは、1989年に設立されたオークションシステム開発と運営を手掛ける会社です。中古車オークション業界からスタートし、今ではさまざまな業界のリユース品流通に特化したシステムの構築と提案、システムの保守業務を行なっています。

今回は導入の主体者である取締役副社長の浜野陽介さん、IT事業部取締役の黒川洋平さんへインタビュー。freee販売の導入で解決したかった課題や導入後のメリットなどをお伺いしました。

BotB市場のオークションシステムにおけるプロフェッショナル

MIC


――MICさんの具体的な事業を教えてください。


浜野さん(以下、浜野): 弊社はリユース品流通に特化したシステムの構築や運用保守をメインに事業展開しており、創業35年になります。もともとは中古車オークション業界で中古品を売買するシステムを構築していました。


ただ、中古車業界に限らずオークションを商業とする業界は多数あります。弊社が培ってきた技術を活かし、ここ10年はバイクや農機、ブランド品業界まで幅広く対応し、お客さまのご要望に合わせたシステムの提案をしています。

営業スタイルとしても、多数の新規顧客に対してアプローチするより、既存の顧客からのシステム保守の依頼、追加の発注、紹介で新規の依頼を受けることが多いです。

「財務状況を把握しているのは社長のみ」の状況を打破するために

MIC


――freee販売を導入する前はどんな課題がありましたか?

浜野: 売上や経費などの基本的なお金の管理を含めて「財務状況を把握している人物が社長だけ」という状況でした。私たち経営陣を含め、営業に携わる者が売上を把握できていない状況は問題です。


例えば、弊社の事業内容のひとつにお客さまへのシステム提案があります。多くの場合、システム導入の目的は売上アップやコスト削減などです。お客さまの会社の数字を把握して課題を解決する提案をする必要があるにもかかわらず、自社のお金の流れをわかっていない。これでは良い提案はできないと思いました。

また売上がわからないことで数値的な目標が立てづらく、営業担当者は「どこを目指して具体的に行動すればよいか」が定まらない。これだと社員のモチベーションにも影響が出てしまいます。

――営業だけでなく、浜野さんご自身が課題に感じたことはありましたか?

浜野: 会社の未来を考えたときに危機感を覚えました。先ほど話したとおり弊社のビジネスモデルは、新規顧客を獲得して収益を得るより、既存顧客からのシステム保守や追加発注での収益がメインです。


ただ、既存のお客さまからの案件が続くとは限りません。どこかのタイミングで新しいビジネスをつくる必要があります。そこで、新しいビジネスをつくるための投資予算を捻出するために、まずは会社のお金の流れを把握することが必要だと感じました。


――freee販売を導入してどう変化しましたか?

浜野: 誰でも簡単に収支状況を閲覧できるようになり、会社全体のお金の動きが可視化できたと思います。


今までの業務フローだと、見積書の作成は営業、請求書の発行は経理が行なっていました。業務が分断されているうえに、属人的な管理だったため、正確なお金の実績や見込みを把握できません。結果として会社全体の売上がわからず、誰も見られない状況でした。


freee販売の導入後はクラウド上で案件ごとに売上や原価が一括管理されるので、お金の動きをすぐに把握できます。適切な情報を適切な人が見れるようになったことで、ようやく自社の数字を把握する“土台”ができました。経営目線からも、数字が可視化されたことで会社の財務分析ができ、今後は新規事業への投資金額を捻出もできるようになるでしょう。


点在していたデータ管理を、freee販売で集約。お金の流れが見えるように

MIC


――さまざまな会計ソフトがあるなかで、freee販売を選んだ決め手を教えてください。

浜野: freee販売であれば、案件ごと、会社ごとでの数字の流れの見える化が簡単にできると思ったのが決め手になりました。今まではExcelなどのアナログな方法で管理したり、一部のデータ抽出だけ別の案件管理ソフトを使っていたりなどデータの所在がバラバラでした。freee販売であればデータ入力の場所も統一でき、クラウド上で「お金の流れの見える化」が可能なので、弊社の課題を解決してくれると思いましたね。


さらに、営業や経理が業務の一環として入力する「管理的な会計」だけではなく、入力したデータをもとに会社の数字もすぐにデータ化してくれるため、「戦略的な会計」の役割も果たしてくれます。情報は適切なメンバーが見ることができる点もあり、導入を決めました。

――実際の運営担当である黒川さんはどうでしょうか?

黒川さん(以下、黒川): 電子帳簿保存法やインボイス制度に対応するタイミングでもあったので、最初はfreee会計だけ入れる予定でした。しかしfreee会計の導入支援の段階で、担当者へほかの悩みも相談するうちに、freee販売なら見積書・請求書の対応できて、かつ案件管理もまるっと対応できると教えていただきまして。


もともと使っていた別の案件管理ソフトより値段もリーズナブルで実際に使いやすかったこともあり、freee販売の導入を決めました。

フローが明確になりミス防止、営業と経理の工数の削減に成功

――実際にfreeeを使っていて感じるメリットはなんでしょうか?

浜野: 1つ目は、見積書や請求書などにかかる工数が減ったことです。見積書を作る効率も体感ですが半分くらいになった印象です。今まではExcelへ入力したり、一部の別の案件管理ソフトへ別途入力したりしていたので単純に作業工数が減りましたね。


また営業と経理の作業範囲が明確になり、処理状況も把握できるのでミス防止になり、無駄な工数が削減されています。今まで多かった請求書の出し忘れも減っていくと思います。


2つ目は、案件ごとで売上と原価が出るので粗利がわかる点ですね。厳密な数字を測ることは難しいですが大枠がわかるだけでも、データをもとに見積書内容の改善や工数の改善にも役立つと思っています。今後はまとまっている経費も案件ごとに按分できないか進めているところです。


数字の見える化で経営基盤を整え、会社の新しいサービス立ち上げを目指す

MIC
(神田の新オフィスにて)


――今後の事業の展望をお聞かせください。


浜野: 今後は、現状のビジネスモデルも維持しつつ、新規サービスを立ち上げたいですね。オークションシステムのパッケージングソフトの販売や月額制で提供できるサービスも考えています。会社の売上を担う収益源になるようなサービスを開発したいです。


そのためにも、まずは会社の経営状況の把握と分析を行なっていきます。


――freee販売の導入を検討している方に、アドバイスをお願いします。

黒川: 案件管理周りの業務フローが整っていない会社にオススメですね。システムを導入することでフローが明確になります。システム側も業務フローをしっかりと考えて開発されているので、総合的に業務をシステムに合わせる方がうまくまとまって余計な工数をかけずに済むと思います。弊社のように在庫を持たない、工数を管理するような業種でも十分に活用できます。


また、クラウドだからどこでもアクセスできる点がいいですね。今は働き方も多様化しているので、どこからでも情報にアクセスできると問い合わせ対応もスムーズにできます。


(取材:2024年3月)


Company Profile

株式会社MIC
設立:1989年11月
住所:〒101-0044 東京都千代田区鍛冶町2-7-14 CIRCLES神田駅前3F
URL:https://www.inter-mic.co.jp/


事業内容

中古車オークション業界で30年以上システム構築してきたノウハウと、築いてきた顧客関係を活かして、様々な業界でのリユース品流通に特化したシステムの構築と提案をメインに事業を展開。取締役副社長の浜野とIT事業部取締役の黒川の2名が、freee販売の導入・運用の責任者。

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