経理部門も例外ではありません。多岐に渡るバックオフィス業務のサービス一元化を図り、2016年にfreee会計を導入。さらなる効率改善を目指す同社の宇佐美和樹様に、freeeの導入に至った経緯やその利便性について伺いました。
――設立の経緯や御社サービスへの想いを教えてください
よりよいライフスタイルとワークスタイルの創造を目指し、2014年に創業
2014年に設立された弊社は、キャリア女性に特化した転職サービス「LiBzCAREER」など、女性向けライフキャリア支援事業を展開しています。
もともと私は公認会計士。監査法人や財務コンサルティング会社、投資銀行などで働いていました。ほとんどの会社では、9時から5時まで会社にいて働くことが当たり前。しかし、業務量によってはより短い時間で仕事が終わることもあります。もっと柔軟な働き方があってもいいのではないかという疑問を抱き、独立の道を選びました。フリーランスの会計士として活動する中、転機となったのは弊社CFOと面談したときのこと。働き方の柔軟性について企業全体が考えており、「人生という、ただ一度のチャンスを、自分らしく生きよう。」というマインドに共感し、2016年8月から入社しています。
現在は会計士としてのフリーランス活動を続けつつ、LiBに週3日勤務しています。
――freee導入のきっかけとご利用状況を教えて下さい
リモート勤務者の多いバックオフィスの会計データを一元化
“「生きる」をもっとポジティブに。” というビジョンをもつ弊社が大事にしているのは、「仕事もプライベートも大切にする」カルチャー。そのため、リモートワーク勤務者が多く在籍していることが会社の特徴です。
リモートワークというと、エンジニアやデザイナー等の一部の職種の社員の働き方だけがフォーカスされがち。しかし弊社では、それ以外の職種もリモートで働ける環境が整っています。弊社のバックオフィスも、育児中の社員や時短勤務の社員など、柔軟な働き方をす社員が多くいます。
事実、私もフルタイムの勤務ではありません。それでも業務が滞りなくやっていける理由は、弊社のバックオフィス体制にあります。
リモートワーク体制を整えるにあたり、オフィスにいる社員とオフィス外で働く社員との情報ギャップを埋めることは最重要課題。会計業務すらもクラウドで情報を管理できるサービスが、会計士の私としては魅力的に映りました。
クラウドを活用し、バックオフィスのリモートワークが可能に
実は私が入社前は、管理部門はリモートワークすることが困難な状況でした。インストール型会計ソフトを使ったり、システムが混在して業務構造が非効率になっていて、出社せざるを得ない状況に置かれていたからです。
これでは弊社の理念を実現できません。そこで入社後、会計システムをインストール型からクラウド型へ切り替えを提案。総務周りでは、すでにG suiteで資料のやりとりをしていたこともあり、経理業務もクラウド化を進められると考えたのです。初めて使用したのはfreeeではなく、他社のクラウドソフト。導入後、入出金の管理は非常に効率的に回せるようになりましたが、証憑管理業務は従来のインストール型会計ソフトとあまり変わり映えしませんでした。このままでは、期待した以上の効率化は厳しいと考えました。
そのとき選択肢に挙がったのが、外部サービスとの連携に強いfreee。営業管理の数字から経営管理まで情報の一元化を目指していたので、freeeひとつで課題がすべて解決すると感じたのです。
リモート・常勤問わず、会計に携わる社員は総務・経営管理観点を持って働いていることが非常 に多いもの。だからこそ弊社では、担当者全員が常に同じ情報を見れられることがバックオフィスの目指すべき姿だと考えています。
請求書PDFをドラッグ・アンド・ドロップで簡単起票。freeeで仕事のムダ3割削減
freee会計導入で得られたメリットは、情報の一元化だけではありません。freeeを導入してみて、仕事の無駄が3割ほど削減できたと感じています。
たとえば請求書の処理。
紙で届いた請求書をPDF化し、ドラッグ・アンド・ドロップでfreeeにアップロードするだけで、未処理の請求書として蓄積されていきます。それをクリックし、何項目か入力するだけで起票できてしまうのです。従来のソフトでは、エビデンスに結びつく会計処理をシステム側で担保してくれるサービスがありませんでした。証憑管理と仕訳の結びつけがあまりにも簡単で、驚きました。
freeeの目指す「スモールビジネスに携わるすべての人が創造的な活動にフォーカスできるよう」というビジョンは、バックオフィスの理想像ですし、弊社のバックオフィスもfreeeを使いこなし、より創造的な活動に励みたいと考えています。
弊社では、まだ試験段階ですが、徹底したクラウド化を進めており、将来的にバックオフィスがリモートワークでも会社が回るようにしたいと考えています。私自身も週3日勤務、リモートワークで働いており、クラウドの利便性を感じています。
導入に際しては、私とCFO、管理職が協議した管理体制を社内に共有。そのとき社内にいるバックオフィスの社員がルーティンワークをこなせるような仕組みを整えています。管理職がいなくても業務が回る体制がつくれたことで、ここぞというときに、本質的な業務に注力できる。クラウドの活用により、そんな強い組織へと弊社は変革しつつあります。
――今後の展望について教えて下さい
会計上の数字を共通原理に。freeeの活用で攻めのバックオフィスを築く
LiBでは今後、より無駄をなくす組織体制をつくりたいと思っています。freeeをはじめとしたクラウドの活用により、積極的に業務を効率化していきます。
バックオフィス全員が問題意識を持ち、総務や人事、それぞれの立場から問題を突き上げて改善してゆく、「攻め」の姿勢でやっていきたいと考えています。バックオフィスのメンバーが増え、人事や総務、経理などの仕事が細分化していく中で、すべての会話の土台になるのは、会計上の数字。数字を見ながら「会社が今どうなっているのか」を全メンバーで共有しあえるのは理想の姿です。
たとえば備品購入を例にしても、これまでの体制では備品を管理する総務と、会計を管理する経理が分断された状況でした。しかしこれからは、不備があれば経理サイドが気付く前に、「この数字ちょっとおかしい」と各部署の担当者が指摘する。バックオフィス全員がPL/BSを見て、全社経営で業務を回す。そのような使い方ができると効率的だと考えています。
きちんと情報を一元化し認識を合わせ、みんなで適 宜アラートを出し合う仕組みを構築していきたいです。これまで以上にどんどんfreeeを使いこなして、バックオフィス業務を効率化していこうと考えています。