――設立の経緯や御社サービスへの想いを教えてください
「もっと感謝などの感情を価値として届けられる世の中になればいいのに」という考えが忘れられない
Kyash設立のきっかけは、「世の中に存在したらいいなと思えて、かつ自分が使命感を感じるものを創りたい」、というのが大きいです。ホストファミリーをしている家庭環境で育ったため、様々な価値観の留学生に触れることが多かったです。その中で印象的だったのが、日本にはチップがないこと。当時滞在していた留 学生に、「日本にはなぜ感謝の気持ちを表す”チップ”がないのか」みたいなことを言われまして。
チップの概念に端を発し、共感や感謝を価値に変えて届ける行為って、日本では言葉にするのが美徳とされているけれど、それでは伝わりきらない相手や場面もあると感じました。価値をシンプルに流通させられるチャネルがあれば、文化の枠を超えて、価値の移動が感情のままに行われていくんじゃないかと考えたんです。
銀行員時代に、アメリカのマーケット担当になりまして。日本と違って、アメリカでは日本のカード会社と銀行が行っていることがワンチャネルになってるので、銀行口座を見に行けばカードで使ったものが全て見られるんです。銀行とカードの要素が融合するだけでもインパクトが大きいなと。チャネルに限らず、通貨の移動ももっと簡単になれば、新しい金融機関やお金の形を創れるのではと思い、2015年の1月にKyashを創設しました。
「価値交換を通じて世界を豊かに」というミッションを掲げ、無料送金アプリ「Kyash」の開発・運用を行なっています。
――御社の経営やバックオフィスの考え方やポリシーを教えていただけますか?
領収書をまとめて申請する作業は、全社員共通のストレス
弊社もそうですが、スタートアップでは1人の業務範囲が幅広く、タイムマネジメントが重 要です。弊社では時間に対する投資は惜しみません。その考え方は、経営だけではなくバックオフィス業務にも反映されています。
経費精算を例にとると、領収書をまとめて申請する時間やストレスは社員全員にあると思います。他のソフトだと、経理だけが効率化するような部分最適になってしまいます。しかし、freeeは経理だけではなく、特別な知識がなくてもシンプルに操作できることを目指していて、メンバー全員が本質的な仕事そのものに集中できる環境を作ろうとしています。私はfreeeの価値観に共感していて、「仕訳だけではなく、経理業務全体にストレスをかけないことを考えているところ」が、freeeを選んだ重要なポイントです。
クラウドかつ、モバイルに対応していることもよかったです。いつでもどこでも知りたい情報にアクセスできることはとても重要。特に、給与や経費精算がちゃんと入金されたかって、ふと思ったときに見られるのはありがたいです。freeeだとモバイルでもアクセスできるので、好きなタイミングで確認ができるのがすばらしいです。
――freee導入のきっかけとご利用状況を教えて下さい
改善スピードの速いfreeeでなら、バックオフィスの業務改善が常にできる
freeeを導入したのは、私がKyashにジョインしたタイミングです。前職ではfreeeを使っていたのですが、Kyashでは別ソフトがすでに入っていたので、最初はそれを使うつもりでした。ただ、freeeに比べると、労務がカバーされていなかったりと機能面で不満がありました。また、他の会計ソフトを使って感じたことですが、freeeは改善スピードがすごく早い。今後企業が拡大していくなかで、「freeeでなら、バックオフィスの素早い業務改善ができる」と感じたことが導入の決め手でした。
ベンチャーは少数精鋭で、一人ひとりの仕事量が多いです。メンバーそれぞれが主業務に集中できるように、なるべくバックオフィス業務は手間をかけずに効率化する必要があります。freeeなら給与計算も経費精算も、バックオフィス業務をすべてfreee上で完結できます。もしソフトが複数にわかれていたら、そのたびに何度もログインしなければいけなくて、それだけで時間がかかりますよね。また、メンバーも、給与明細や源泉徴収票をfreee上で見たい時にいつでも閲覧・ダウンロードできるようになりました。
freeeでペーパーレス化を促進 メンバーが増えたときにも1名で対応可能
また、freee導入でペーパーレス化も整備できました。これまでは証憑を会計データと別に紙で管理していたため、税務申告や監査で証憑を探す際に膨大な時間が掛かっていました。freeeにしてからは各仕訳に証憑データを紐づけて管理できるため、後で確認したいときにも 仕訳から素早く証憑を閲覧できるようになりました。経費精算データもPDFで管理し、仕訳と証憑を紐付けています。会計・労務データを一括管理でき、必要なデータをいつでもどこでも参照することができるfreeeは、私にとって無くてはならない心強い仕事のパートナーです。freee上で全てのデータを管理できるため、税務申告や監査の際の税理士・会計士とのデータ共有やコミュニケーションも効率的に行うことができ、安心です。
人事労務でも、給与明細等を今まで前任者がPDFで作り、1つ1つメールで送信していたのですが、人数が増えてくると、違う人に給与明細を誤送信してしまうリスクがあると思います。freeeであれば、それぞれ自分のアカウントで給与明細を見ることができるので、ペーパーレス化により書類管理の手間を省きながら、個人情報の保護もできます。今後企業が拡大しても、freeeに安心して任せられます。
――今後の展望とfreeeに期待することについて教えて下さい
サービスの先にある、ユーザーの暮らしまで設計していきたい
Kyashもそうですが、freeeは、サービスやツールだけを作ろうとしている企業では ないですよね。その先にある、ユーザーの体験や暮らしをよりよく変えようと考えていると思います。これから、弊社も事業成長のために人員を拡大していきますが、freeeと同じく、これからもユーザーの体験や仕事のあり方を変えるようなサービスを提供し続けていきたいと考えています。