フリーの作・編曲家として音楽制作を行ないながら、専業作家のノウハウを発信するブログ「こおろぎさんち」を運営する興梠俊一様。機材の購入などで定期的に事業費支出があり、経理作業を効率化するためにも事業用のクレジットカードが欲しいと考えていました。
しかし、まだ所得が高くない個人事業主で、他社の審査に落ちてしまったこともあって、カードをつくるのは難しいのかなと諦めてかけていたそうです。
今回は、審査が通りづらいといわれる個人事業主として freeeカードを発行するまでの経緯、そしてビジネスカードの使い方をお聞きしました。
freeeカードを発行するまでの経緯
事業用のクレジットカードを作ろうとするも、複数社で審査に落ちてしまう
私の肩書きとしては “作・編曲家+ブロガー” です。音楽の仕事ではゲーム・ドラマ・舞台・CM・VR (仮想現実) コンテンツの楽曲制作や、依頼に応じた編曲作業を行なっています。その合間にブログを書きつつ、新しいことにも挑戦するという生活ですね。
音楽を仕事にしていると、新しい機材を買うことは少なくないですし、スピーカーやソフトウェアにはお金がかかります。また、基本的には自宅で作業していますし、生活する上でクレジットカードは必須といえます。
以前はプライベートで作った個人用のカードを使っていたのですが、実店舗では使えないバーチャルカードで、限度額も低かったため、事業用のビジネスカードが欲しいと感じていました。
そこで、使っていたカードの切り替えも含めて 2〜3 社に申請したのですが、すべて審査に落ちてしまいました。
freee会計との連携を狙い 、freeeカードを申し込む
個人事業主は、事業でそれなりの収入を得ても経費の支出がある分、“所得” は低くなりますよね。審査が通りづらいイメージもありますし、複数社の審査に落ちたこともあって、しばらくは諦めていました。
当時から「freee会計」は使っていたのですが、どこかで「freeeカード」が出たという記事を見たことが一つのきっかけになりました。銀行の残高情報に加えて支払い情報まで自動で同期されるならもっと便利になりますし、「無料ならば欲しい」と思ったので、試しに申し込んでみたんです。
「freeeカード ライト」の申請は…あまり覚えていないくらいなので、簡単だったと思います(笑)。Web 申し込みだけで終わって、審査が通ったという連絡も数日で届きました。
freeeカードの活用法
カードの使い方で重要なのは「支出をコントロールする」意識
機材を買ったり、有料のサービスを使ったりしていると、どうしても多くの web サイトを利用することになります。支払いのたびに毎回カード情報を登録するのは面倒なので、現在は PayPal を使ってクレジットでの支払いを効率化しています。PayPalを使うと何度もカード情報を登録する必要がないので、効率的に支払い処理ができます。
また、事業用に freeeカードを使い、freee会計と同期させることで、個人事 業主として月単位・年単位での振り返りがしやすくなりました。
特に意識していることは、“使いすぎないこと” ですね。大きな買い物は、月の頭に 1 つか 2 つだけ。月の半ばでは高額な支出がないようにして、最も必要なものか欲しいものを翌月に買う。
収入は年単位で考えているので、売上が増えた月があっても派手にお金を使うことはなく、月の支出は大きく変わらないようにしています。昔、お金を借りたことがあるのですが、利子がつくとどうしても返済が負担になりますし、“収支マイナスにはしないこと” は常に意識しています。
ビジネスカードを持つと「経費を使いすぎてしまうんじゃないの?」と聞かれることもありますが、むしろ明細を確認できる分、使いすぎを避けられる気がします。そもそもお金のコントロールは自分次第なので、カード払いだからといって使いすぎてしまうようでは、現金でも同じように使いすぎてしまうと思います(笑)。
個人事業主として、時間と労力を本業に集中させたい
私は事業所得が安定してきた頃に申し込みましたが、開業したての頃、月 5〜10 万円ほどの収入が出始めた頃から使いたかったです。
やはり、自分の時間や労力は本業に集中させたいんですよね。「好きなことを仕事にしたい」という気持ちがベースにあるから尚更です。だ から、freee会計やfreeeカードのような便利なツールがあったらどんどん活用して、面倒な作業をできるだけ効率的に終わらせたい。
私の仕事は “音楽をつくること” ですが、これからの時代で活躍するには、音楽以外の領域にも興味を持って新しいアプローチを取り入れていくべきだと考えています。私は今 VR (仮想現実) という新しい領域にとても興味があるので、勉強にも時間を使いたいんです。
音楽は昔からやってきたので、今では仕事をしていてあまり驚くようなこともありません。ですが、未知の分野を勉強していると、ツールを動かせるようになるだけでも感動します。
そうやって新しいことに挑戦するのは単純に楽しいですし、個人事業主として仕事を続けていくために必要なことでもあると思っています。今後はただ音楽をつくるだけでなく、より広い領域で “サウンドデザイン” といえるような仕事をしていきたいですね。