アニメーションやキャラクターIPを活用したデジタルエンターテインメントコンテンツの開発・運営を行うちゅらっぷす株式会社。プロデューサーやディレクター、プランナー、デザイナー、エンジニアなどのさまざまな職種の方が集まる沖縄の企業です。
人事労務の情報を手作業で集計・計算していたため、工数が多く、ミスも発生していたことが課題でした。そこでfreee人事労務を導入したところ、集計・計算にかかる時間が短縮され、ミスも減ったとのこと。
freee導入の流 れや導入前後の変化などについて、代表取締役社長の中山法夫さん、技術部部長の永田裕一さん、総務部マネージャーの杵鞭美栄子さんにお話を伺いました。
- Excelに勤怠を入力させていたため、ひとつのファイルにまとめる作業や勤務実態の確認など、煩雑な作業が発生していた
- 勤怠の収集〜アウトソース先での給与計算〜社内チェックで10日くらいかかってしまっていた
- 特に大型連休がある月はスケジュールがタイトになり、ミスも発生しやすくなっていた
導入の決め手
- 代表が別会社でfreeeを導入しており効果を実感していた
- 従業員にとって勤怠入力などの操作が直感的でわかりやすいと感じた
導入後の効果
- 2人で5日間かかっていた勤怠集計・給与計算が、1人×1日で終わるように
- 年末調整も、前年度の内容を自動入力する機能などにより感動するくらい楽になった
- 人事情報や入社書類などもfreeeに集約し、人事管理のペーパーレス化も実現
月末締め翌月10日払いの給与にミスが発生してしまう
――貴社の事業内容と皆さんの仕事内容を教えてください。
中山法夫さん(以下、中山) ちゅらっぷすは沖縄の会社で、「美しい」を意味する「美ら(ちゅら)」と、「アプリケーション(Apps)」を組み合わせた造語が社名の由来です。
アニメーションや実写映画の制作のほか、「秘密結社 鷹の爪」など のIP事業も展開する映像コンテンツ制作会社「株式会社ディー・エル・イー(以下、DLE)」の100%連結子会社で、当社はグループのなかでIPを最大限に活かすための会社です。
私はもともとゲームメーカーのプロデューサーをした後、2017年から参加しました。当時は10名程度でしたが、事業や従業員が増え、今に至ります。
永田裕一さん(以下、永田) 私は2018年に入社し、技術部部長兼執行役員として働いています。freee導入時の担当者で、freeeを当社にフィットさせるためのルール決めやフロー構築を行いました。
杵鞭美栄子さん(以下、杵鞭) 総務のマネージャーとしてバックオフィス全般を担当しています。私が入社した時には、すでにfreeeが導入されていました。
――freee導入前、人事総務関連でどんな課題がありましたか?
中山 当時は管理部長とアシスタントが2人で、Excelを使って勤怠情報を管理していました。まず全従業員の情報をひとつのExcelファイルにまとめる作業が発生し、「この日が出勤になっているけど、来ていなかったよね?」といったチェックも挟むため、かなり煩雑な状態でした。
永田 Excel上で集計したデータを外部の社労士の方に提出すると、計算を加えたデータとして返ってきて、それ を社内でチェックする流れです。勤怠情報の管理、給与計算、チェックで5日くらいかかってしまっていたのが課題でした。
中山 当社は月末締め翌月10日払いで、スケジュールがタイトです。特にゴールデンウィークや年末年始は厳しくて、実際に計算間違いや過払いなどもありました。年末調整時や退職時に計算して間違いが見つかって、慌てて返金処理や修正をしていたんです。
別会社での経験から、freee導入を検討
――freee導入を決めた理由を教えてください。
中山 過去別の法人を経営していた際、そちらでもともとfreeeを使っていました。
そんな背景もあり、参加後、当社のバックオフィスの状況を見たときには、無駄を感じていました。半年くらい会社の状況を見てから、freeeの導入に取り組み始めたのです。
freeeは、従業員目線で見たときに簡単だと感じたんですね。一番良いと思ったのは労務管理で、直感的に出退勤を操作するだけで給与計算の多くの部分が済むので、使いやすいと思いました。
――導入の検討から運用開始まではどのように進めましたか?
永田 最初にfreeeの導入を決めてから、1カ月ほど試しに触ってみて、そのあとは「仮でやってみよう」と従業員に使ってもらいました。導入決定から本稼働まではおよそ3カ月です。2019年1月から完全に切り替えました。
それまでExcel管理していたものを、スムーズにfreeeに移行できたと思います。
――導入時に 苦労したのはどんな点でしたか?
永田 強いて言うなら、申請のやり方を周知することですね。導入当時は、勤怠時間の修正申請の項目がなかったので、他の申請項目で代用するなど、工夫が必要でした。
そこで、使い方のルールをドキュメント化してみんなに読んでもらうことに。結果、それほど大きな混乱は起きずに導入できた印象です。
また、それまでは私も人事労務に関して詳しくなかったのですが、freeeを導入しながら調べることで学んでいくことができました。
中山 他に苦労した点といえば、細かな設定の部分です。当初はfreee人事労務で時間単位の有給が使えなかった(※)ので、社内規程をfreeeに合わせていかなければならないこともありました。
ただ、やはり手計算でミスが出るのを解決したかったですし、2人が時間をかけるのがもったいなかったので、規程をfreeeに合わせていくのは、大きな障壁ではありませんでした。
(※)その後のアップデートにより、2022年現在は対応済
勤怠集計〜給与計算の作業が「2人で5日」から「1人で1日」に削減
――freeeを導入したことでどんな変化がありましたか?
中山 給与計算の内製化に成功しました。freee導入後、労務知識を持つ杵鞭が入社したこともあり、社内でほぼ全て完結するようになったんです。
杵鞭 給与計算に5日間使うことがなくなりました。2人で5日間かかっていた作業が、いまでは1日あれば1人でも終わりますね。
総務にアシスタントのメンバーが1人入って、現在引き継ぎ中ですが、来月からは全部任せられると思っています。
前年度の法律改定などの影響で、今年から資料を紙で出力しないと決めたこともあって、手間が大幅に減りました。あとは従業員が慣れて、自分で入力できるようになったので、年々手間は減っている気がします。
永田 給与計算以外にも、年末調整の作業が感動するくらい楽になったなと。毎年「何回同じこと書くんだろう」と思っていたのが、1回入力してしまえば、翌年以降は変更箇所以外を入力しなくても良くなるので。デジタル化することで、従業員が楽になる部分も多いですね。
中山 freeeを導入したことで、公平になったと思います。以前は手作業だった分、「遅刻だけど大目に見る」など、作業担当者の裁量で差配をしてしまっていた部分も、正直に言うとありました。
それが一律のルールで公平になったので、わかりやすく、良いと思います。勤怠に関連するケアの時間もなくなったので、すごく楽になりました。フルリモートになったことも相まって、経営に集中できるようになったので助かっています。
「カスタム項目」の活用で人事情報を集約しペーパーレス化を実現
――それ以外に活用している機能はありますか?
中山 「事務担当者権限」の機能は助かりました。
以前は、アカウントの権限が「管理者」か「管理者以外」しかなくて、前者だと社員の給与金額も含めて全部見えてしまうし、後者は何も見えない状態でした。
それが、事務担当者権限を活用すれば、部長や別のマネージャーの給与は見えない一方で、チェックなどの業務を進めることができます。これは別法人でfreeeを使っていたときには気付かなかった部分でしたね。
杵鞭 「カスタム項目」を活用して昨年から始めたのが、入社した社員の応募書類・入社書類の管理です。
これまでは紙でファイリングしてキャビネットで保管していました。そうすると、書類の確認時に、いちいち鍵を開け、キャビネットのなかから探す必要がありました。freeeのカスタム項目でそれらの書類を人事情報と紐づけておき、限られた人だけが閲覧できるようにしておくことで、そうした手間が省けました。
中山 当社は親会社が上場企業なので、監査で は個人情報の適切な管理を求められています。そうした観点でも、紙ではなくfreeeで管理できるようになったのは良かったですね。
杵鞭 来年度からはカスタム項目で通勤届に関する情報を載せて、さらに効率化したいと思っています。緊急連絡先、資格などについても、後々入力できるようにしたいです。
――最後に、今後freeeの導入を検討している企業の方にメッセージをお願いします。
中山 手作業で人事労務を管理していると、人為的なミスが多くなってしまい、ミスをなくすためのチェックが何重にも必要になってしまいます。freeeを使うことで大幅にコストを削減して楽が出来ると思います。
導入するときのハードルが高いと感じる方には、チャットサポートがおすすめです。freeeさんのチャットサポートはわりとすぐつながります。問い合わせと言えば、電話で待たされるイメージもありますが、freeeならすぐに返答がくるので、活用してもらえればと思います。
(取材・執筆:遠藤光太 写真提供:ちゅらっぷす株式会社様 編集:ノオト)