2005年に創業した株式会社アールティは「ロボットのいるくらしの実現」をミッション、「ロボットとともに働く」をビジョンに掲げ、教育関連のロボットや食品ロボットなど多彩な分野でロボット事業を展開しています。
多くのエンジニアが活躍するアールティ社ではフレックスタイムの導入に伴い、freee人事労務を導入しました。その後、freee会計、freee工数管理も導入。freeeサービスを多く活用いただい ているアールティ社の経営企画室長・人吉さんにお話を伺いました。
課題
・工数が膨大にかかる上、計算間違いの懸念もあった。
導入の決め手
・またクラウドサービスであり、初期導入コストが抑えられたこと。
導入後の効果
・年末調整、有給管理、給与明細の配布などもオンライン上で完結するため、空いた工数で従業員が拡大した社内での事務作業に対応できた。
エクセルでフレックスタイム制の残業計算を管理。会計処理も重なり、月初は毎月てんてこ舞いに
――freee導入前の貴社のバックオフィスはどのような状況でしたか?
人吉さん(以下、人吉): エンジニアが多い当社では社員がそれぞれ働きやすい時間に働いて成果を出せるよう、2018年にフレックスタイム制を導入しました。導入当時はフレックスタイムに対応している給与計算ソフトがあまり多くなく、毎月社員が打刻したタイムカードを元にエクセルで集計し、それを給与計算ソフトに入れて計算を行っていました。
定時が決まっていればタイムカードに印字されたデータを給与計算ソフトに入れるだけで良いですが、フレックスタイム制では残業時間を私たちが計算しなければなりません。当時は3〜4名で経理や財務を兼務した管理部で作業を行っており、計算間違いが発生したり、作業に工数がかかったりと課題がありました。
――業務効率化を進めるきっかけは何だったのですか?
人吉:
当初の給与は、月末締め、翌月10日支払いです。一般的な企業より給与支払いの日にちが早い上に、管理部は経理業務もあり、会計の月次決算や税金の支払いもあります。タスクが多い中で、どれもミスは許されない業務ですから、非常に大変でした。
さらに従業員が増えてきたことで、手計算での給与計算を続けるのは限界だと思いました。エクセルでの管理は、もし計算が間違っていたとしてもチェックするツールもなく、気をつけてやるということ以外に間違いを防ぐ方法がないというのも問題だと感 じました。給与計算は会社の要です。雇用契約は会社で一番大事な契約だと思っているので、金額の間違いがあるというのは許されないことだと思います。
そこで社長に相談したところ、すぐに導入をすべきだと言っていただきました。当社はAIやロボットで世の中をDXしようとしている会社ですから、社内のDXについても積極的に認めていただけました。
freee一択。サービス検討から導入まで約1ヶ月で実現
――どのようにシステム導入を進めていきましたか?
人吉:
当時はフレックス制に対応しているサービスはfreeeくらいしかなかったので、一択でした。またクラウドサービスであり、初期導入コストを下げられるということも始めやすかった理由の一つです。
当時は人数の少ない会社ですから、サービス検討から導入までは1〜2ヶ月程度だったと思います。導入を決めてからはすぐに運用を開始しました。導入当時は社労士さんから勤怠ソフトとfreee人事労務を連携させて使った方が良いとアドバイスされたのですが、freee単体で当社の要求仕様を満たしていたので、結果的に勤怠ソフトは使わなくなりました。
残業代の計算、年末調整、有給管理、給与明細の配布…あらゆる業務の効率化に成功
――freee導入後の変化、現在のバックオフィスの状況はいかがでしょうか?
人吉: 導入の目的であったフレックスでの残業代の計算が圧倒的に楽になりました。月締めから給与支払いまで あまり時間がない中で、迅速に、かつ正確に給与計算が出来るというのはとてもありがたいです。現在は、50名の従業員の給与計算を5営業日で実施することが出来ています。
社会保険の番号も以前は紙で管理をしており、調べるには会社のキャビネットを開けないと参照ができませんでした。でも今はfreeeでデータ管理をしており、アクセス権限を制限しているので、情報の管理はしながらも在宅でも情報を参照できるのがありがたいです。
――他に楽になった業務はありますか?
人吉: 年末調整ですね。導入前は、全従業員に用紙を配り、書いてきてもらったものを集めなければなりません。用紙を配るのはもちろん、期限までに提出してもらえるように社員それぞれに声をかけたり、書類のチェックに時間がかかっていましたが、今はfreeeで一斉通知を行い、オンライン上で提出してもらうだけ。コロナ禍では在宅勤務も増えたので、紙のシステムでやっていたらかなり大変だっただろうなと思います。
その他の書類も、人事関係などで年に1度提出しなければならない書類をfreeeが教えてくれますし、しっかりとデータを入れておけばほぼ自動的に書類を作ってもらえます。書類提出まで電子で完結できるので、手間だけでなく、提出を忘れないかという心配もなくなりました。
freeeの年末調整では、進捗状況も確認することができる
――業務効率化されたと感じたことはありますでしょうか。
人吉: 有給の管理は効率化されたと思います。年に5日の取得が必須である有給を、以前は総務担当者がチェックし、取得していない社員に連絡する必要がありました。freeeであればそれぞれ社員の画面に有給取得日数と残日数、有給付与のタイミングが表示されています。社員から総務への問い合わせもなくなったので、業務効率化に繋がりました。
また給与明細も以前は印刷して紙で配っていました。アルバイトさんの分は、アルバイトさんが出勤するまで渡すことができず、手元に溜まりがちでした。郵送すればコストもかかります。それに専用の用紙を購入していたので、そういった点でもコストがかかっていました。しかしfreeeでは給与明細をオンライン上で確認できるため、コストも工数も削減されました。
「バックオフィスは出社して業務を行う」というのが一般的な考え方かと思いますが、freeeを導入したことでリモートでも業務を行うことができます。固定観念的な考え方を払拭できたことも、良い点の一つですね。
――業務効率化が進んだことで、新たに取り組めたことはありますか。
人吉: 会社が大きくなっていくにつれて、事務量は増えていっています。freeeで給与計算の工数が減ったことで、増えた 事務作業に対応できていると思います。また給与計算の業務量が減ったことで、同時期に発生する会計の月次決算の処理も前倒しで終われるようになりました。
――御社は他にもfreeeのプロダクトを導入していただいておりますが、freee人事労務の次に導入したサービスは何ですか?
人吉: freee会計です。IPOの準備を行うにあたり、監査法人さんと一緒に選びました。書類を全てfreeeで管理できるのは、監査法人の担当者さんにとっても工数が減らせて良いと思います。月次も半月程度で締めることができています。
そして2024年に入ってから、freee工数管理を導入しました。案件の管理はこれまでスプレッドシートで行っていましたが、案件が増えるにつれて、スプレッドシートでは限界があると感じたのです。金額的にもお安く、始めやすかったです。freee工数管理は営業部やエンジニアも利用しているので、営業部・エンジニア・管理部が情報を共有できるというのも嬉しいポイントです。特に、誰が何の業務でどのくらい忙しいのか可視化できたことは大きいですね。
リアルタイムで予実を把握できる連携体制を目指して
――これからfreeeの導入を検討する企業に何かアドバイスはございますか。
人吉: 私がfreeeを導入する時に色々な方から言われたのは、自分の会社のスタイル・ルールをfreeeにやらせようとするのではなく、会社のスタイルをfreeeに合うように変えると使いやすくなるということです。
導入してみてその言葉の意味を実感しています。例えばfreee会計を入れるまで、当社は決まった承認のワークフローがなかったのですが、IPOを目指すということもあって、freee会計の機能に合わせて承認のワークフローを作りました。ゼロベースから導入する方は、あまり余計なことを考えず、freeeの仕組みに合わせて会社のルールを作った方が後々活用しやすいと思います。
――バックオフィス業務の今後の展望はいかがでしょうか?
人吉: 今は購買業務を案件管理に紐づけられていないので、案件管理内でプロジェクトの収支を出せるようにしたいと思っています。案件が発生した段階で、リアルタイムで予実を把握し、モニターできるような状態が理想系ですね。当社は事業の種類が多岐にわたっており、収益構造も様々です。そんな中で早いタイミングで予実を把握できることは、会社の意思決定に非常に良い影響を与えると考えています。
掲載日 2024年12月9日
Company Profile
株式会社アールティ様
従業員数:56名
URL:https://rt-net.jp/
事業内容
ロボットおよび人工知能に関する企画、開発、製造、販売、導入支援、リース、輸出入、設置工事ならびに保守管理/ロボットおよび人工知能に関する教育ならびに技術指導/ロボットおよび人工知能に関する調査ならびに研究/ロボットおよび人工知能に関する各種コンサルティング/ロボットおよび人工知能に関する各種イベントの企画、制作、実施ならびにコンサルティング