課題
- 紙での請求書及び大量の明細の印刷・送付作業に膨大な時間と手間を割いていた
- 帳票の特殊性が強いため一般的な請求書のフォーマットは使えず、電子化を諦めていた
雑誌「PRESIDENT」「dancyu」など紙媒体を中心にオンライン展開もしている出版社、株式会社プレジデント社。61年目を迎える同社は、出版業だけでなく、企業・団体様の編集の受託業務や動画コンテンツ事業、研修・アセスメント事業など様々なサービスを展開しています。
プレジデント社ではコロナ禍以降、全社的にペーパーレス・DX化を推進する流れがあり、雑誌の予約・定期購読の部署の請求書発行に関しても、DX化を進めていく中でfreee請求書の導入に至ったそうです。
経営企画本部長の阿部様、メディア戦略本部事業推進部の高野様(freee請求書導入時点では経営企画本部)、編集事業本部の米山様に、freee請求書を選んだ理由や具体的な活用方法、どんな点を気に入ったのか、詳しく伺いました。
大量の印刷物に悩みながらも、独自のフォーマットゆえ電子化に苦戦していた
――請求書周りに関してどんな課題を抱えていましたか?
紙で行っていたので、手作業でとにかく膨大な時間がかかっていました。要因は、売上が上がった企業に対して全ての明細が出てしまう仕組みになっており、電子で対応できる企業分も紙の印刷のプロセスが挟まっていたことだと思います。請求書専用の用紙や封筒の在庫管理も相当な手間で、それも課題でした。
時間がかかるだけでなく、必要のない紙が大量に消費されることも課題に感じていました。雑誌の予約・定期購読の部署なので、購読者ごとに明細が出るんです。請求書に付随する明細の量が多く、全て印刷されるので印刷物が膨大な量になるんです。多いところだと、一つの請求書に対して付属する明細が3センチも積み上がるケースもありました。
そのため、大量の明細分も含めて紙を確保していないといけないですし、印刷時間もまとまった時間が30分は必要なので、他の方がプリンターを使わない時間に印刷作業を行うようにしていました。
自由なフォーマットとシンプルな操作画面に惹かれて
――freee請求書を知ったきっかけは何でしたか?
freee会計を別のセクションで導入済みだったので、freee請求書というサービスがあることは知っていました。また、社内DXの一環で独自性の高いシステムを各部署が入れている中で、全社として更にDX化を進めるために一元管理したシステムが使えないか、と考えていました。
ただ、帳票に特殊性があったので、当時のfreee請求書では対応できなかったんです。
具体的には、予約商品は税込価格にしなければいけなかったり、消費税などの合算がないフォーマットだったり、鏡の明細に雑誌毎の内訳を載せなければ ならなかったりするので、今までのフォーマットを変えなければいけない場合、電子化は無理でした。
そんな時、「freee請求書が自由フォーマットに対応できるようになる」という情報を得て、既存のフォーマットをそのまま活用できるなら使ってみたいと思うようになりました。
――導入して達成したかったことは何ですか?
今までのフォーマットをそのままにDX化を進めること、部署毎にバラバラだった請求書の出し方を統一することです。
――インボイスや電子帳簿はどのように対応していますか?
インボイスに関しては既存システムで、電子帳簿はパッケージのソフトを使って対応しています。
――競合サービスと比較しましたか?
各々の部署で使っていたものが異なっていたので、どこかにまとめられないか議論した際に複数のサービスと比較しました。
フォーマットの自由度が一番大きなポイントで、次点として使い勝手や操作画面の分かりやすさを比べました。
――導入前に気になった点はありましたか?
freee請求書の導入にあたり基幹システムに手を加える必要があったので、基幹システム改修の工数が気になりました。結果、改修コストは軽微で済みました。
また、うまく使いこなせるかどうかも気になりました。操作がシンプルにできるか、実際に触ってみないと分からないので。導入前の検証環境を触って、操作感が優れていると判断できたので導入に至りました。
――導入〜運用までに留意したポイントをお教えください。
取引先の情報の持ち方に留意しました。基幹システムとfreee請求書内のそれぞれで同じ取引先データを持つことになるので、最新情報を基幹システムで管理し、毎回新しい情報をfreee請求書に入れる運用方法をどう調整するか、予め決めておけたのは良かったです。
工数が半減!全社としてDXを大きく進める一歩に
当初の「手作業の印刷業務で膨大な時間を費やす」「紙が大量に消費される」という課題はほぼ解決されました。
初回は大半が郵送代行で送る形をとり、いきなり全てを電子化に移行できたわけではないものの、体感としては半減くらい工数が下がりました。今となっては7割程度メールに移行できていると思います。
とにかく全てを印刷しなければいけなかった時代から、7割はメールで、残りのほとんども郵送代行で対応できるようになり、印刷や封入作業などもほとんどなくなったので、ものすごく大きな価値を感じています。
――freee請求書の便利なポイントは何でしょうか?
独自の請求書のフォーマットをそのまま使えるサービスは他になかったので、やはりその点が大きいです。また、freee会計などfreee請求書以外の様々なサービスと同じく、画面がシンプルで良いですね。
――改善して欲しい機能はありますか?
取引先情報が自動でアップデートされるようになると嬉しいです。基幹システムで部門の表記揺れが起こるとfreee請求書内で取引先が増殖することになってしまうので、自動連携・自動アップデートが理想です。
請求書と一緒に添付ファイルを送ることがあるのですが、その際に現状一つのPDFにまとめなければいけないのがネックかなと思っています。納品書を一緒に送ってほしいと要望されるケースもあるため、一つのPDFにまとめなくて良い仕様になって欲しいです。
――費用対効果はどう感じていますか?
数値で計算するのが難しいですが、作業にかかっていた時間が大幅に削減できたので、人件費換算ではかなりメリットが出ていると思います。紙代や印刷代も浮きました。
――freee請求書はどんな方におすすめできると思いますか?
請求書のフォーマットが独自で、変えられない企業にとってはとても使い勝手が良いと思います。
また、freee請求書は操作がシンプルでわかりやすいので、システムに詳しい人がいなくても導入しやすいです。
――freeeに期待することは?
freee会計は日常的に様々な部署が使っているので、freee請求書も全社的に広めていきたいと思っています。
実は、かなり初期の頃にfreeeの経理システムをパッケージとして検討したことがありました。その頃は必要性を感じず導入には至りませんでしたが、昨今めざましい進化を感じてどんどん導入する部署やサービスが増えています。
freeeのあらゆるサービスを使いこなして全社のDX化を大きく推進していきたいと思っているので、今後の進化も期待しています。