横浜の香港料理店 (マギーズ・キッチン)では、妻のマギーさんが料理を提供し、夫の浅賀希義さんが本業の傍ら、バックオフィス業務を担当しています。
飲食店の開業も、個人事業の開業も未経験のお二人は、夫婦二人三脚で事業を運営してきました。プログラマーの経験もある浅賀さんは、「クラウド会計ソフトの導入は、自分にとっては非常にロジカルな選択」と語ります。
開業 時にfreee開業を使うメリットや、飲食業態の事業が会計ソフトを賢く活用するポイントについて詳しく伺いました。
目次
得意な料理で香港料理店を開業。夫婦で助け合い事業を運営
マギーズキッチンでは、香港料理を中心にお食事を提供しています。家内のマギーは香港出身で、若い頃から日本が好きでした。日本に留学して日本語を学んでいたほどです。私はもともとシステムエンジニアとしてアメリカ企業で働いていたのですが、香港に長期出張した際、マギーに出会って結婚しました。
昔からマギーは料理が得意で、子供の友達や友人たちが家にきた際に「お店をやれば」と言われるほどの評判でした。香港料理だけではなく、製菓、デザート、パン作りをして、実際にベーカリーで仕事をしていたこともあります。
私の父の体調がきっかけでアメリカから日本に戻り、子供たちも大き くなって手が離れてきたタイミングで、飲食店の開業を考えるようになりました。4・5年前にも一度物件を探したのですが、当時はピンとくるものがなくて。2019年の2・3月頃から再度探し始め、今の物件を見つけました。
仕入れやメニューの考案などはマギーが行い、私が開業手続きや経理などのバックオフィス業務を担当しています。飲食店の開業は、マギーにとっては初めてのことです。かなりの労力を使うというのは想像に難くありませんでした。
また、私自身が元々エンジニアで、さらに財務会計の知識をある程度持っていたため、サポートとしてバックオフィス系は自分がやると宣言しました。
開業届を出すなら、freee開業を使わない手はない
お店を開店したのが2019年6月末、開業届を出す前にオープンをしました。うちのお店はAirレジを使っているのですが、Airレジに会計ソフトの広告が出てくるんです。そろそろ会計ソフトを決めないと…と考えていた際、広告で一番上にあがってきたのがfreee会計でした。
freee会計を導入する際、freee開業を使えば開業届も出せると聞き、freeeで全て揃うのであればと利用を決めました。freee開業は画面で丁寧にガイドをしてくれます。順番に必要な項目を入れていけば、自動的に開業届が出来上がる。これ、使わない手はないですよね。
30分くらいで書類が揃ったので、出力したものをそのまま税 務署に持って行きました。できれば電子申請をしたかったのですが、開店して事業を開始してから一ヶ月が過ぎていたので、直接税務署に足を運び、説明して受理していただこうと考えました。
freee開業のメリットの一つは、開業書類をデータとして残せる点。コロナ禍の影響を受け、持続化給付金、神奈川県からの支援金、家賃の支援などを申告する際、開業届を添付する必要があったのですが、電子媒体で保存できているので楽でした。
クラウドであれば、いつ・どこでも経理作業ができる
会計ソフトの導入に際しては、クラウドを前提で考えていました。
当然ながら青色での確定申告を考えていたので、エクセルだと限界があります。複式簿記で作らなければならないので、エクセルの設計に時間がかかるためです。餅は餅屋じゃありませんけど、パッケージされていて、クラウドで作業ができて、さらに実績がある会計ソフトを使うのはロジカルな選択でした。
クラウドにしたかった理由の一つは、作業環境に縛られない点です。freee会計は、インターネットとブラウザさえあれば、ラップトップでもタブレットでもスマホでも、必要な時にいつでも作業ができます。
一般企業であれば、社内にサーバーをおい たり、システムをインストールして使うケースが多いと思うのですが、私の場合は本業の傍で経理をしているため機動性を重視しました。
本業に加え、私自身のバンド活動や俳優さんのライブサポートもあるため、経理作業をする場合は平日の夕方以降か土日です。空き時間を利用して不定期でレシートをまとめて読み込みしています。本業と自分個人の活動がある状況下でも、柔軟に対応できるシステムを構築いただいているので非常に助かっています。
freee会計で便利だなと思うのは、取引登録を自動で推測してくれる点。あれ非常に便利です。一度、勘定科目を入れるとだいたい次の時にはドンピシャで出てきます。当然確認はしますけど、推測の精度は高いですね。
銀行同期も自動でされるので、画面に出てきたものを登録するだけ。そこも以前の取引登録から推測されて、ほぼその通りに入れられるので非常に助かっています。
会計ソフトを使って確定申告も省力化
確定申告は、3月に入ってから作業を始めて4月の頭に提出しました。空き時間で作業をしているので、1ヶ月ほどかかりましたが、かなり省力化になっています。freee会計を使わなかったら5倍くらいの時間がかかってい るのではないでしょうか。プログラマーをしていたので、もしエクセルベースで全て作っていたら…と考えると、大体時間が想定できるんです。
今もまだ、日々学びを続けているような状況ですから偉そうなことは言えないのですが、業態にあった会計ソフトを早くから選ぶことは重要だと実感しています。
うちの場合は、Airレジに合う会計ソフトという前提が最初にありました。
作業の手間を省けますし、レジと会計情報の連携は非常に重要です。飲食をやられる方であれば、レジのシステムと親和性の高いクラウドの会計ソフトを選ぶことをおすすめしたいです。
バックオフィス業務だけではなく、妻の自己実現をサポートしたい
自分のキャリアとして、個人事業主として独立することはかなり敷居が高く、チャレンジングなことでした。実際に開業をしたのは自分ではありませんが、開業の手続き面や経理面でそれをサポートできたことは非常に嬉しく、達成感もあります。
自分が料理を作れるわけでもなく、実際に仕入れもしませんが、私自身も香港料理が大好きなんです。もともと食べず嫌いなところがあって、海外に住んでても食べ物を積極的に開拓しようという性格ではありませんでした。しかし、マギーと一緒に色々なところに連れて行かれるなかで、香港料理 の良さを身をもって思い知りました。それを日本で広げる一助になれたら嬉しいです。
また、これまで、マギーは子育てに多くの時間を割いてきました。ようやく自己実現にようやくフォーカスできるようになったので、サポートしていきたいです。