80年続くファミリービジネスの写真館。freee会計導入により、経理業務の効率化・コスト削減・紙の保管スペース削減の3つを実現!

株式会社 隈川写真館
隈川翔太 様

課題
パッケージ型ソフトからの移行レジ連携で売上データ入力を自動化口座やカードの明細を自動同期請求・入金消込を自動化

東武東上線「鶴瀬駅」前にある隈川写真館。1940年創業の老舗写真館です。経理を担当するのは4代目・隈川翔太さん。2年前までは祖父が手書きで帳簿をつけていたそうですが、2022年1月から施行された電子帳簿保存法(以下電帳法)の改正にあたり、freee会計を導入。効率化、ペーパレス化に積極的に取り組んでいます。「経理作業が1分でも減ることは、小規模事業者にとってはとても大切なこと」と話す隈川さんに、導入のきっかけや導入後の変化について話を聞きました。


祖父の代から築き上げた信頼関係を終わらせたくない

――館内に飾られた写真はどれも自然体で素敵な笑顔ばかりですね。

どの写真もプロのモデルさんではなく、お客様なんです。人生の節目での撮影が多いので、笑顔を大切にしています。この写真館のコンセプトは「ストーリーのある写真」。10年後、20年後、写真を見ながら思い出話ができるような写真を丁寧かつスピーディに撮影することをモットーとしています。


――笑顔を引き出す秘訣やテクニックなどはあるんですか?

スタジオのカメラを見てください。うんちのキャラクターがついているんです(笑)。これで、たいていの子どもたちはとびきりの笑顔になってくれますよ。


――確かに、笑ってしまいますね(笑)。撮影は、スタジオでの記念撮影が多いのでしょうか?

そうですね。メインはスタジオ撮影になります。七五三や成人式など記念撮影は、年間500組ほど撮影しています。また、幼稚園や学校の行事撮影、卒園・卒業アルバムの制作も請け負っているんです。近隣の約40校と契約しています。


※子どもの笑顔を撮る魔法の道具、うんちのフィギア




――隈川さんが写真館の仕事に携わるようになったのは?

大学を卒業後すぐです。4年前になります。


――大学では写真を学ばれたんですか?

いいえ。経済学です。当時は、家業を継ぐかどうか決めていませんでした。


――そうなんですね。それはどうしてですか?

小学校の頃、家に帰ると、スタジオで祖父や父が撮影をしていました。20年くらい前ですけど、当時、国内の写真館のどこよりも早く、祖父と父はデジタル化に取り組んでいました。新しいものをいち早く取り入れ、上を目指そうとする姿勢が子どもながらにかっこいいなと感じていました。


ただ、その一方で、いろんな方から「4代目」と呼ばれることが多かった。自分の人生を勝手に決められているような気がしてしまい、それが嫌だったんです。


――それでも継ぐと決断されたのは、何かきっかけがあったんでしょうか?

隈川翔太

※経理を担当しているのは4代目の隈川翔太さん、社長の父と写真館を運営している

大学生の頃から、学校行事の撮影など、父の仕事を手伝うようになりました。その際、学校の先生から「息子さん、よろしくね〜」と気軽に声をかけていただくことも多く、父との信頼関係がしっかりできているからこそだと感じました。


また、私がミスをしたときなど、父は謝罪に同行し、その帰りの車の中で、信頼関係を築く難しさを話してくれました。卒業アルバムの仕事を請け負うようになったのは祖父の代から。信頼の地盤づくりと維持の難しさを体感し、それを父の代で終わらせるのはもったいないと感じたことが一つ。


そしてもう一つは、今年で創業から83年目。100年続けたいという思いからでした。


祖父からバトンタッチ、会計ソフト導入も負担は大きかった

――入社後すぐに会計を担当されたんですか?

その頃は、80代の祖父が手書きの帳簿をつけ、顧問税理士に渡していました。手書きなので、やはりミスがでます。電子化を検討し始めた時、祖父が「お前がやってくれるなら」と笑顔で引退宣言。1年間、祖父が手書きの帳簿をつける傍らで、僕もバックアップとして会計ソフトで帳簿をつけました。そこで一通りのやり方が確認できたので、2020年7月から経理担当となりました。


※祖父が付けていた手書きの帳簿




――引き継ぎ後は、どのような流れで経理を行なっていましたか?

閉店後にairレジで精算した1日の売上、売掛金などを紙で出力し、それを会計ソフトに打ち込む。これが日々の作業としてありました。また、請求書や領収書に関しては、手書きで作成し、その都度、金額を会計ソフトに打ち込んでいました。


――作業としては大変そうですね。その頃、課題に感じていたことはどんなことですか?

まず、スタジオ撮影では、キャッシュレス決済のお客様が増えていたので、売掛金や手数料の処理が煩雑でした。クレジットカード会社に支払う決済手数料の端数処理は、四捨五入のため電卓で計算していると1円単位のミスが起きてしまう。これが一番面倒に感じていた作業でしたね。


――手作業のためミスが出てくるんですね。他にはありましたか?

あとは、学校との取引ですと、発注数、請求額の変更が多く、売掛処理が頻発します。記入漏れや二重請求、回収漏れのリスクがあるため、二重三重にチェックをするため手間がかかっていました。また、「写真の注文点数を増やしたい」「請求額が違う」など連絡がきても、何冊もある請求書の束から探さなくてはいけないため対応がスムーズに行えない点も課題だと感じていました。


freee会計導入で閉店後の作業が不要に!

――freee会計の導入を検討したきっかけは?

使用していた会計ソフトが2022年の電帳法改正への対応が不十分で、スキャナ保存ができなかったことです。スキャナ保存ができるクラウド会計システムのうち、freee会計は、他のソフトより、月額で500円〜1000円ほど安くすむためコストパフォーマンスが良いと感じ、2022年1月に導入しました。


――コスト以外で魅力に感じた部分はありましたか?

電帳法対応のファイルボックス機能があること、airレジと連携できること、そして、請求書などの作成から処理までfreee会計上で一括管理できることです。


――どれも課題に感じていたことと関連している機能ですね。課題は、解決できましたか?

キャッシュレス決済に関しては、airレジと連携することで、売掛金、決済手数料などの処理を自動で行ってくれるので、何もしなくても次の朝には処理が終わっているんです! 閉店後の処理が不要になりました。お腹も空く時間なので、少しでも早く帰宅できるというのは嬉しいですね。


――一番面倒だと感じていた作業から解放されたんですね! 請求書などの処理はどうでしょうか?

請求書、領収書をデジタル化できるので、記入漏れや二重請求、回収漏れのリスクが大幅に減りました。学校から「発注数を変更したい」と連絡がきても、その場でfreee会計を立ち上げ、取引先検索をすれば一発で請求書が出てきます。電話対応しながらその場で請求額の変更などができるようになりました。


写真

※帳簿付けだけでなく請求書等の発行もfreee会計で対応



――精神的な部分でもメリットはあったのではないでしょうか?

ありますね。修学旅行の撮影に同行する際、契約校が続けて行く場合は、2週間ほど京都に滞在することもあるんです。撮影を終え、ようやく帰宅したときに、領収書やレジの精算がたまっていると「は〜〜〜〜」と一気に力が抜けるんです。今は、長期の出張あとでも書類の束を見なくて済む。精神的にかなり楽になりました。それに、スマホアプリを使えば、出張先でも作業ができるのもいいですよね。撮影の待機時間などに、旅費交通費のレシートを撮影すれば、その場で処理が完了です。


――経理の作業がどんどん効率化されていますね!

効率化によって、時間が生まれたことが一番大きいです。僕たちのような小規模事業者は、繁忙期は特に、1時間の間に何ができて、どれくらいの利益が出せるかを考えながら仕事をしています。かなり単純計算になりますが、15分かかっていた経理作業が5分になるだけで、1万円の損失を防ぐことになるんです。実際、その10分が売上に直結しなくても、その時間を使って顧客のサービス向上に取り組める。経理にかける時間が1分でも短くなることは、小規模事業者にとってかなり重要なことなんです。


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顧問税理士もユーザー登録することで連携がより密に

――freee会計導入に関して、税理士さんとのやりとりに変化はありましたか?

freee会計は、基本料金内で3人のユーザーが登録可能なので、税理士さんも登録してもらっています。おかげで、私も税理士さんもいつでも作業ができるので、仕訳ミスや抜け漏れの確認、修正が格段に楽になりました。税理士さんも「何があればすぐにチェックできるので便利」と言っていましたね。連携のタイムラグがなくなり、以前より密になったと感じています。


――タイムラグが解消されることで、どんなメリットがありましたか?

以前ですと、例えば、3月の帳簿、伝票などを渡すと、税理士さんから月次レポートが出るのが5月頭でした。1ヶ月のタイムラグが生まれる。そこで「3月の売上がどうで、経費を使いすぎている」などアドバイスをいただいても、4月は何の対策もできずに終わっている。今では、3月のデータは4月の頭には見られるので、問題があれば、すぐに手を打つことができるんです。


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ペーパレス化で業務効率化・コスト削減・保管スペース削減!

――電帳法改正をきっかけにfreee会計を導入して数ヶ月ですが、ペーパレス化は進んでいますか?

導入前は、レシートや領収書は、会計ソフトに手打ち処理をしたあとは、時系列でノートに貼り保管していました。現在は、スマホアプリで撮影、そのままクラウドに保存です。ただ、期中での導入だったため、今期のレシートや領収書はまだ捨てずに保存していますが、来期からは完全にクラウド保存のみに移行予定でいます。


――書類を保管する手間もなくなっていきますね。

そうなんです。これまでは、1年分の信憑書類やバランスシート、決算書類などは、A4のコピー用紙が5000枚入る箱に入れて保管してきました。基本的に10年分を保管するので、倉庫には、10箱がどんと積み上げられています。こういった書類を保管するために作った倉庫ではないので、来期から、一箱ずつ減っていくのが嬉しいですね。


――ペーパレス化の効果も感じているんですね。

僕たちのような小規模事業者にとってペーパレス化のメリットは、これまで話したように業務の効率化、紙代、印刷代などのコスト削減、そして、保管スペースの削減だと感じています。


※もらったレシートはfreee会計のスマホアプリで取り込めば電子保存が完了

※決算書類や証憑類など、1年分の保存書類は段ボール約1箱分。ペーパーレスが進み、来年からは1箱ずつ減っていく見込み




時代の流れを引っ張っていかないと生き残れない

――隈川写真館の今後の展望を教えてください。

カメラ業界で考えると、デジタルカメラの出荷台数はピーク時の2010年に比べ10分の1以下に減っています。その一方で、スマホの普及により、一人あたりの写真保存数は増えている。「写真」を撮る行為自体は以前より身近になっています。そこにうちのような昔ながらの写真館の活路を見出せないかと考えています。ロケ撮影もその一つだと思っています。カメラの性能が上がっているので、スタジオのように大きなライトをつけなくても同じ画質で撮影が可能になっています。これがスタジオ部門で考えていることになります。


――学校などの卒業アルバム制作に関してはどうですか?

学校や幼稚園などのAI化やICT化の流れにきちんと食い込んでいこうと思っています。今は、生徒にタブレット1台の時代です。現在は、学校行事のスナップ写真は、弊社のサイト上で販売しています。それを、学校のICTと連携することで、個人のタブレットから購入できるようなチャンネルを開発できないかなど考えています。


――どこよりも早くデジタル化を取り入れたお祖父様やお父様のイズムが隈川さんにもしっかり受け継がれているんですね。

大手に比べ資本規模は小さいので、時代の流れに乗り遅れるのではなく、ひっぱっていかなくてはいけないという思いが、僕と社長である父との共通認識でもあります。家族経営なので、同じ方向を向いていなければ、お客様のサービスにも支障がでてきます。常日頃から、さまざまなことを話し合っています。とはいえ、喧嘩も多いんですけどね(笑)。


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会社プロフィール
株式会社 隈川写真館
〒354-0024
埼玉県富士見市鶴瀬東1−8−20
事業内容:各種記念写真撮影・卒業アルバム制作など
HP:https://www.kumakawa.co.jp

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