香川県と愛媛県を拠点に給排水衛生設備工事や空調設備工事、消火設備工事、電気設備工事の施工管理、水まわりのリフォーム等をおこなう後藤設備工業株式会社。freee勤怠管理plusを導入後、人事労務においても業務効率改善を目指してfreee人事労務を導入することに。百十四銀行の導入支援を含むICTコンサルティングを活用しながら、社内で迅速に給与振り込みができる体制をととのえました。
今回は後藤設備工業株式会社取締役管理部長の岡内秀郎氏と勤怠管理ご担当者さま、百十四銀行の吉武氏にお話を伺いました。
給与計算を外部委託先に依頼するための作業に、多くの時間を費やしていた
――まずは後藤設備工業さまについて教えてください。
後藤設備工業・岡内氏(以下、岡内): 弊社は昭和16年に「後藤水道工業所」として創立され、香川県と愛媛県を主な拠点として、現在は給排水衛生設備工事、空調設備工事、消火設備工事、電気設備工事の施工管理、水回りのリフォームを行っております。水まわりや空調のトラブルには24時間、365日対応しております。
――今回のシステム導入前には、どんな課題を抱えていらっしゃいましたか?
岡内:
これまで給与振込に大変な時間と労力がかかっていました。
給与計算業務を外部委託していたのですが、外部委託する準備や確認のための自社での作業時間が多かったんですね。外部委託先に依頼するまでに、まずシステム上の勤怠データをダウンロードして、それをエクセルシートの方に読み込んで、それから従業員それぞれの勤務表を作成し、個人ごとに時間外労働の種類や勤務時間などを全部集計したものを、専用集計シートにコピーして、それから時間外賃金を計算するシートとリンクして……と、とにかく大変な作業でした。準備ができたら従業員80人分の勤務表をFAXで外部委託先へ送って、向こうはそれを見て作業をするという流れです。FAXのやりとりは途中でPDFにしてオンラインで送付するように変えましたけれど。それで先方の作業が終わったら、あちらで入力したものと、当方で計算した時間外賃金を突合せして、違う部分があったら入力データの誤入力を指摘して訂正依頼するといったやりとりをして。それから、給与計算したデータをもとに振込をしていました。(弊社で作成した勤務表に基づいて、外注先の給与ソフトに入力したデータをエクセルで提出してもらい、FBで取込んで振込する)
2022年12月に、freee勤怠管理plusを導入しましたが、外部委託先との勤怠データのやり取りは残りました。
手作業が入る分、外部委託先での処理にはどうしても時間がかかっていました。2〜3日はかかりますね。給与振込は月末、月末が休日にあたる場合は前営業日と決まっていますから、もっと早くできないか、ということは以前から考えておりました。
freee勤怠管理plusと連携できることと百十四銀行のサポートを受けられることに魅力を感じて、freee人事労務の導入を決定。
「困った時に電話で教えてもらえることが、とても助かった」
――freee人事労務を導入されたのは、どのような理由からだったのでしょうか?
岡内: 先ほども触れましたが、freee人事労務より先にfreee勤怠管理plusを導入したのですが、そのきっかけは、当社役員からグラフなどで簡単に勤怠を分析できないかと相談されたことでした。それで色々検討したのですが、ほかのシステムは設定の仕方などが難しかったり、しっくりこなかったりして、なかなかこれというものが見つからなかったのです。そのなかで、とあるセミナーでfreeeを知って、スピードの早さや、給与計算の方も連動できるのがわかったので、これならできると思って決めました。
それでfreee勤怠管理plusを導入したのが2022年12月。freee人事労務はその後、2023年7月ぐらいからですね。無料でお試しさせてもらってから本格的に導入しました。
freee人事労務を導入すれば、必要なデータをまとめたら、あとは簡単に給与計算ができるというところに魅力を感じました。月末に休日が重なったときや、年末などはとくに給与計算に費やせる時間が少ないですが、間に合わせないわけにはいきませんから。
導入にあたっては百十四銀行のコンサルティングサービスもお願いしました。百十四銀行がそばで色々とサポートくださるということで、そこに大きな魅力を感じました。それはもう本当に良かったと思っています。私も古い人間なので、電話で教えてほしいときがあり、お問合せの方法が全部オンラインですと、不安がありまして。そういうところを百十四銀行だったら、直接聞けるので、本当に良かったです。ありがとうございました。
そもそも、freee勤怠管理plusを先に導入していたものの、まだ充分に使いこなせていなかったんですよ。そのため、勤怠管 理の方も含めて助けていただきました。
百十四銀行・吉武氏(以下、吉武): freee人事労務の導入支援ということでお仕事をお受けしていたのですが、実際はfreee勤怠管理plusも一緒にやっていかないと、連携するデータのところで疑問点が出てしまうことがあるんです。うまく集計が取れていないところのデータを持ってきて計算しても、結果が合わないので。それで勤怠管理ご担当者さまも巻き込んで一緒に支援させていただきました。
岡内: 勤怠項目の項目名の意味を確認するところからやりましたね。「深夜所定」とか「深夜所定外」って何か、みたいなところから。
勤怠管理ご担当者さま(以下、勤怠管理担当): 弊社はお客様の水回りのトラブルなどに24時間対応しているので、その働き方に合わせて、この時間に出勤した場合は、ここからここまでが「所定」で、といったようなことを紐解いていきました。
初期設定をしっかり行うことが、導入後の業務をスムーズにする秘訣
――導入決定から稼働するまでのご準備で大変なことはありましたか?
岡内: それはもうデータ入力と、特に基になる勤怠管理データの完成度、そこに尽きます。
勤怠管理については勤怠管理担当者がいろいろ研究して使いこなしていましたので大変助かりました。
吉武:
岡内部長はエクセルに大変長けていて、データを加工してインポートするなど、通常ハードルが高いような作業をとてもスムー ズにされていたので、素晴らしいと思いました。
従業員さんが80人ほどいらっしゃるので、入力が必要なデータが多かったですね。人数分の入力を手打ちで対応するのは不可能に近いので、どうしてもデータのインポートをしていただかないといけなかったのですが、人事労務は入力項目が多いので作業はなかなか大変で。それをエクセルでササッとやっていただいたので、流れとしてはとてもスムーズでした。
自社作業になり、スケジュールにゆとりが生まれた一方で、確認者が減ったため、責任感は増した
――新しいシステムが本格稼働していますが、業務効率に変化はありましたか?
岡内: 外部委託に出していたときよりも作業時間はかなり短縮されて、今は半日もかからずに終えています。今までは先方が作業されている間の待ち時間もあったので、それがなくなったのは大きいですね。ただ、関わる人が減った分、チェックする者も減り、責任の重さを感じています。
一度振込する直前にエラーに気がついたことがあって、そのときは焦りました。振込するデータの明細を見て、念の為ほかのデータと突合せをしたところ、何かおかしいと思って。
それは新入社員の振込口座の設定で、科目が未選択だった人がいて、そこには画面上では?マークが表示されていたのですが、それを見落としておりまして。「?マークが出ている」=「エラーが発生している」ということだと気がついていなかったんですね。それで給与振込額と支給額の相違に気が付き、焦って吉武さんにご 連絡しました。失敗が許されない業務なので、スムーズにいかないと焦りますね。
給与明細に関しては、以前は外部委託先が封筒に入れてくれたものを配布していましたが、それが今はメールで配信されているので、配る手間が減りました。メールよりも紙で、と希望があった方が2割ほどいるので、その方々には引き続き紙の給与明細を渡しています。それと松山支店にはこれまで高松から宅送していたので、メール配信になったことで以前より一日早く明細を受け取れるようになりましたね。
――新しいシステムの使い心地はいかがでしょうか?
勤怠管理担当: 事前の設定さえしっかりしておけばとても見やすいですし、申請も難しくないです。従業員それぞれにとっても使いやすいと思います。
岡内: いわゆる社会保険関係の申請が便利ですね。特に随時改定のチェックもでき、ゼロから作る必要がなく、freeeの画面上から印刷できるので、とても簡単になりました。電子申請はまだしていないですが、データをすぐに用意できるというだけでも作業はだいぶ楽になっています。
今後の課題は、属人化から標準化にすること。誰が担当しても、大丈夫な状態にととのえていきたい
――最後に、今回の取り組みの感想や今後の展望をお聞かせください。
岡内: 百十四銀行さんのご支援のもとでfreee人事労務を導入できて本当に良かったです。想像以上のサポートをしていただきました。近くにいらっしゃったのは心強いね。一緒に考えてもらって、一緒に解決してもらえました。
吉武: freee人事労務を導入される場合、一般的にはすでに社内で給与計算をされていて、それをfreeeでやったら楽になるかなということで始められる場合が多いんです。ですから今まで外部委託していた分を自社で担うとなると、正直、最初にお話をいただいたときはなかなか大変だろうと想像していました。ところが岡内部長はこれまで給与計算を外部委託していたものの、結局は社内でも確認のための計算をされていたので、社会保険などについての知識も大変豊富でしたので、非常にスムーズに内製化できたかなと思います。
後藤設備工業さまに限らず、会社独自のルールも結構あったりするんです。それでシステムの基本設定通りにはいかないこともあるので、そこをどうカスタムしていくかを一緒に考えていけたのは私にとっても勉強になりました。
導入後、実はもっとお問合せのお電話はかかってくるかと思っていたのですが、もうこちらのサポートなしでもしっかり対応されていて、ご質問いただくのはイレギュラーな事柄についてだけですね。しっかりと運用されていて素晴らしいと思います。
岡内: 先日は「アルバイトの場合はどうするか」という疑問がありましたけど、そんなふうにときどきイレギュラー対応も発生しますが、それはもう慣れていって、その都度対応してい くしかないかと思っています。「見るより聞け?」と言いますか、丁寧に文章で書かれていても読解くのはかなり骨がおれます。
吉武: 今後は年末調整もfreeeで対応していけるように、というところでしょうか。
岡内:
そうですね、徐々に進めていくつもりです。
あとは属人化から標準化というところで、誰がやっても同じようにできるようにするというところが今後の課題です。
確認体制については、やはり人の目でチェックすることも必要ですね。これまで外部委託先とのやりとりは大変だった一方で、何人もの目で確認できていたことは安心感がありました。だから今はfreeeでのエラーメッセージを見逃さないよう、油断せず業務に取組んでいきたいと考えています。