全自動のクラウド会計ソフト freee(フリー)

お借りしたfreeeさんのオフィスが、やけに綺麗でオシャレなので、「脱税してるんですか？」と聞いたところ、すぐに「していません」という答えが返ってきました。していないそうです。

というわけで、税理士の李顕史さんに色々お伺いしました。

李顕史さんは、化学メーカー、ネット銀行といった上場企業から、年商3億円の企業まで、年間延べ500回の経営アドバイスを提供しているまさにプロの中のプロ。遠慮無く疑問をぶつけていきます！

今回は、よく悩みがちな事例をケーススタディ形式で質問していきたいと思います。

※本取材における税理士(会計士)の意見は私見であり、税務当局の公式見解ではありません。詳しくは税務署にお尋ねください。

隣駅なのにスイス経由で出社した時の交通費は？

たかしくんは新幹線通勤をしています。
交通費は経費で落とせますか？

【シモダ】
「まず、悩むのが交通費です。近場の場合は経費で落ちるのはわかるんですが、こういうケースの場合も経費に含めていいんですか？」

【税理士】
「これだけだとハッキリと言い切れない部分はあるんですが、恐らく問題ないと思います」

【シモダ】
「家が遠くても大丈夫なんですか。じゃあスイスから中目黒まで飛行機通勤してもいいってことですよね？」

【税理士】
「それはダメです。外国から通勤するなら日本に住んだ方が圧倒的に合理的ですよね」

【シモダ】
「え、合理的じゃなきゃいけないんですか？」

【税理士】
「そうです。だから新幹線通勤のケースもあくまで常識の範囲内の距離じゃないと認められないでしょうね」

【シモダ】
「なるほどなるほど。ちなみに、会社の隣駅に住んでるけど、スイス経由で通勤した場合は経費で落ちますか？」

【税理士】
「落ちません。全く合理性がないから」

【シモダ】
「仕事でどうしてもスイスの天気が知りたいんですよ。スイスの天気がわからなかったら800億の損害が出て会社が潰れるとしたら？」

【税理士】
「何でそんなにスイスに行きたがるんですか？ わざわざスイスに行かなくたって天気ぐらいならわかるでしょう」

【シモダ】
「スイスに知り合いなんていないし、会社の存亡がかかってる状況で一刻を争うんですよ？ スイスに行くしか手はないです」

【税理士】
「インターネットで天気を調べればいいじゃないですか」

【シモダ】
「インターネット嫌いなんすわ」

【税理士】
「合理的じゃないのでダメです」

【シモダ】
「厳しいなぁ」

スーツのクリーニング代は経費になるのか

たかしくんはスーツ着用必須の会社で勤務しています。
クリーニング代は経費で落ちますか？

【シモダ】
「先生、これはどうでしょうか？ 個人的には経費でもいいかなー、と思うんですが」

【税理士】
「結論から言うとこのケースはダメです。ただ経費としてクリーニング代が認められる場合もあります」

【シモダ】
「それはどういうケースですか？」

【税理士】
「会社支給のユニフォームだった場合です。これなら会社の所有物なので経費として認められます。スーツはあくまでも個人の所有物ですからね」

【シモダ】
「なるほど、そのユニフォームが透け透けのキャミソールだったとしても認められますか？」

【税理士】
「え…？ いや、まあ、認められるんじゃないですか…？ 問題無いと思いますよ」

【シモダ】
「社員が全員オッサンでも？」

【税理士】
「…問題ありません。会計上は」

【シモダ】
「じゃあ例えば、全裸がユニフォームだったとしたら、銭湯代は経費で落としてもいいんですよね？」

【税理士】
「うーん、それは難しいんじゃないでしょうか。というか、全裸がユニフォームというのが、まず認められないでしょうね」

【シモダ】
「なるほど。『全裸はユニフォームじゃない』か…。経費って厳しいんですね」

【税理士】
「いえ、今これは経費以前の『常識』の話をしています」

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