No.1 CRMとクラウドERPの連携「freee for SFA」で、新しい業務フローのスタンダードを確立したい!
2017年9月、freeeは、同社が提供する「クラウド会計ソフト freee」(以下「freee会計」)と、セールスフォース・ドットコムが提供するクラウド型の営業支援サービス「Salesforce Sales Cloud」(以下、「Sales Cloud」)を、APIで連携するアプリ「freee for SFA」を提供し始めました(プレスリリース)。
これにより、商談・見積書/請求書作成・個別債権管理・入金消込・仕訳入力・商談の入金確認がシームレスに運用可能になります。
「freee for SFA」はこのような課題を解決できるサービスとしてスタートしました。
リリースから約6ヶ月が経ち、現在の状況はどうなっているのでしょうか?
メンバー紹介
林 和成 Hayashi Kazumasa
株式会社セールスフォース・ドットコム アライアンス本部 AppExchangeアライアンス部
2016年4月、ビジネスと社会貢献をかけあわせたアプローチに惹かれて大学卒業後に株式会社セールスフォース・ドットコムに入社。新卒研修の後、志望して現在のアライアンス本部に配属。「freee for SFA」については立ち上げ当時から一貫して担当。
趣味は読書。ワインバーグの「ライト、ついてますか」は何度も読んでいる愛読書。
大西 正人 Onishi Masato
freee株式会社 金融プラットフォーム事業本部 チャネル事業開発部
学生時代、複数のベンチャー企業でインターン・事業の立ち上げに携わる。カンボジアで事業の立ち上げを経験し、ドル・リエル・日本円の3通貨をExcelで管理するなかで、この分野はいずれ自動化すると強く感じ、2014年9月にfreeeに入社。インサイドセールスチームの立ち上げを担当し、8ヶ月トップセールスの記録を残す。社内複数のセールスチームの立ち上げに関わった後、2017年8月から現職に異動し、「freee for SFA」を担当。
元ラガーマン。「絵的にいいので月1でラグビーやってますとよく言っている」とのこと。
中山 勝貴 Nakayama Katsuki
freee株式会社 プロダクト戦略本部 「クラウド会計ソフト freee」プロダクトマネージャー
前職はキヤノン株式会社にて連結経理を担当。もっと直接的にお客様に価値を届けることができる仕事をしたいという想いを抱いていたところ、freeeの「マジ価値」(freeeが大切にする価値基準の1つ、「本質的(マジ)で価値ある」の略。ユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えることをすること)に共感し2015年1月に入社。カスタマーサクセスの部署でお客様サポート等を担当したあと、2016年7月よりfreee会計のプロダクト戦略を担うプロダクトマネジメントチームへ。
プライベートでは最近スプラトゥーンの腕前をあげることに熱中(Sプラス50カンストを目指す)。
【聞き手】辻本 祐佳 Tsujimoto Yuka
PR
前職は楽天株式会社にて一貫して法務を担当。人生100年時代に向けて、法務以外にも自分の活動範囲を広げたいと考え、2017年8月入社。現在はPR&Brandチームに所属。和歌山県出身。最近は毎朝、るるてあ(@k_r_r_l_l_)さんの描くコウペンちゃんに癒やされている。
「Salesforceとfreeeが連携していれば...」ユーザの要望を叶える
―――「freee for SFA」は2017年9月にリリースしてから大好評ですね。連携のポイントはどこだったんでしょうか?
大西:
一般的に、営業担当が利用する営業支援システム(Sales Force Automationの訳)と、経理担当が利用する会計システムは別々のものを使っていることが多く、その間にはデータの受け渡しや転記などの作業が発生しています。具体的には、例えばSalesforceの営業支援サービス「Sales Cloud」では、顧客・商談・受注に関わる営業管理まで対応しているものの、案件を受注したあと、会計システムに仕訳として入力をするまでにはさらに「請求・債権管理・入金消込」という業務が発生することになります。
―――なるほど。一方、freee会計も、見積書や納品書を作成する機能はありますが、個別の商談や受注管理の機能はありませんね。
大西:
そうです。freeeは財務会計のデータや、freee人事労務でヒトのデータは持っていますがCRM(Customer Relationship Management、顧客管理)機能はありません。だからこそ、この世界をリードするCRMプラットフォームのコア製品でもあるSales Cloudと連携するのは相性としては完璧だと考えました。
また、Sales Cloudは色々なサービスと連携しているんですが、請求書から財務会計まで連携しているサービスはありません。会計システムとの連携はfreeeが初めてですが、潜在的なニーズはあったようで、連携開始後はかなり多くのお客様にご提案する機会をいただいています。freeeとセールスフォース・ドットコムで一緒にお客様を訪問し、セールスフォース・ドットコム側でお客様の売上増大に向けての提案、freee側でその売上管理を楽にし、バックオフィス全般のコストを削減する提案、という連携を実施しています。
―――潜在的なニーズはあったということですが、始めたきっかけはやはりお客様からの要望ですか?
大西:
はい、かなり以前からお客様の「連携してほしい」というお声はいただいていました。もう1つは、freee自身がSales Cloudをかなり使い込んでいて、営業の案件管理を行っていることです。一方で、自社サービスであるfreee会計で見積もりの提出、請求書の発行から入金の消込までを行っているので、営業メンバーは、案件情報をSales Cloudに、見積請求情報をfreee会計に入力するという形で二重入力状態が発生していました。freeeは、自分たちで両方のシステムをフルに使いつつ、そこに課題を感じていたからこそ、解決できるはずだということでサービスにつなげるイメージをつけやすかったんだと思います。
―――具体的にはいつ頃動き出したんですか?
林:
一昨年、2016年の冬くらいからですね。
―――「freee for SFA」の発表が昨年2017年の9月なので、10ヶ月ほどのプロジェクトですね。まずはどこから着手したんでしょうか。
林:
freee側の当時の担当の方が、当社(株式会社セールスフォース・ドットコム)のお客様にヒアリングを行うところから始まりました。機能開発を進めるために、Sales Cloudとfreee会計を両方使っているお客様に対して、どういった連携があればより使いやすくなるのか?という観点でユーザヒアリングを行うという目的ででお客様をご紹介し、ヒアリングした内容をもとに一緒に企画内容を進めていきましたね。
―――プロジェクトを進めていくなかで苦労したことってありますか?
中山:
開発を進めていくなかで、開発リソースの確保には苦慮しましたね。Salesforceとの連携ということで、Salesforceの認定テクニカルアーキテクトの資格を持っている外部コンサルタントに仕様の確認に入ってもらったり、社内でも元認定テクニカルアーキテクトのメンバーに相談したりしました。
―――2017年9月のリリース後は、メディアでもかなり反響がありましたよね!
>> CNET Japan freeeとSalesforce Sales CloudがAPI連携--「freee for SFA」を提供
>> クラウドWatch freeeがSalesforceとAPI連携、連携アプリ「freee for SFA」を提供開始
>> キーマンズネット freee、会計ソフトとSalesforceのSFAを連携し請求を効率化可能に
>> ITmedia freee がSalesforce とAPI 連携
>> マイナビニュース 会計ソフトfreeeとSalesforce Sales Cloudが請求データに関するAPIで連携
提案するなかで気づいた、お客様の本当の課題とは
―――お客様への提案などでの感触はいかがでしたか?
大西:
リリース前は、もともとのお客様からの要望もいただいていましたし、ターゲットとなる企業様も十分な数があったので、すぐに導入してお客様にも喜んでもらえると意気込んでいました。でも、実際に提案してみると、2つのシステムをつないで業務フローをそれに合わせるということは難しいんだなと気づきましたね。
―――なぜですか?
大西:
ご提案したお客様はSales Cloudとfreee会計、2つのシステムを「連携しない前提で」すでに業務フローを構築されています。そこに、新しく連携したシステムを入れるということは、経理側も営業側も、既存のフローを変更することになるわけです。すでにできあがっているものを、いきなり明日から変更してくださいというわけにはいきませんよね。部署をまたいだ業務フローの変更は、やはりハードルがありますね。それなりの規模がある会社さんではそういった作り直しのハードルがある一方、そこまで大きくない会社さんでは2つのシステムをつなぎこまなくても業務がまわる、ということは始める前にはわからなかった気づきですね。
林:
こうした状況を受けて、リリース当初に想定していたターゲット層を見直しながら協業を進めております。具体的に申しますと、最初は、Salesforceとfreeeの両方をご利用いただいている顧客を対象にしていたのですが、片方のプロダクトをご利用されている顧客をターゲットとして設定し直ししました。このように、受注要因や失注要因、共同提案の課題や顧客属性などを分析しつつ、スピード感ももって施策を修正しております。
大西:
そうですね、その方が業務フローの再構築もしていただきやすく、「freee for SFA」の価値も感じていただきやすいように思っています。導入プロジェクトが、会計システムの切り替えから、業務プロセスの変更という性質になり、提案の幅が広がりました。
―――なるほど。
営業と経理の双方がリアルタイムに入金情報を確認できる
大西:
もちろん、プラスの気づきもありました。「freee for SFA」のメリットとして、もともと想定していたのは2つ、1つはCRMから見積・請求連携ができる点、もう1つはCRM側で入金したかどうかの情報を確認できる点でした。自分たちとしては、前者の方が大きいメリットだと考えていたのですが、どちらかという後者の方のメリットを大きく感じてもらうことが多く、これは意外な点でした。
中山:
このCRM側で入金したかどうかの情報を確認できるというのが、Salesforceとfreeeを連携しているからこそ可能になる部分です。ただ、技術的にはそこまで複雑なことをしているわけではないんですよ。
大西:
財務会計の情報は会計システムにしか入っていなくて、普通は営業担当の人は見られませんよね。「freee for SFA」では、営業担当の方が財務会計情報を直に確認できる。意外と、経理担当の方が、その状況を理想的とおっしゃってくださいますね。営業チームにおいては、CRMツールで顧客との取引状況が全てチェックできることが理想のはずなので、従来連携されていなかった財務会計情報の連携は価値として感じていただけます。
―――従来は営業側と経理側で、「入金されましたか?どうですか?」という確認をしていた部分のコストがごっそり削減できるということですね。それは地味にインパクトが大きそうですね。
―――実際にご利用のお客様からの反応はいかがですか?
大西:
Salesforceもfreeeも、2大基幹システムとしてご利用いただいていたお客様がいらっしゃるのですが、以前からずっと「Salesforceとfreeeが連携したら理想的だね」というお声はいただいていたんです。今回の連携を受けてご提案したところ、早々に導入を決めていただき、「Salesforceとfreeeの間にあった請求管理システムが不要になり、効率化とコスト削減で一石二鳥です」というお言葉をいただけました。
あとは、上場準備企業のお客様で、従来だと営業の担当者によって商材の提案料金がばらばらだったり、商品マスタの管理ができていなかったりしたということで、内部統制の対応に向けて「Salesforce」「freee会計」「freee for SFA」を同時に導入してくださったところがあります。3つのツールを同時に導入することになったわけですが、そうすると最初からCRMと会計システムの連携を前提としたSalesforceとfreeeの業務設計ができるわけです。できあがったフローを変更するということをする必要がないのでスムーズですし、蓄積するデータを途中で変更することにならないので、過去実績との比較というのもやりやすくなります。
―――ご利用のお客様からも好感触ということですね!今後に向けた意気込みを聞かせてください。
林:
Salesforceはお客様の成功の実現に主眼を置いて、CRMビジネスを展開しております。Salesforce AppExchangeというビジネスアプリのマーケットプレイスがあり、ここでパートナー企業がSalesforce CRMを補完するサービスを提供していただいています。お客様にこれを活用していただくことで、CRMだけではなく、多様な種類のサービスを組み合わせたシステムを構築していただくことができます。
会計ソフトベンダのパートナーは日本ではfreeeだけですが、実際にクラウド型のCRMとクラウド型のERPを連携させて利用したいというお客様の声も多くいただいていますので、今後も、セールス、マーケティング、プロダクトの3つの面で引き続き連携して、お客様に本質的な価値を届けていきたいですね。
中山:
セールスフォース・ドットコムの投資部門であるSalesforce Venturesが、投資先(※と協業して新しいサービスを生んでいくという動きはとてもありがたいと思っています。「freee for SFA」についても、セールスフォース・ドットコムからも多くのフィードバックをもらっており、PM(プロダクトマネージャー)として今後しっかりプロダクトに反映していきたいですね。
※freeeは2016年12月にSalesforce Venturesから出資を受けています。
大西:
自社製品だけでは、お客様の理想的なバックオフィス環境の実現は難しい場面もあると思います。この「freee for SFA」が、freeeとして、お客様の本質的な価値につながるのであれば、自社の商材だけにこだわらずどんどん組み合わせて提案していくという動きのきっかけになればいいと思います。「Salesforceを利用していれば、もちろん会計・人事労務システムはfreeeだよね」という世界にはやく持っていきたいと思っています!
あとは、freee自身がSalesforceを使いこなしていることがお客様への提案において説得力のある前提になっていますし、Salesforceをfreeeが最大限活用しているノウハウは一つのお客様に提供できる価値になっていると感じています。今後、freee自身が、クラウドサービス・ツールを徹底して利用する成功モデルとして、お客様に参考にしてもらえるような、理想的な連携・運用体制を突き詰めていきたいですね。
また、freeeは財務会計と人事労務を中心としたBtoBのプラットフォームを目指していますが、事業開発担当として、Salesforce様のエコシステムは大変参考になります。機能面だけでなく、プラットフォームとしての連携も積極的に推進していき、ユーザーへの新しい価値にどんどんつなげていきたいですね!
林さんとまだまだできることがたくさんあるので、これからが本当に楽しみです!
―――これからもお客様にマジ価値を届けていってください。期待しています。ありがとうございました!
freee 取り扱いサービスのご紹介
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本記事に関するお問い合わせ先
freee株式会社 PR
宛先:pr@freee.co.jp